作品情報・キャスト
不倫スキャンダルに疲れ切った女優ヨンヒは仕事を辞めてドイツのハンブルクに逃げてしまう。彼の言葉を信じて待つが友達からは既婚者なんだから来るわけないと言われます。
結局、月日は流れ韓国に戻ったヨンヒは旧友たちと再会し女優復帰を考え始めると映画スタッフと出会い・・・・
焦りたくないし無理もしたくない、それでも恋はしたい。。
悩めるヒロインを演じるのは「火車」や「 お嬢さん 」で大胆な演技を披露したキム・ミニ。
監督は実際にキム・ミニと不倫スキャンダルがあり互いに認めたホン・サンス。
ネタバレあらすじ/夜の浜辺でひとり
不倫スキャンダルに疲れ切った女優ヨンヒは仕事を辞めて先輩ジヨンが住んでいるドイツのハンブルクに行きます。
住みたい街ナンバー1に選ばれた事を知り居候するヨンヒは住もうかなと考え、絶対に会いに行くとメールを送ってきた恋人を待ち続けるが「既婚者なんだから来るわけない」とジヨンから言われます。
離婚しているジヨンは「男は必要だし良い人だから一緒に住んでいたけど最初から別々の部屋だった。今は相手が幸せならそれでいい、欲がないの」と言います。
ジヨンと街を散策しながら日々を送るヨンヒは橋の前で跪きお辞儀をしました。
「なぜお辞儀したの?」と聞かれたヨンヒは「橋を渡る度に自分が本当に望む者は何か分からなくなりお祈りをしたの」と答えます。
自分らしくぶれずに生きる事を望んでいるヨンヒは既婚者で子供がいる映画監督サンウォンを今でも好きではいるが子供は怖いしすべてを彼にかけられないしデリケートで難しい人だから本当に来るのかと半信半疑でいます。
「会わない、もし来たら会ってみる」とジヨンに伝えるが気付くと砂浜で彼の似顔絵を描いてしまうのです。
騒動から逃れ新鮮な気分になっていたヨンヒだが彼が来ないのであればこのままハンブルクにいる意味はあるのだろうか・・・。恋人がいない寂しさはこのままいても消え去ってくれない。自分の真意が分からなくなります。
結局、恋人はやってこなかった。
月日は流れ、韓国に帰国したヨンヒはソウルから離れた東海岸の都市、江陵カンヌンを訪れ上映スケジュールを見ていると顔馴染みの先輩チョンウに久しぶりだと話しかけられます。
「大人になった。少し老けたけどすっっかり女らしくなった」
ヨンヒはジュニ先輩から冬の海を見に行こうと誘われ江陵に来たのだと伝えると「噂は聞いた。いろいろ大変だっただろうけど才能あるんだから復帰しろ」と言われます。
ヨンヒは何しに帰国したのか自分でも真意は分かりませんでした。
チュンウ含め4人で経営する「ボンボン」という喫茶店でコーヒーを飲んでいるとチョンウはミョンスが来るからと言い仕事に戻っていきました。
ヨンヒはタバコを吸いながら1時間待っていると店の経営者の1人でもあるミョンス先輩が寒そうにやってくるが1人で仕事をしていたドヒからガミガミ怒られてばっかりなので「居心地が悪い」と口にして外で待ちます。
ジュニ先輩を加えヨンヒは久しぶりにみんなで飲んで語り合います。
ヨンヒはハンブルクではあまり飲んでいなかったのでマッコリがすぐ回ります。ジュニ先輩は「すごく魅力的になったけど気付いてる?」と言うと「俺も思ってさっき伝えたんだ」とチョンウも賛同します。
滞在先で何してた?と聞かれたヨンヒは「毎日同じ事の繰り返しだったけどソウルにいても平和だとは感じられなかった」と言いました。
結末
近寄ってくる男は多く間違いもあったが、男にしか興味持てない変な女になりそうで深入りせず、そのたびに綺麗に死にたいと思うのです。ヨンヒの話を聞いていた旧友だちは愛を探しているのだと気付くが酔っ払うヨンヒは愛には愛される資格と愛する資格が必要だと喚きます。
愛に資格など必要ないと言うドヒと言い合いになります。
ジュニはヨンヒを仕事復帰させるためにマネージャーでもやろうかと思うと相談するとチョンウも賛同します。
「恋人の映画監督サンウォンは最近見ないけどどうなった?」
「見た目からして抜け殻になっているみたい」
ジュニはヨンヒと一生友達になって支えると誓います。
冬の海を見に来たヨンヒは砂浜で寝転んでいると「危ないですよ、起きてください」と声を掛けられます。
サンウォンの助監督であり昨日からロケハンで来ているんだと聞かされます。
「もしかして私がここにいるのを知っていたんですか?」と期待するが偶然だと言われます。サンウォンはずっと体調が悪かったが映画を撮れるまで回復したと聞かされます。
スタッフに誘われ飲みに行くと監督と再会します。
最初は普通に飲んでいたヨンヒだがもともと正直になんでも口にする性格でもあり「早く後悔から抜け出したい」と口にした監督に怒鳴ります。
冬の海を見に来たヨンヒは「危ないよ」と声を掛けられ起きます。
夢を見ていたヨンヒは1人浜辺を歩き出します。(終)
感想
なんだこれ。どこからどこまでが夢だったのか。「先輩に誘われて来た」と言っておきながら冬の海を見に来た時には1人だったので帰国して旧友と会っていたのも夢だったのかとも思うがそれはないか・・・。
最初に述べたが監督ホン・サンスと女優キム・ミニは実際に不倫スキャンダルがあり認めている。
別れたら抜け殻になるという監督からのメッセージだろうか。
最後に監督が詩を読み上げる場面がある。
「別れの時がきました。2人は自制心を失い僕は胸に激痛を感じながら愛を告白した。愛を邪魔するものがどれほど無駄なことか・・・愛による幸福や不幸、善悪の区別を考えるよりも大事なことから出発するべき。そうでないのなら何も考えるべきではないと気付きました」
別れて勇気を持って覚悟を決めて一歩踏み出したのだろうと予想させますね。
オススメはしませんがキム・ミニさんの演技は素晴らしくベルリン国際映画祭主演女優賞に輝いた作品です。