作品情報/七日の王妃
史上最悪の暴君として有名な燕山君と晋城大君(後の中宗王)に愛された端敬王后の人生!!
両親に内緒で上京したチェギョンはヨクと最悪な出会いをするが後日婚姻相手として紹介される。
燕山君は物怖じしないチェギョンに興味を持ち淡い恋心を抱き始めるとヨクとチェギョンがある事件を起こして激怒し結婚の約束をした2人を引き離す。
燕山君はどうして暴君となってしまったのか?
また先王が残した密旨の在処は?それもこのドラマの見所の一つ。
重要人物キャスト
後の第11代王・中宗。燕山君の異母兄弟の弟。王子。先王からの遺言、そして母である慈願大妃から「王に命を狙われる・信用するな」と言われ何も見ないようにして育つが刺客に襲われた事で復讐を誓う。少年期の頃に勝手にチェギョンとの婚姻を決められるが心から愛するようになる。
弟だけを可愛がる先王に嫌われ実の母親は廃妃となり毒殺される。先王から「お前が王になったら朝廷を滅ぼす。弟に王座を譲れ」と遺言を言い渡される。汚れた血筋に対する偏見と嫌悪、それに対する不安と苛立ちを抱えながら誰も信用できる重臣がいないなか王を務める。忍びで街に繰り出しチェギョンと会った事で心が優しくなるが朝鮮史上最悪の暴君となってしまう。
後の端敬王后。高官の娘。予言によって父親の意向により都から離れた居昌で隠されて育つが偶然出会った王子との婚姻が決まる。燕山君と晋城大君に愛される。
側室として燕山君を支える。サホンと結託して朝廷を我がものとしようとする。朝鮮最大悪女の1人。
イ・ヨク=晋城大君の実母。燕山君から息子を守ろうとする。ヨクを王にするため計画を練る。
貧しい盗人。王への献上米を盗み民から暴力を受けていたところを晋城大君とチェギョンに助けられた事がきっかけで忠誠を誓う。父親マッケは先王の仕官であり先王が残した「密旨」の在処を知っているただ1人の人物。
副総監ウォンジョンの姪。流刑となったヨクが刺客に襲われ瀕死状態だったところを助ける。密かに愛しながらヨクを王にさせるため協力する。
都承旨~左議政。チェギョンの父親。蚊帳の外であった王子に忠誠を誓って支えていた事で王となった燕山君から信頼されている。妹は燕山君の正室。庵主から「チェギョンが王室に嫁げば朝廷と王室が血に染まる」と予言を受けた事で娘を隠すが晋城大君との婚姻が王命として下ってしまい困惑する。
提調~都承旨。燕山君の側室ノクスと結託し朝廷を我がものにしようとする。そのために晋城大君は邪魔な存在と考え命を狙う
副総管。ミョンヘの叔父。慈順大妃の側近。流刑となったヨクが王宮に戻ると高官の座に付くため、そしてヨクを王にするため動きだす。王の舅となる目的があり姪ミョンヘを王妃にしようと企むが・・・
燕山君とは
誕生
母親は廃妃尹氏(斉献王后・尹氏)~両班(貴族)の娘で美貌を武器に側室になり、正妻だった共惠王后が19歳の若さで亡くなった事で正妻に昇格しました。
その後、燕山君(本名ユン)を出産するが成宗が側室たちのところに行くようになり相手にされなくなった事で嫉妬心から精神を病んでいくようになってしまう。
成宗の母親・仁粹大妃が「貧しい両班出身が王妃なんて冗談じゃない」と王に次々と女を与えたと言われているが両班出身が問題ではなく単純に気が荒い性格の尹氏を嫌った可能性の方が高いのではないでしょうか。
王が気に入る女を始末するようになってしまった尹氏は側室に戻され許そうとやってきた王を引っ掻いてしまった事で仁粹大妃が激怒し追放されたのち毒薬を命じられてしまいます。
母親が王様から相手にされない場面を記憶するユンは母親の亡き後、愛を知らずに孤独に育ち、父親から可愛がられる異母弟・晋城大君=ヨク(後の11代王・中宗)をいじめるなど荒い性格となってしまう。
また学問や政治に理解力がなく王世子には相応しくないと朝廷では思われます。
即位/暴君
成宗が亡くなり長男であるユンが18歳で第10代王に即位(王妃は居昌愼氏)。
秩序を守りおとなしかった燕山君だが子供の頃から厳しく教育されていた事を恨んでおり側近たちを処刑。
また曽祖父である世祖を否定する記録があると知らされ道義を重んじる士林勢力の官吏を大量処刑しました。
この事件は1498年戌午士禍(ムンサファ)とよばれる。
燕山君の性格を利用し権力を握ろうとしていたのが側室である朝鮮王朝三大悪女の1人張緑水(チャン・ノクス)や任士供(イム・サホン)、金子猿(キム・ジャウォン)です。
燕山君は張緑水を寵愛し彼女の望みはなんでも叶え成均館(王朝の最高学府)を音楽や女と遊ぶ酒場に変えてしまいます。
酒・音楽・女に溺れ苦言を呈する者は容赦なく処刑しました。
また王を批判する張り紙が町中に張られている事を知り民がハングルを使うことを禁じました。
側近たちにより母親が亡くなった理由を初めて聞かされた燕山君は母親の復位に反対する重臣たちを処刑、また母親の件に関係している者を全員処刑し、すでに亡くなっている者は墓から掘り起こし首をはねるよう命じました。
また母親の廃位を進言した貴人厳氏と貴人鄭氏を縛って殴り頭に袋を被せたあと鄭氏の息子である安陽君と鳳安君を呼び出し棒を渡して始末するよう命じました。この時、安陽君は誰か分からず二人をなぐり始めるが鳳安君は母親だと気付き泣いて何も出来ませんでした。
燕山君は動かなくなるまで続けろと命じたあと子供二人を賜死させました。そして母親を追いやった仁粹大妃に刀を持ったまま乗りこんだ・・・
この事件は1504年甲子士禍(カプチャサファ)と呼ばれる。
クーデター
1506年9月2日・中宗反正
史上最悪の暴君となった燕山君に対し我慢の限度を超えた朴元宗(パクウォンジョン)を含め重臣たちが行動を起こします。
特に朴元宗に関しては月山君(成宗の実兄)に嫁いでいた姉が燕山君にはずかしめを受け自ら命を絶った事で強い恨みを持っていました。
この時、燕山君の義母弟である晋城大君は幼い頃から何かといじめられていたのでついに自分を始末しに来たと勘違いし自ら命を絶とうとしたところ妻(後に七日で廃位された端敬王后)に止められている。
暴政を働く王を守ろうとする者などいなかったために簡単に捕らえられた燕山君は王位を剥奪されて江華島へと流され側近は全員始末されました。また正妻は剥位されて実家に戻され残された王子は始末、王女は奴婢とされました。
クーデターは成功し民たちは喜びました。
晋城大君は18歳で11代王・中宗となるが愛妻が燕山君の正妻の姪だった事を問題視され廃妃を迫られ離縁する事になってしまいます。
この先、中宗は革命を起こした重臣たちに逆らう事が出来ない王として苦労することになります。
島流しにされた燕山君は二ヶ月後に30歳で亡くなりました(1506年11月20日)
王位に就いた期間は1494年12月29日から1506年9月2日
各話あらすじ一覧/七日の王妃
前編~
中編~
後編~
密旨を手にした晋城大君!燕山君の暴走を止めるための選択! 永遠の愛の誓い!
感想/七日の王妃
なんとも切ない。この時代、最も権力があるのが表向きは王ではあるが朝廷を操っているのはやはり重臣たちですね。
ドラマでは町に繰り出し調べたりするのを頻繁に見るが実際にはおそらく不可能であり重臣たちの報告でしか分かっていないと思う。
実際は本当に左議政の力を得るために王子の時に婚姻したのでは?と頭をよぎってしまい調べると夫婦の仲は良く王妃を退かせるべきと進言されるなか最後まで反対していた記録があるみたいですね。
離縁してしまうが中宗は彼女をしのんで仁王山の岸にいる端敬王后の実家を遠くから眺め、その事を知った彼女が一緒にいる時によく着ていたチマ(韓服の下衣)を広げていたため「チマ岩」と呼ばれるようになった。チェギョンの永遠の愛の誓い方は間違いないのかも知れませんが謀反により王に立てられたので中宗も断る術がなかったのかも。
中宗は後継ぎの件があるため2人の王后9人の側室により9男11女を得たが廃妃シン氏は生涯独り身で71歳で亡くなっています。(廃妃となったが21代英祖の時に復位・端敬王后となる)。
そういえばこのドラマに出てくるミョンヘが中宗の2番目の章敬王后なんだがその話も取り入れて欲しかった。