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「Aではない君と」ネタバレあらすじと感想結末/息子が殺人で逮捕!嘘だと言ってくれ!なぜ何も話してくれないのか

 

感想

子供が同級生の命を奪ってしまい、父親は何をすればいいのか、考えさせられる薬丸岳の作品

こわい!!誰にでも起きてしまう事かもしれない。

どんな理由があるにせよ子供が命を奪ってしまったら親として何をしなければいけないのか・・・

一番気を付けたいのは「いじめ」だと思う。

年代によって違うが「解決策が分からない、恥ずかしくて親に言えない」と悩む子供は「この人さえいなければ」という気持ちが深く根付いて・・・って事がよくある。

いじめを受けた者は一生相手の顔と名前は覚えているものです。それだけ恨まれていると言う事。心を傷付けるということ。

「虐めをする者は弱くて最低!!」だと道徳で教え、親は何かあれば相談して貰えるような関係を日ごろから気を付けなければならないと思います。

一番良くないのは「周りで見てる人間もイジメだ」と偉そうに語る大人はいるが「あなたできますか?」と言いたくなる。出来ない事を言っても子供に伝わるわけない!

 

ネタバレあらすじ/Aではない君と

 

穂村建設に勤める吉永圭一に14歳の息子・翼がいるが元妻の青葉純子と暮らしています。

翼の同級生(藤井優斗)が雑木林で胸を刃物で刺され殺害された事件があり翼が警察に連れて行かれたと純子から連絡があります。

ネット上には住所や画像が出回り吉永は恋人の美咲にも見捨てられます。会社には息子が事故に遭ったと誤魔化すが時間の問題でありいつマスコミがやってくるのか怖くなります。

●少年審判は殺人や傷害の場合にかぎり被害者遺族が傍聴できる。

●吉永は親権者でも監護権者でもないので責任を負わされる可能性は法的には低い

 

少年犯罪に強い芹沢法律事務所~少年事件を多く手掛ける神崎京子

 

弁護士が会いに行っても翼は何も語りません。また吉永が会えるようになるが翼が面会拒否したので差し入れする日々が続きます。

新しく雇った神崎にも翼の態度は変わらず少年鑑別所に収容されると吉永は前例はないが保護者である自分が付添人になると訴え許可を得ます。

”調査官が作る少年調査票が提出される前に翼からすべて聞き出さなければならない”

 

疑問

事件現場に咲いていた赤い花はペロが死んだ時に添えていた花と同じだと気付いた吉永は翼が埋めたと言っていた場所に行くとマンションが建っていました。また翼から報告された時期とずれている事を知ります。

 

翼は何故嘘をついたのか?犯行直前に着信があったが何を話したかったのか?優斗を呼び出したメール「もっと、おもしろいもんを見せてやる」とはどういう意味なのか?初めから優斗を殺すつもりだったのか?そして吉永は面会に行った時に翼が弁護士に反感を抱いていると感じていました、それはなぜなのか?

 

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虐めが原因

優斗から「被告」と呼ばれていた事を知った吉永は家に小槌があるのを思い出し裁判の真似事をしていたのか?と疑います。

翼の事が知りたいと心から必死に訴えると翼は涙を流して口を開き、必ず有罪になって学校で悪さをさせられていたと言いました。

翼と同じように父親と離れて暮らす優斗は仲間意識で接近してきたが吉永と久しぶりに会って楽しんでいる翼を目撃し裏切り者だと虐めが始まったのです。

許して欲しい翼は必死で頼むと大事にしている猫を殺せば許すと言われ泣きながら首を絞めてしまうがその時に動画を撮られており虐めが止まることはなかったのです。

 

”心を殺すのは許されて体を殺すのは何故許されないのか。

動物を殺すのは許されて人を殺すのはなぜ許されないのか。

優斗は殺されて当然だ”

 

吉永は翼が反省する事がないため少年院での矯正教育が必要だと記した。

しかし、吉永は写真を見てころから殺そうとする人が派手な服を着るだろうかと疑問に思い聞き込みを始めると事件現場の近所から盗まれた服だと分かります。

翼は自殺しようとして電話をかけてきたのではないか??

真実を話すことから償いが始まると訴えるが翼は審判でも何も答えず初等少年院に行くことが決まってしまいました。

損害賠償請求を起こさない事を条件に、優斗がしていたことを公にしない、翼が更生した姿を見せてほしい事をお願いされ吉永は承諾しました。

 

結末/Aではない君と

中学卒業の資格を得た翼は居酒屋でアルバイトを始め通信教育をやめて料理人になりたいと言いました。

異動を命じられた吉永は翼がやり直せる居場所だと思い1人で行く事にします。

しかし、約束通り翼を藤井に会わせようとするが一緒に働く従業員に事件の事がばれ自分が作ったまかないを捨てられたショックで姿を消してしまいます。

「あの場所で待ってる」と連絡をもらった吉永は自殺するのではと急いで駆け付けます。

翼はあの日、最初から優斗を殺すつもりで呼び出したが急に怖くなり止めて欲しくて電話をかけたのだと正直に言いました。

「真実を聞いても成長した姿が見られるから生きていて嬉しい、だけど藤井はそれすらもできないんだ」

被害者だけでなく大切に思っている人の心までも殺してしまったと気付く翼は「更生とはなにか分からない」が謝罪しに行きます。

これから翼は自分を受け入れてくれる人と出会わないかもしれない。一生重い十字架を背負って生きなければならないのです。

 

小説/BOOK
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