作品情報/キャスト
唐・貞観の時代。蘇州のある商人の娘・冉顏は母親の死因を調査するために検視官となる。嫡女だが義母に嫌われており決められた結婚から逃げるために家出をすると刑部侍郎の蕭頌に出会う。
推理力が高く冉顏の検死する能力に感心した蕭頌は彼女を専属の検死官にして事件を解決していく。死体に隠された真実を追い求めていく二人は反目しあいながらもお互いを信頼し絆が深まっていく・・・謎解きと絡み合いつつ描かれるピンチの時に助けに来てくれる孤高の殺し屋・蘇伏ふくめた三角関係も見所。
ネタバレあらすじ/大唐女法医
第25話・疫病
冉顏は何者かに誘導され蕭府の奥へと進んでいくと夢うつつの中で謎の花園にたどり着き「助けて、鉞之」と石に刻まれているのを発見します。
その頃、冉顏の検視を手伝ったものがひきつけを起こして倒れ蕭頌の亡き妻・心儀と向瑶の遺体から疫病に感染したのではと疑われ蕭府が封鎖されます。
蕭頌は座ったまま眠る冉顏に声をかけると「鉞之」と呼ばれ、自分の幼名であり亡くなった心儀からしか呼ばれたことがなかったので驚きます。
向瑶が蜀水花により病になる体質だと知った蕭頌は蜀水花を含む澡豆で亡くなったと知り下手人は春来だと気付きます。拷問しても白状せず疑わしいこともなかったが銅銭を目にし内衛門だと気付くと春来は自害してしまいます。
冉顔と蕭頌はフクロウを使って白義と桑辰に連絡を取り合い再度遺体を調べさせると疫病はでっち上げであることを知ります。また同じ棺に入れられていた焼死体の胃の残留物からはいくつかの生薬が検出され大量に飲めば疫病で亡くなったようになるので陰謀の影を感じます。
焼死体の正体を調べると最近になって辞職した秦太医だと分かり後釜になった斉太医が疫病と診断していました。
冉顏を陥れる理由は見付からないが皇太子(李承乾)と内侍が疫病にかかって冉顏から移ったと噂されており、斉太医が診察することを知った蕭頌は標的は李承乾かと気付きます。
蕭頌は駆け付けて李承乾が飲もうとしていた薬を取り上げます。秦太医は報酬に釣られて疫病の症状に見せかける薬を作りだしました。標的を知って恐れると脅されるようになり蕭頌が検視をすると知って生薬を骸の口に入れるよう強いられました。
しかし良心が痛み蕭府に侵入して口から生薬を取り出すが見付かってしまい燭台で殴られ命を落としたのです。骸の口の中が黒かった事も骸と一緒に焼死体が入っていた事も燭台が握られていた事もすべてが一致します。
しかし暴かれた斉太医はその場で自害してしまいます。
第26話・隋侯の珠
祖母が危篤となり蕭頌は駆け付けると「隋侯の珠の在処はこの屋敷に・・・用心しなさい」と言い残して息を引き取ってしまいます。
冉顏は疫病を広めた張本人とされ処刑されそうになったが蘇伏が止めてくれます。このままでは冉顏も狙われると忠告された蕭頌は心儀を失った悲しみは埋められないと冉雲生を通して冉顏に伝えます。
蘇伏の協力を得て現場検証を行なうと、疫病に見せかける薬と爪の破片が転がっているのを目にし無理に飲まされたのだろうと分かります。
蕭頌は爪がかけている侍女を見付けていたが問い詰めても無駄だと思い飲んだくれの生活をして妓楼で遊びほうけている芝居を打つと早速、隋侯の珠を持っていると勘違いした侍女がやってきたので捕らえます。
侍女は祝由術を使い特定の音を聞かせて幻の中に誘い込み胸痹で心儀を死に追いやったのです。自害した春来が向瑶を亡き者にして心儀が嫁入りしたので、向瑶と一緒に蕭府に入った侍女は敵を討つために心儀を始末したのです。
そして向瑶は蜀水花により病になる体質だと蕭頌に教えて春来の犯行を浮き彫りにさせたが祖母に隋侯の珠を捜しているのがバレてしまったので口封じしたのです。
春来と心儀も内衛門であり冉顏は「お前は何者なのか」と訪ねるが侍女の頭に飛んできた箸が突き刺さり亡くなってしまいます。
冉顏と蕭頌は部屋の仕掛けに気付き仏像を動かすと地下に降りる階段が現われます。花園に入ると池の周りに9種の動物が描かれていたが4つの誤りがありました。4つの提灯があったので誤りの場所に置くと池の水がなくなり牙が懸けている龍が現われます。
冉顏は授っていた蕭府の家宝が牙で出来ている事に気付きはめ込むと隋侯の珠が現われ唐を伐ち隋の復興を果たすために祖父が守っていた事を知ります。
冉顏は蘇伏の命を盾にされ隋侯の珠と引き換えだと火麒社に脅されます。
第27話・離縁
「すべて授けてくれる日を待っている、叶わないなら誰も娶らない」と蕭頌に想いを告げられる冉顏だったが蘇伏を救うために隋侯の珠を盗んで火麒社に渡します。
目覚めた蕭頌は隋侯の珠がない事に気付き「自分に嫁いだのは蘇伏を救うためなのか」と激怒するが孫辰が「冉顏は火麒社と内通している」と李世民に報告していた事で鞭打ちを命じられます。
「蕭頌が火麒社を攻撃する」と書き付けを持っていたのは自分が命じて間者に知らせるためだったと釈明し妻に代わって罰を受けます。
しかし罰を終えると妻が無実になったわけではないと言われ仗刑を自ら行ない離縁しろと命じられてしまいます。手加減すれば回数を増やすと脅され苦しみながらも従いました。
巴陵公主の護衛・池海が大勢の前で忽然と姿を消す不可解な事件が起こり蘇伏は調査を命じられます。
離縁した冉顏はこれから何をしようかと考えながら晩緑を連れて町に出ると彫像の上に生首が載っていて民が騒いでいました。
蕭頌は斉太医が服毒自殺したのに部屋を捜索すると薬が見付からなかったので渡した物がいるとにらみ冉雲生や桑辰、蘇伏や孫辰などに監視を付けます。
第28話・彫像
死者の像から様々な薬草の匂いが漂っていたので蘇伏は向かいにある廃業した八味医館を調べます。
冉顏は廃業した医館があった場所に新しく清竹医館を開こうと考え案内を頼むが鍵が開いていたことで役人を呼んでくるといなくなってしまいます。
提灯を片手に中に入っていくと庭には地下に降りる階段がありました。大量な血痕がちらばる不気味な地下室に入ると蘇伏がナイフを手にしているのを目撃し怖くなって逃げ出します。
地下からは巴陵公主の護衛官・池海の骸が発見され蘇伏は殺人の第一容疑者となり拷問を受けます。
蕭頌は蘇伏を冉顏が発見したと知り現場検証に向かうと下手人は蘇伏よりも背が低いはずだと思います。
大食国の使節も同じ手口で殺され冉顏は検視を行なっていると釈放された蘇伏が捜査を命じられやってきました。大食国の使節が馬車の中で姿を消したと知った蘇伏は調べると身を隠す場所があり始末してつり上げたのだと分かります。
冉顏は自分のせいで拷問を受けてしまったので蘇伏に謝罪し傷の手当てをします。蘇伏は彼女が心配で尾行するかたちで送っていくが途中、刑部のものが数人監視しているのに気付きます。
フクロウが飛び出したので後を追うと行き着いた宿には刑部の捜査資料が張ってありその中には自分を含め紀元(大理寺主簿)の名前がありました。文には「解読した文を紀元が入手したようだ」と書かれてあり先ほど見掛けた刑部は紀元を監視していたのかと思います。
冉顔は雲韶教坊で冉雲生と一緒にいたがちょっと席を外したわずかな間に彼は姿を消してしまいます。黒装束の者から近くの宿にいると言われ向かうとそこには蕭頌がいたがまったく聞く耳を持ってくれないので怒って出て行きます。
次の犠牲者になるのではないかと落ち込んでいると蘇伏に慰められ捜索してくれるが、蘇伏は「なぜ行かせたんだ」と火麒社の者に訴えると「蕭頌の注意を冉雲生の捜索に向けさせればお前の監視に隙ができる」と言われます。