作品情報・キャスト
医療ボランティアでカンボジアを訪れていた医師は帰る日にちを遅らせてまで赤ん坊の命を救うと願いが叶うという10粒の薬をお礼に渡されます。30年前に亡くなった当時の恋人に会いたいと思いつつ半信半疑で飲むと当時の自分と鉢合わせ驚く。
フランス作家G・ミュッソのベストセラー「時空を超えて」を監督ホン・ジヨンが映画化。
◆ハン・スヒョン(キム・ユンソク)=青年時代(ピョン・ヨハン)
◆カン・テホ(キム・サンホ)=青年時代(アン・セハ)
◆チェ・ヨナ(チェ・ソジン)
ネタバレあらすじ/あなた、そこにいてくれますか
30年前にタイムスリップ
医療ボランティアでカンボジアにいたスヒョンは帰国しようとするが赤ん坊が気になりヘリコプターを逃したら洪水で半月は足止めされるのを知りつつ降りてしまいます。
孤児であった赤ん坊の命を救うと父親代わりの盲目の人から「絶対に叶えたい願い事はありますか」と聞かれ、「会いたい人はいますが・・・」と答えると小瓶に入った謎の薬を渡されます。
薬を飲んだスヒョンは酷く咳き込み気付くとプサンジン駅の電話ボックスの中にいて「大丈夫ですか」と青年に声を掛けられます。
よく見るとその青年は30年前の自分でした。
「人生とは眠れない時に生まれるものなのです」
盲目の人の言葉が蘇りスヒョンは気付くと帰国するための飛行機のトイレの中にいました。
カン・テホは30年前からの友人であり「会いたいと思って現れたらそれは奇跡ってもんだ、むやみに知らない薬を飲むな」と忠告されます。
30年前のスヒョンは「同じ名前の中年の人に会ったが鼻血を出していたから助けようとしたら急に姿を消したんだ」とテホに話していました。
それは恋人で水族館で働くチェ・ヨナから「子供が欲しい」と言われ迷っている頃でした。
お前は俺だ
スヒョンは病気でおそらく余命6ヶ月ぐらいだろうと察します。
30年前の自分のハンカチを見てあれは夢ではないと確信し薬をチェックすると残り9個でした。
どうせ先は長くないと薬を飲むと30年前、捨てられていた子犬をヨナから渡され飼う事になってしまった頃の自分の家にいました。
「じゃがいも」と名付けた犬を見て「久しぶり」と抱っこすると、たった今名付けたばかりの名前をどうして知っているのかと30年前の自分は驚きます。
「お前は30年前の俺だ」
警察に電話しようとしていたので「カン・テホに電話するのか」と聞くと驚いて受話器を置きました。
「父親に虐待されていただろう。母親のために隠していたが母親が亡くなりその悲しみを埋めてくれていたのがヨナだ。子供は一生要らないと決めていたがヨナに欲しいと言われ悩んでいるだろう」
誰も知らない秘密を語るが咳き込んで鼻血を出し気絶すると自分の時代に戻っていました。
昔の自分はどうしても信じられず腕に「訪問希望」と小さなタトゥーを入れました。
タトゥーに気付いたスヒョンだがアメリカ留学が決まっている娘スアに検診結果を見られてしまいます。
ヨナに会いたくて薬を飲むと水族館にいました。イルカの調教師でもあるためショーを見に行くと隣に30年前の自分が座りました。
「このタトゥーはなんだ、銭湯に行けないじゃないか」と伝えると30年前の自分は現実を受け止めます。
会いたかったヨナが現れスヒョンは涙を流します。
咳き込んでその場を離れるが「ヨナに会いに来たって・・・30年後にヨナはいないのか? 未来から過去に来た本当の理由は何だ」と聞かれ「ヨナはもうすぐ亡くなってしまう」と告げました。
愛するヨナを守るため
スヒョンはレコードを聴いていると何か音が変だと気付き確認します。
レコードに「母親のアルバム」と書かれてあり確認すると30年前の自分が書いた電報が挟んでありました。
「勝手に姿を消すな」
スヒョンは薬を飲んで会いに行くと「冗談だよな」と聞かれ「残念ながら事実だ」と答えます。
「動物園で事故が・・・」と話すが、もし助けたら時代は変わり20年一緒だった娘スアが消えてしまうのではと思い言えません。
「ヨナが生きる世界を作りたい、自分の命に代えても」
その言葉を聞いたスヒョンは
「①ヨナもスアも助かる方法はヨナと別れるしかない、②誰にも話してはならない。テホの人生が変わるかも知れないからテホにも話してはならない」と二つの条件を伝えます。
ヨナから「子供が出来たら名前はスアってどう?」と言われスヒョンは「そうだね」と返し別れを告げることは出来ませんでした。
スヒョンは二ヶ月ぶりにヨナとデートする日だったが父親が危篤であるため会えない事を電話で伝えます。どうしようもない父親の事はヨナに話してなかったので「手を離せない患者がいるから」と伝えました。
「だったら自分が会いに行く」と言われるが父親に会わせたくなかったので「来るな」と言ってしまうが、そこに現在のスヒョンが現れ電話を切られます。
「ヨナが亡くなる日は今日だ、父親の命日でもある」
ヨナは水族館から「イルカの様子がおかしい」と連絡を受け駆け付けます。そして暴走して泳ぐイルカを助けようとして亡くなってしまうのです。
翌日の新聞を見せられたスヒョンは水族館から連絡が来る前に「こっちに来てくれ」とヨナに伝え父親が危篤だと知らせました。
父親がどんな酷い人間だったか話すが「辛い事は無理に話さなくていいの」とヨナに抱きしめられます。
しかし、
父親がどんな人間だったかすべて伝えたあとヨナを守るために「お前が理想とする家族は作れないし自信もない。子供の話がでた頃から嫌いになった。お前に飽きた、別れてくれ」と頑張って伝えました。
現実か夢か
父親の葬儀を行うスギョンに現在の自分は新聞を持って会いに行きます。
新聞は「イルカが事故死」と変わっていました。
大丈夫かと声を掛けるがヨナに別れを伝えたばかりのスヒョンは怒り狂います。
現在に戻ったスヒョンはヨナの命を助ける事が出来たからもう薬には用はないと引き出しに閉まって鍵を閉めました。
テホに会いに行くと「30年振りに何しに来た!!俺とヨナに何したか忘れたのか!」と言われます。葬儀の時にスギョンは「俺の人生に関わるな、ヨナもテホも二度と俺に近付くな」と言い放っていたのです。
しかし翌日のテホからの電話に出ると「早く来いよ、今日は遊びに来る約束だったろ」と言われます。現実か夢か分からなくなってきたスヒョンは適当に話を合わせるために「スアと遊びに行くよ」と伝えると「スアって誰だ?」と聞かれます。
~30年前、
「離さないと約束したでしょ、もう一度だけ待ってみる」
ヨナから手紙を受け取ったスギョンは土砂降りの中走って会いに行き帰ろうとするヨナを目にして叫びました。
ヨナもスギョンに気付き笑顔を見せるが道路に飛び出てしまい車に轢かれてしまいます。
現在のスヒョンはヨナの死亡診断書を見て30年前の医学より進歩しているため「間に合う」と薬を飲んでタイムスリップします。
「俺が執刀する 手伝え」
過去の自分は怯えながら急いで準備にかかり、スギョンは当直に現在自分の下で活躍するソン・ヘウォンがいると知り「緊急手術だ」と起こしに行きます。
眠りから覚めて現在に戻ってしまったスギョンは薬を飲んだあと睡眠導入剤を注入しました。
手術室に戻ったスギョンは執刀し途中で体調が悪くなってしまうが落ち着きを取り戻した過去の自分が「ここからなら自分でも出来ます」と引継ぎました。
結末と感想
目覚めるとスヒョンは病室のベッドにいて「三日も眠っていた」とスアから聞かされます。
現在、ヨナは韓国初の女性調教師として動物協会に所属していました。確かめに行くと後遺症が残っており足を引きずるヨナを目にします。
自分がこの世から消える前に自分の手でヨナを救い良かったと思うスギョンはすれ違う時に背中を向けました。
薬を飲んで自分に会いに行ったスギョンは「ヨナは無事だった。俺たちが助けたんだ」と告げます。
9年後に学会で1人の女性(スアの母親)と出会うから彼女と一緒に過ごして欲しいとお願いし握手して別れました。
「すごく会いたい人がいるのに会えないときはどうしたらいいの」
スアから相談されたスギョンは「幸せだった頃を思い出せばいい。想い出だけで生きていける」と伝えました。
スヒョンはこの世を去り、テホは「30年振りの再会がこれか」とお供えします。
スアからスヒョンの日記を渡されたテホは動物協会にいるヨナを訪ね「スヒョンが肺癌で亡くなった」と知らせます。
忘れてなかったヨナは涙を流し、テホから渡されたスヒョンの日記を読みます。
「30年忘れようと生きてきたのに信じろって言うの?」
テホは薬があと一個残っているはずだと気付きます。スヒョンの部屋で薬を発見したテホは「スヒョンを連れてくるから待ってろ」と伝え薬を飲みます。
テホは医者になったばかりのスヒョンに会いに行きます。未来のスヒョンと会っていたスヒョンは未来から来たというテホの話を信じ再会を喜びます。
30年会っていなかった事を知ったスヒョンは葬儀の時に言い放ってしまった事を謝罪します。
「 タバコを今すぐやめろ 30年後に会おう 」
現在に戻ったテホは「肺がんになるから・・・」と説明しなかった事を後悔します。
ヨナはソウルランドに足を運ぶとスヒョンがいるような気がします。
すると2人の想い出の風船を手にする人が近寄ってきました。
風船を上げるとスヒョンであり30年振りに再会した二人は目に涙を浮かべ抱き合いました。
命を助けたところで終わりかと思っていたら。30年振りの再会は涙を誘います。
なんなの、この気持ちいいスカッと癒やされる終わり方は。
スアが消えてしまいそうになったところは最初意味が分からなかったが、あのままヨナが亡くなったらショックで次の恋愛にはいかなかったのでしょう。