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「誓約」(薬丸岳)ネタバレあらすじと結末/暴力で身を守っていた青年が更生した理由とは

 

作品情報「誓約・薬丸岳」

●悪さばかりしていた逃走する男

●娘を殺され刑務所から出て来た犯人に復讐したい母親の伸子

伸子は末期がんで生きられなくなったので男は変わりに復讐してやると話を持ちかけ新しい顔と戸籍を手に入れるための費用をゲットします。

心を入れ替えた男は結婚して子供も授かり幸せに暮らすが16年後に死んだはずの伸子から「出所しました。約束は守って」と手紙が届く・・・。

 

ネタバレあらすじ/誓約(薬丸岳)

高藤文也は、生まれつき顔の半分が痣で覆われおり虐めを受けないように暴力で身を守っていました。

少年院を出たり入ったりしていたが、借金を抱えて臓器を売られそうになったので暴力団をナイフで斬りつけ逃走しました。

そんな時に坂本伸子に声を掛けられ助けられます。

坂本伸子は結婚して三年後に夫を交通事故で亡くし娘の由希子は17歳の時に門倉利光と飯山賢治に殺されました。

伸子は刑務所から二人が出てきたら復讐してやろうと思っていたが末期癌を患い生きられなくなりました。高藤は変わりに復讐してやるからと話を持ちかけて500万もらい顔全体を整形し戸籍を買って「向井聡」となりました。

 

心を入れ替えた向井は16年後、妻・香と小学3年の娘・帆花と幸せに暮らしていました。

向井は落合幸弘と「HEATH」を共同経営してマスターを務め、佐藤公平と宇都めぐみをアルバイトで雇っていました。

そんな時、手紙が届くようになります。

●あの男たちは刑務所から出ていますよ

約束を破れば私と同じ苦しみがやってくる

門倉利光と飯山賢治、2人の住所と写真が届くが公園で遊ぶ愛するの写真もありました。

しかし、伸子は病気で亡くなっているはず。。

 

封筒が届き中には携帯が! 相手は伸子の魂と言いました。

自分の過去を隠すため、今の幸せを守るためにもどちらか1人を早く殺せ!

岡山県に暮らす門倉が居酒屋に入って行くのを見掛け奢るからと酒を勧めて酔わせた向井は人がいない公園に連れていくが殺す事は出来ませんでした。

しかし公園のトイレ内で門倉が全身を刺されて亡くなったことをニュースで知ります。

仙台で仕事場の寮に住む飯山を訪ねるが昨日の夜から無断欠勤していると池内幸江から知らされます。

仕方ないと思い帰ろうとするとスマホを見れば飯山の現在地が分かるようになっていると言われ自分の居場所も監視されているのだろうと気付きます。

 

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向井は自首しようとするが門倉を刺したナイフには高藤文也の指紋がついている事を聞かされます。共同経営者の落合にすべてを正直に話し香と帆花を守ってほしいと頼みます。

GPSを確認し飯山をネットカフェで見付けるが催眠スプレーを噴射され逃げられてしまいます。

飯山が置いて行った靴にはGPSが仕掛けられており向井はスマホの電源を切ると自分の携帯に電話がかかってきます。

「なぜ飯山から離れた?」と予想通りの事を聞かれた向井は格闘してスマホが壊れた事を伝え定期的に飯山の居場所を教えてくれと伝えました。

そして飯山が持っていたGPSをホームレスに渡し30分ごとに移動してくれと金を渡しました。

 

高藤文也が指名手配され向井聡という偽名を使っているとニュースになる

飯山の部屋に浸入すると小森純という人物と頻繁に手紙のやりとりをしていた事が分かり小森の住所に向かうがそこは私書箱でした。

戸籍を手に入れてくれた真壁が関わっているのかと思い探そうとするが当時やりあっていた菅井に刺されてしまいます。なんとか返り討ちにして真壁の現在所を吐かせ会いに行くが彼はやくざに拷問を受け指を失いながらも口を閉ざしたことが分かります。

 

”あれだけ人を傷付けてきたんだから恨んでるのはヤクザだけじゃないだろ。

罪を着せられたのは、そのときの報いを受けているだけじゃないのか?”

 

結末/誓約

強盗事件を繰り返していた事を思い出す向井は無実なのに罪を認めたことを思い出します。

あの日、1人で帰宅する佐藤秀美を尾行し家に押し入ったが彼女はやってきた父親にレイプされていました。押入れの中に隠れていて2人の会話からベッドに寝ている子供は近親相姦によって生まれた子供だと知ったのです。

秀美は父親に暴行された後自殺、施設で育った息子は17歳になった時に写真立ての中にある秀美の遺書を見付け父親を殺し少年院に入っていました。

 

●秀美の子供はアルバイトで雇う公平

●当時の秀美の恋人は共同経営者の落合

 

落合は高藤文也にレイプされ秀美が自殺したと思っており犯罪被害者の団体を通じて坂本伸子と出会ったのです。

伸子が死んだ時、落合は高藤文也の指紋付きのナイフと小森純の名前を使って刑務所にいる二人とやりとりしていた手紙を譲り受けていました。そしてそばで監視するために共同経営者になったのです。

また公平は母親の恋人と暴行した事にされたマスターが共同経営している事を不審に思い落合を監視するためにアルバイトしていました。

自分の母親の遺書があった場所だったので何気なく向井家族が写っている写真立ての中を見ると自分が2歳の時に見た顔と同じ顔の写真を見付けたのです。

 

呼び出された向井は指示された場所に行くと 飯山が縛られていました。

帆花を殺されたくなかったら今から殺せと言われ「最後に顔を見せろ」と要求すると予想していた公平ではなく落合が姿を見せたので驚きます。

駆け付けた公平から秀美の遺書を渡された落合は誤解だったと謝罪しました。

 

 

小説/BOOK
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