作品情報・キャスト
中村航「デビクロくんの恋と魔法」を原作に犬童一心監督が映画化。
漫画家になりたいという願望を抱き続ける書店員の光は幼い頃に考えた「デビクロくん」を描き続けています。
運命の人と出会えるまでは書き続けると決めている。
クリスマスイブ、光の幼なじみでオブジェ作家の卵の杏奈、名の知れた照明アーティストのソヨン、光の同級生で売れっ子漫画家の北山、そして光という片思い中の4人に、デビクロくんが奇跡をもたらす。
すれちがう4人の片想い。聖なる夜に奇跡が起きる。
ネタバレあらすじ/ MIRACLE デビクロくんの恋と魔法
デビクロくん
書店で働きながら「デビクロくん」というキャラクターで漫画を描いている山本光。
光は幼い頃に考えた「デビクロくん」漫画を20年描き続けているが運命の人と結ばれたらデビクロくんは卒業すると決めています。
向かいには幼馴染の彫刻家・高橋杏奈が住んでいます。
幼いころ父親が死んでしまった時に光に励まされ「ずっと一緒にいてやる」と言った事を杏奈は守り密かに想い続けています。光が街で配っているデビクロ通信のチラシを見ては仕事をほっぽり出して支えています。
一目惚れ
光は街でぶつかってしまった赤いコートを着ているテ・ソヨンが綺麗だけでなく左手に「未来、知識」の本、右手に豹の模型を手にしていたので運命の人だと思います。
「すいません」とペコペコ頭下げる光を見てソヨンは「ピドゥルギ=鳩」と言って笑い先を急いでいるせいかタクシーに乗り込み去ってしまいました。光は彼女が落とした豹模型の足を拾い帰りました。
光の話を聞いた杏奈は「もしや」と思い似顔絵を描かせると自分が参加しているイベント(クリスマスのイルミネーション)のプロジェクトリーダー、ソヨンだと気付きます。
杏奈は光を好きな気持ちを抑えソヨンが欲しがっていた写真集を渡し事務所を教えました。
光は拾った豹模型の足と写真集をプレゼントするとソヨンは喜んでくれたがデートに誘える勇気もありませんでした。
しかし、どうせそうなるだろうと想定済みだった杏奈が写真集に光の連絡先をはさんでおいたのでソヨンから電話がかかってきます。
光がソヨンとデートする事が決まり杏奈はうまくいくよう練習させます。産休で里帰りしている姉に髪の毛をカットさせ購入したスーツを着させると見違えるように光はかっこよくなります。
杏奈も滅多に着ないドレスやアクセサリーを身につけレストランに行くが何も言ってくれないので内心がっかりします。食事をしてしばらくたってから光に「今日・・なんか違うね」と言われ杏奈は「おっそい」と呆れます。
同級生と再会
コミックヒートで自分の作品を売るために参加した光は漫画家で握手会をするキタヤマ★イチローに声を掛けられ同級生の北山一路だと気付きます。
北山は海外赴任していたがトレーダーでこれ以上ない成功をおさめたので銀行を辞め3年前に日本に帰ってきました。銀行だけでなく漫画家としても一千万部達成しているのを見て光は複雑な気分になります。
光はソヨンとデートするが予定していたレストランに車が突っ込んだため臨時休業となってしまいました。
ソヨン行きつけの小料理屋に行くが酒を飲み過ぎてしまったせいでつぶれてしまいます。実はソヨンは北山と恋人関係であったが別れてから大切さが分かり東京に来れば会えると思って仕事をはじめたのです。
韓国語なので何て話しているか分からない光は家が分からないので酔いつぶれたソヨンを家に連れて帰ります。
翌朝、庭に吊るしてあったてるてる坊主をソヨンに渡して見送るが目撃した杏奈は驚きます。光は何もしていない事を必死に伝えるが杏奈は「デビクロ通信も終わりか・・」と光が思っている事を言いました。
デビクロくん卒業
イルドフランス芸術賞オブジェ部門特別賞を受賞した杏奈は3年間海外へ行く事が決まります。
光がデビクロくんを卒業するので自分も光への想いを卒業しなければと杏奈は決心します。
光は北山が休載すると発表したので心配になり家を訪ねようとすると目に涙を浮かべるソヨンを目撃します。ソヨンはロンドンにいた時の恋人が夢を諦めたくないと仕事を辞め日本へ帰ってしまったが久しぶりに会っても仕事の話しかせず復縁は諦めたと言いました。
帰宅した光はイヴの日にソヨンに告白しようと思うと杏奈に話します。
杏奈はフランスに行く事を伝えると「今まで頼っていた杏奈が3年もいなくなるのどうしよう」と光は弱弱しく口にしました。
杏奈は涙をこらえて「あんたにはソヨンがいるでしょう」と言い残し家に帰ると、想いを知る姉に抱きしめられました。
結末
編集者を紹介してやるから漫画持ってこいと北山から電話があり訪ねるとまたもソヨンを目撃します。ドアノブにはソヨンにあげたてるてる坊主がぶら下がっておりソヨンが復縁したいと話していた相手は北山だったのだと分かります。
楽しんで書いている漫画はビジネスに汚染されてないからけがれてなくて面白いと北山は言いました。しかしビジネスに邪魔されスランプに陥っていた北山は光の漫画を見て読者が求めるのを書かないとプロではないのだと言い放ちます。
八つ当たりした事を謝罪する北山はデビクロ通信のように正直な気持ちが人の心に届くのだと説明しました。
光は「北山の本当の気持ちはどうなんだ」と言い出て行きました。
クリスマス・イヴ。
杏奈は「ごめん」だけのメールを受け取り光が働く書店に駆け付けます。
ソヨンへの告白、そして漫画を書くのを辞めると告げられた杏奈は「いいかげんにしろ、私の気持ちはどうなるの。私は3年だけじゃない、これ以上痛いのは無理、ずっといなくなるよ。もう約束は守れない」と泣きながら訴え去ります。
ソヨンが大切だと気付いた北山は点灯式に駆け付けます。抱き締めて想いを伝えるとソヨンは喜んで受け入れます。
光は書店で飾り物を作っている時に杏奈の涙の理由に気付きます。「すべてがゼロになったら大切なものだけが残る」とデビクロくんの声が聞こえます。
光は点灯式に駆け付けるとソヨンから「杏奈は空港」だと聞かされます。
空港に駆け付けた光は諦めるが雪の影響で便が遅れていました。
杏奈を見付けて大きな声で呼ぶと列に並んでいた杏奈は気付きます。
光は杏奈の手を掴んで掌にサインペンで最後のデビクロ通信「ボクはいる。昔も今も、未来も」を書きました。
「杏奈のことは全部知ってるから待ってる、いってらっしゃい」と笑顔で伝えると杏奈は喜びキスしました。闇が開けデビクロくんは「じゃぁな」と消えました。