中国時代劇/鬼谷子
中国では伝説的な人物として知られる鬼谷子を描いた本格歴史大作
あらすじ&キャスト
魏国の宰相・王錯は奴隷廃止の変法を進めていたが逆恨みする者の悪計により一族が滅ぼされてしまう。生まれたばかりの王錯の息子・王禅は侍女・鍾萍によって助け出され母子として生活していると10年後に王錯の友人・史太皓が現れ故郷である魏の都・大梁へ移り住む。孫子兵法の研究を深めながら成長する王禅は魏王に認められ政策を助言する存在になっていく。周辺国との騙し合いで一触即発の攻防を繰り広げるなか民のため乱世を治めるべく動き出す。
ネタバレ感想/鬼谷子
49話・生涯の契り
公主・今淑が周と盟を結び韓の王と認められたと報告を受けた韓王は今まで誰からも王と認められず落ちぶれていたが子を授ったことで真の王になってやると恨みを募らせます。
帰還した今淑のために宴を開き毒殺しようと計画を立て勘の鋭い妹にバレないよう器に細工するが待っててもなかなか現われず妃は手を震わせます。
すると花園に宴席を設けたと報せが届いたので韓王は決意し向かいます。
今淑はこれまで命を狙われても肉親なため責める事はしなかったが兄の性格などお見通しでした。今まで行なってきた「妹の愛情」を話しても乾杯しようと酒を勧めてきたので最後の機会を与えるために「毒などいれてないですよね」と聞きました。
しかし、考えが変わらないようなのでそのまま酒を飲みます。杯は入れ代わっており韓王はそのまま息絶え今淑は自らが韓王となりました。
奴隷となった姮娥は姚子英に助けられ、王禅から授った宝物を掘り起こし実家(学堂)にたどり着きます。
姮娥を探し求めて魏に帰還した王禅は町の様子を見て心を痛めるが実家に戻るとネックレスがぶら下がっているのを目にし姮娥がいるのだと気付きます。
再会する二人、互いにこんな姿になってと心を痛めるが「どんなに過酷でも一緒にいれば何も怖くない」と将来を誓い合います。
50話・王鼎、魏の地へ
周王朝を信奉する者、息子として何をするべきかと考える姫元伯は天子を守るのが責務だと思います。
儀式は自分が引き受けると決心し王冠を持ち去ろうとしたが「戦で誇りを証明しても何の利も生まない、余が払う代償は己自身だ」と言われます。
若き秦の王は天子が自ら魏に赴き儀式を行なう真意が測れず母親に相談します。新たな楚王は国力を減退させ、今淑が韓王になったが燕、趙、斉の三国は不仲なので往来はほぼなく天下は魏の一強だと告げるが「各国は別々に動いているように見えて実質は同じ方向を見ている」と言われます。
王禅と姮娥が将来を誓い合い魏を去ったと報告を受けた魏王は「王禅と変法がなくとも天下に覇を唱えられると見せつけてやるから生かしとけ」と命じます。
姫元伯は信じていた魏王に裏切られ愛する女を辱められたので我らの戦いに王禅は介入しないだろうと天子に意見を述べ出立します。楚王は韓と連携して秦軍するよう文を受け取り、今淑は5日後に大梁(魏の都)へ進軍するため準備に入り、兄の子は禍根になるため母子を始末し共に埋葬するよう命じました。
天子は太子と姫元伯を連れて魏王が画策した禅譲の儀に現われ、各国は権力の頂点同士が向き合う儀式に注目します。
城門で出迎えもせず下座に着かせる不敬まで魏王が働こうとしたので譲位が済むまで天子なんだと太子は言い放ちます。王后も権力に溺れ人が変わってしまった弟(魏王)を見て困惑します。
「刈首営を使って王錯を殺し魏が強大になる機会を潰した。会盟の時は私を利用して楚王を抑えこみ王禅の変法を無にした。あなたへの忠義に時を空費し続けたようだ。天子の王冠は私が引き継ごう」
その頃、嘯公は大王から祝いの酒を下賜したと告げ兵士たちに杯を配っていました。
51話・歴史を刻む者
魏王は天下の王冠を譲るよう機会を与えたが「急ぎすぎじゃないか」と拒んだため待機させていた兵士たちを呼び入れます。
王后と太子は激しく動揺するが魏王が「捕らえよ」と叫び出すと兵士たちが魏王に剣を向けたので驚きます。嘯公は自分の手下と入れ替えており「国に尽くした忠臣の権力と欲望を奪ったこと、悔いが湧きましたか」と笑います。
「かなり不利な状況だったが権力に溺れて視野が狭くなったおかげで我々を王宮に通して機会を与えた」
天子は「天下は依然として周のものであり余こそ天下を統べる真の王、魏は王禅あればこそであり、そなたには何の力もないのだ」と言い放ちます。
姫元伯がこの時のために楚王と今淑と盟を結んだのだろうと分かる王禅は楚と韓が攻め込むので天子側は魏王を抑えこむだけでいいのだと義士たちに告げます。
魏王は太子の首に短剣を突き付けると韓と楚の大軍が押し寄せてくると姫元伯に言われるがその時は太子の命はないと強気に出ます。
しかし、
「そなたの姉の子だろう、私の愛する息子は姫元伯だ」と言われ、魏王だけでなく王后も太子も利用されたのだと気付きます。
王后は息子を助けて欲しいと泣きつくが天子と姫元伯に見捨てられます。弟を説得するが魏王は騙された事に頭にきて太子の首を斬りました。
魏王は姉である王后をも殺害し「太子を殺して姫元伯の即位への障害を除きました。愛する女を失ったお辛さの埋め合わせです、これで許してくださいますか」と天子に跪きます。
天子は魏王を傀儡にすれば各国の諸侯への見せしめになるので生かしてやります。
楚を離れてから王禅はずっと計画していたのだと気付く姮娥は足手まといになるから去る事を決意するがその前に婚礼を挙げてほしいとお願いしました。
52話/最終話・鬼谷子
王禅は同じ志を持つ兵士や奴隷たちを率いて周の占領下となった魏王宮に押しかけます。
城門を突破し姫元伯が率いる精鋭部隊と衝突します。姫元伯の姿を目にした王禅は一歩前に出て「建于、これ以上殺すな」と叫ぶと突き進んできたため城門に誘き寄せるため下がります。
潜伏していた奴隷が油を撒くと王禅は火を放って敵の陣を崩します。
「楚国の奴隷が暴動を起こして楚王は軟禁状態となり韓は公子昻に攻められ混乱状態」と報告を受けた姫元伯は王禅に嵌められたと察知し天子のもとに駆け付け「帰国して計画を練りましょう」と告げます。
拘束される魏王から王禅の手に落ちたくないから連れて行ってくれと頼まれるが「王禅と奴隷たちから罰を受けろ」と見捨てます。
押し込まれた楚王は自害し、今淑は逃げも隠れもせず捕まり魏に送られます。
爵位改革、奴隷制禁止、自由を手に入れるため王禅は賛同した者たちと必死に戦います。
そして拘束されて寝転ぶ魏王を発見し剣を手に近付いていくと必死に謝罪され命乞いされます。王禅は燕、趙、秦、斉の王を大梁に呼び寄せ周、楚、韓の反乱を鎮めたと告げるよう言います。
滅びそうな魏を救い周の天子の陰謀を打ち破ると、時代に逆行する天子の挙兵に対し諸侯たちは連携して討伐に動きました。
周は四国に包囲され天子は自分の首を差し出し再起する機会を作れと姫元伯に命じました。周王朝は凋落し姫元伯は行方知れずとなります。
魏王は王禅の指示通り4国を招いて新法発布の見届け役にします。魏王をねじ伏せ諸侯を利用し王禅は民の願いだった変法を発布させ時代を変えました。
魏王は「脅されて痛恨の行いをしている余に皆が歓喜している」と笑顔で手を振るが民たちは王禅の名を叫んで称えました。
その後、王禅は長年諸国を遊歴して雲夢山に隠居して鬼谷子を名乗り、縦横家の始祖として歴史に名を残す偉人たちを育成しました。