中国時代劇「清越坊の女たち」
乾隆帝の時代を舞台に伝統織物・緙絲の職人たちにスポットを当てた中国大河ドラマ
幼くして両親を亡くし江南きっての織物名家・任家を頼った沈翠喜は、
技術を受け継くと任雪堂と結婚し織物工房・清越坊を切り盛りしていました。
しかし、任雪堂は名家の令嬢で官妓に身を落とした曽宝琴を愛し続け子供を作ると汚職官僚の不正事件に巻き込まれ行方不明に・・・。
任家を守るため曽宝琴が産んだ秀山を引き取り女主人として汚職官僚と闘う道を選ぶが余命わずかな青年・魏良弓と出会うと・・・
オリジナル全40話(テレビ放送だと35話)で紹介します。
ネタバレ私感/清越坊の女たち
9話・失われた技法を求めて
任如風は十二水図の所有者が季家だと曽宝琴から聞き出し馬を走らせます。
異色双面緙の復元に取り組んでいるから譲ってほしいと正直に話すと復元を見届けたい李家当主は快く譲渡してくれます。
本物の十二水図を目にし感動する沈翠喜は織機の修理を陳暁紅にお願いします。
曽宝琴は任如風が泰興から戻り沈翠喜が工房に閉じこもっていると報告を受け二人の意図に気付きます。
沈翠喜は怒り心頭で曽宝琴が押し掛けてきたので何年経っても成長しない奴だと言い放ちます。当時の曽知府は在任中に6度の行幸を受けたが知府自身が接遇した3度で多大な損失を出しました。
先帝の崩御後、戸部は曽知府に対し穴埋めを命じたから縁組を勧められなかったのだと当初の状況を教えてやります。
「曽家の過ちがなければ大奥様は任雪堂と曽宝琴の結婚を許していたし、曽知府は商人とは家柄が合わないと婚姻を反対していたのに自分が窮地に陥ると急に任雪堂を褒め始めた」
任雪堂は援助すれば任家は終わりで先祖に顔向けできず、助けなかったら曽宝琴に面目が立たなくなるんだと言い放つと虚無感に襲われた曽宝琴が川で身投げしようとしたので秀山はどうするんだと止めます。
沈翠喜は李昭が清越小坊の支援を買って出たのは兄貴分だからではなく任家を潰すために利用するためだと曽宝琴に告げます。
感情で先に動かないで任雪堂を想うなら早く冷静になって真相を調べろと叱責します。
沈翠喜は任家のため、亡き大奥様のためにも何としても異色双面緙の技法を復元せねばと研究を始めます。復元に成功すると清越坊には客が殺到するようになり、沈翠喜はこれからも頼りにしていると曹文彬に贈り物を持参します。
曹文彬は親王に献上して知府に留任すると李昭は苛立ちを隠せません。
母を失いショックを受ける魏良弓は科挙を受けて仕官すれば嫡母への授位も願えると師兄・李昭に言われるが嫡母は母を死に至しめたので孝行を迫るなと言いその場を去ります。
10話・出会い
曽宝琴は馬車で走行中、吹雪のなか倒れている魏良弓を発見して連れて帰ります。
看病すると意識を取り戻した魏良弓から自分なんて助けるべきではなかったと言われます。曽宝琴は元知府の娘だったが没落し子を出産しても任家に入れず子供だけ奪われても生きているんだと告げ、若いのに死ぬことを考えては駄目だと言います。
江南で学のある者なら魏良弓の名は神童として誰でも知っていると告げます。最近は母親を捜していると噂されていた事を告げると行院で自害したと聞かされます。
互いの境遇を語り合い意気投合すると魏良弓は生きる活力を取り戻します。
嫡母という理由で曽宝琴の子・秀山を育てる沈翠喜に反発を秘める魏良弓は秀山の教育係として任家に入ります。
秀山が食事は朝晩だけで肉や魚を与えられていないと知ります。理由を聞くと消化不良で発熱して医者に診せたところ胃を空っぽにする必要があると言われたと知り、誤解していたと沈翠喜に謝罪します。
沈翠喜は誤解とは何のことか分からないでいると虐待を疑われたのではと林舒芳に言われます。秀山を連れて帰ったのは任家のためであり嫡母である以上、何を誤解されてもしっかり育てねばと言います。
長老衆がやってきて沈翠喜はすでに遺体を見つけたが手中にある権力のため世を欺いていると噂されていると言います。我慢の限度を超えた沈翠喜は人の痛みが分からないのかと長老衆を叱咤し遺体が見つかっていない以上生きていると信じていると言い放ちます。
身を処すのはなんでこうも難しいのかと雨にうたれていると魏良弓が傘を手にやってきます。楽になる方法はあると連れ出される沈翠喜は勝手な噂話をする女に堂々と文句を言い放ち絵画を取り戻します。
11話・女の仕事とは?
曽宝琴は秀山が酷い仕打ちを去れていると噂話を耳にし、居ても立っても居られなくなり魏良弓を呼びつけるが元気にしていると言われます。
沈翠喜は我が子同然にちゃんと可愛がっているから噂のせいで誤解しないよう言われ変わってしまったと不満を抱きます。
2人を目撃して帰宅する任如風は二人の子供を連れる丁栄と巧児が門前にいたので「領織様のお出迎えもせず失礼した」と告げます。
丁栄の背後に李昭がいるので会わせないようにしようとしたが沈翠喜に命じられた林舒芳が招き入れます。
李照の命を受けて訪ねてきた丁栄は任家に朝廷の綿を作らせると織造局が決めたことを伝えます。
林舒芳は跡取り息子を望む婚家の意を受けて巧児が懐妊していると知り、2人目を出産した時に出血がひどく医者に休めろと言われていたのに酷いと思います。
織機を取り上げ織子を禁足にしたうえ新作まで奪うとは容赦ないなと口にすると多弁だと夫に離縁されると沈翠喜に注意されるが、嫁ぐつもりはないと林舒芳は言います。
沈翠喜は秀山を除きに行くと魏良弓の優れた指導に感服します。魏良弓が科挙を受けれるように静かな離れの部屋を使ってもらおうとしたが秀山の指導に専念すると言われます。
魏良弓は曽宝琴を訪ねると李昭がいたので、彼は言う事は立派だが冷酷無情な人だから付き合いはほどほどにした方がいいと告げます。
12話・卑怯者
林舒芳が嫁ぐ気はないと言うので心配する沈翠喜は強引に問い詰めると強いているなら魏良弓を選ぶと言われます。
魏良弓の心を探るために訪ねると咳き込んでいたので、体が弱いなら善良で聡明な女子に世話をしてもらうべきではとお茶を差し出します。
「私の心にはある女性がいるのです、よって他の女子のことは考えられません」
情が深まるほど薄くなるし情の深い人ほど薄情になるもの、報われぬ愛は死ぬほどつらいものと言われ沈翠喜は涙を浮かべます。
任家の女当主である自分の生きる意味は何なのかと先祖の位牌に訴えます。曽宝琴を娶れば自分は行き場を失うので生きる道を与えてほしいと泣きながら任雪堂に頼み込んだことを思い出します。
秀山から木彫りの人形を渡される沈翠喜は魏良弓が彫った物だと知り他に想人がいると言っていたことを思い出します。
織造局から作り直しを命じられたと任如風から聞かされる沈翠喜は検査したのは丁栄だと確認し他家の品はすべて合格だったと知ります。
丁栄が訪ねてきたと知らされ、領織であっても背後に李昭がいても外で待たせとけと命じると今まで我慢していた任如風は色めき立ちます。
四大織り元が揃うと沈翠喜は丁栄が任家をカモにした目的は何か賭けようと言います。自分が技術を盗むためだと思うと告げると、中に招いた丁栄から双面緙に問題があったから復元に誤りがないか解決のため蘇州府の職人に織り方を教えるよう提案されます。
予想が的中したので思わず笑ってしまう沈翠喜は先祖代々の技法と任家の基盤がやすやすと手に入ると思っているのかと言い放ちます。
丁栄の代で丁家が途絶えてもいいのか、恥知らずぬにもほどがあると任如風は丁栄を引っ叩き外にほっぽり出します。技法は守り抜かなければならないと四大織り元は店を休業するとそれに乗じて曽宝琴も店をしめます。