作品情報キャスト
一夫一婦制を貫き共に政治に関わり二聖と称された隋の初代皇后・独孤伽羅と開国皇帝・楊堅を描いた作品
南北朝時代の北周王朝の初期、傀儡の宇文毓を皇帝に据えて大冢宰の于文護は権力を握り逆らうものは粛清していました。
衛国公・独孤信の娘・伽羅は好きでもない隨国公の長男・楊堅に嫁ぐよう言われ反抗していたが許嫁と対面すると以前に襲われていた女性を共に助けた人でした。
互いに好意を抱いていた2人は運命を感じる。于文護に父親を殺害され復讐を誓う伽羅と楊堅はやがて隋を建国し分裂していた中国を300年振りに統一する。
ネタバレあらすじ/独孤皇后
第37話・
于文護が隠し持っていた金塊をせしめたのかと贇(皇后)から聞かれた楊堅は定州に赴任中に金塊を探したが一向に見付からないので捜索は打ち切ったと伝えます。
「疑うなら当時の関係者に確かめてはいかがでしょう、流言に過ぎません」
何も言い返せない贇は楊堅を下がらせ趙越に八つ当たりします。
その頃、夜中に禁軍が動いているのを目にしていた麗華(皇后)は父親・楊堅がいたことを聞かされ急いで向かうとちょうど贇と出くわします。
問い詰めると自分に楯突いたと激怒され「廃位されたいのか」と言われます。
報告を受けた独孤伽羅は皇宮に向かうと麗華が剣を突き付けられていたので「楊家は国と皇帝に忠義を尽くしてきたのに・・・」と口にするが遠回しの脅しと捉えられ楊家は皆心しにするつもりだと言われてしまいます。
伽羅は額を打ち付けながら謝罪し麗華がどれだけ愛していたかを語ると婚前前の約束を思い出す贇は「もうよい」と下がらせます。
楊堅は伽羅が怪我をして戻ってきたので皇宮に行こうとするが許しを得たばっかりだし楊家を潰すと激怒していたから止めるよう説得されます。
楊堅は麗華が陛下の怒りを買ったので臣下として反省するために亳州に送ってほしいと陛下に願い出ます。
長安を離れるのは朕への当てつけかと苛立つ贇は「好きにしろ」と投げやりに言います。趙越から遠くに行かせたら金塊の在処は分からないと言われるが「もう決めたことだ」と苛立ちます。
自尊心を傷付けられた伽羅の心を守るため、そして心身を休めるために楊堅は離れる決断をしたが高熲や楊素たちには事情を話します。
楊堅の亳州赴任後、贇の生活は一層乱れ宮の普請に莫大な公金を費やし一部の臣下と宴席に興じ続けます。
政務を放棄したため国は衰退し麗華以外の皇后ばかりを寵愛します。麗華は自分に剣を突き付けた贇を廃位し自分が育てる太子を皇帝にしなければ自分の道はないと思います。
日陰暮らしから抜け出すため陛下の暮らしぶりを重臣たちに伝えます。
ここ数年で朝廷は乱れ陛下はやたら刑罰を与え奸臣は富を得ていると高熲たちから報告を受けた楊堅は「国と民のためにも英雄が立ち上がるとき」と勧められます。
伽羅は朝廷を牛耳っている者を調べるのが先決と伝えると楊堅もまずは長安に戻らねばならないと思います。
突厥に酒泉を占領されたので楊素と高熲は「このままほっといたら国が滅びます。突厥との戦闘経験が豊富な楊堅に討伐を命じるべき」と贇は嫌がりながらも許可します。二人は安堵するが趙越まで賛成したので何か企んでいるはずだと疑います。
第38話・
楊堅は突厥に占領された酒泉を奪い返すために出征し陣営を構えるが半月経っても何も動かないので楊広は理由が分からないでいました。
兵糧が尽きそうになると予想通り軍勢を率いる可汗が降伏を訴えてきたので楊堅は出て行きます。
再会を喜ぶ二人は戦わずして酒を酌み交わします。友好国なのに盟約を破りなんで占領したのか聞くと凶作による食糧難だったことを知り民のためにも戦は止めるべきだと伝えます。
楊堅は定州統治で培った農業の知識を突厥に伝授することを提案すると共に長安に戻り陛下に非を認めると可汗は受け入れました。
突厥が謝罪の意を示しているので食糧支援で戦は回避できる事を伝えると贇(皇帝)は許可します。
皇太后(阿史那頌)の弟をいう事もあり可汗がしばらく長安に留まることも許可し「序でに亳州に戻るな」と楊堅は命じられ従います。
贇は毎日臣下が訪ねてくるので何とかならないかと相談すると「宇文闡(太子)に皇位を譲ってしまえば太上皇となり権力は今のままですよ」と趙越に言われその手があったかと喜びます。
皇太后はまだ幼い太子に政務など出来るわけないと告げると情けない贇は「臣下の相手をするのが疲れたのです」と嘆きます。
このままでは趙越一派に陛下が操られるだけだと思った楊堅たちは皆を集めます。そして高熲が転覆するしかない事を告げると古参である尉遅迥や高司空は激怒して反対します。
朱皇后が亡くなり疑われた麗華は「宇文闡が即位するからもう関わるな」と皇太后に言われます。
かわいがって育ててきたのに今さら追い出されるなんてゴメンだと思った麗華は賄賂を使って陛下を誘導させ舞を披露します。
誘惑して簡単に陛下に取り入った麗華だったが贇はだらしない生活のため体を壊しており発作を起こしてそのまま亡くなってしまいます。皇太后は麗華を疑うが朝廷にいる誰もが媚薬を飲み過ぎた結果だと言うので口外しないよう命じました。
趙越一派が幼い宇文闡を操るため動くはずと伽羅から言われた麗華は第二の于文護を出さないために贇の遺書を用意するよう皇太后に願い出ます。
贇がおかしくなったのは趙越一派が操ったからであり対抗できるのも楊堅しかいないので皇太后は納得し「楊堅を左大丞相に任じて全権を委任する。楊堅は全身全霊で新帝を支え国を守れ」と前帝の遺書を用意しました。
第39話・
麗華は遺書を読み上げ楊堅に勅命を賜れと告げると「いつ書かれたものですか、私は存じません」と趙越の横やりが入ります。
「逆に聞きたい。側近だった趙越の名前が遺書にないのは魂胆を見抜かれていたからでは?」と黙らせると皇太后(阿史那頌)は先帝の遺書で間違いないと伝えます。
楊堅は拝命して左丞となると独孤伽羅は麗華の説得がうまくいったのだと喜びます。
国と民の未来のために趙越一派を排除する事に決めた楊堅は徐卓に便りを出し州兵を動員させるよう独孤善に告げます。また伽羅が息子の勇と広にも経験させたいと言うので二人を連れて長安を出て各地の兵力の現状を調べるよう弟の楊爽に命じます。
その頃、実権を握るはずだった趙越は兵を率いて皇宮に押しかけ「私は先帝ご本人から国の未来を託されたのです。楊堅の任を解いてください」と太皇太后(阿史那頌)に願い出ていました。
太皇太后は先帝の遺書だから従うだけだと告げると人質に取られそうになった麗華は自分の首にナイフをあて「少しでも触れたら自害する」と言い放ちます。
趙越は謀反を疑われるので手出しできなくなり軟禁するよう部下に命じました。
楊堅たちが助けてくれるだろうと確信する太皇太后は今後も趙越みたいな奸臣は必ず現われるので若くて強い君主が必要だと思います。
目覚ましい功を立ててきた楊堅がふさわしいと話すと臣下が皇帝になるのは簒奪だと麗華は言います。
「これは簒奪ではない、禅譲するのだ。そなたの考えなどお見通し独孤伽羅に似て野心家だが伽羅ほど賢くはないな。楊堅が皇帝になれば公主に成り下がるので嫌なのだろう」
動揺する麗華はナイフを持って太皇太后の背後に迫るが楊堅の大軍から逃げる趙越が慌てて押しかけてきたのであわててナイフを隠します。
趙越は新帝の首元にナイフを当て「私への禅譲を宣言されよ」と太皇太后に迫ります。太皇太后は天子にならない者にナイフをあてるのは止めよと言い放ち「国の立て直しが必要な時に新帝はまだ幼いので正式に皇位を楊堅に譲る」と駆け付けた楊堅一派に宣言します。
独孤善は捨て身の攻撃に出た趙越を始末するが毒針を刺され自らの命を犠牲にしてしまいます。
皇位を譲られると思ってもいなかった楊堅は迷っていると「承諾してはいけない」と駆け込んできた尉遅迥に言われます。
しかし父親の遺言「民のために大業を成すときには逃げずに素早く決断しろ」を思い出す楊堅は責務を全うすると決意しました。尉遅迥は太皇太后に撤回を求めに行くが「于文護や趙越が朝廷を引っかき回す間、なにをやっていたんだ」と責められてしまいます。
伽羅の予想通り太祖への思い入れが強い尉遅迥が挙兵すると娘の容(楊整)は困惑します。楊堅は尉遅迥を傷付けないが引くわけにはいかないのだと陽に告げ高熲、楊素、楊爽に生け捕りにするよう命じます。
しかし大軍に包囲された尉遅迥は城から身を投じ亡くなってしまいます。
第40話・
尉遅文姫と再会できて喜ぶ尉遅容だったが兄の尉遅寛が心身を病み数年前に亡くなったと知らされます。
尉遅家に与えた屈辱を楊堅と独孤伽羅に必ず返してやると容は誓います。
父親・楊堅を皇帝即位を防ぎたい麗華(皇太后)は太皇太后(阿史那頌)を殺しその罪を父親に着せようとします。
独孤伽羅は逃げる太皇太后と出くわし駆け付けると麗華が闡を連れだそうとしていました。
実家と敵対するつもりかと訴えると「私は一国の皇太后として尊重されるべき」と言われ権力に惑わされるなと引っぱたきます。
「国と民のために天意に従っただけだ。皇帝がどれほどの重責か分かっているのか。朝廷の権力闘争も決して終わりがなく、そんな中でまだ幼い闡に政務が務まるとでも思っているのか。今は無理でもいるか分かるだろう」
話が耳に届いた楊堅は「平和で栄えた国を造ると約束する。民を想うなら気持ちは分かるはずだ」と伝えるが「私の負け。もう二度と会わない」と麗華は目に涙を浮かべます。
西暦581年2月、于文闡が詔書を公示し国運が尽きたと認め皇位を楊堅に譲りました。
西暦581年3月、隨王の楊堅は皇帝となり国号を隋と定めます。
独孤伽羅は皇后となり長男の楊勇は太子、次男の楊広は晋王、長女の麗華は楽平公主、次弟の楊整は蔡王、三弟の楊瓚は滕王、四弟の楊爽は衛王に冊封されます。また高熲や楊素などの建国功臣も爵位と褒美を下賜されました。
後宮を取り仕切るよう皇后から言われた容(蔡王妃)は「伽羅との距離を詰める機会だ」と受け入れます。
伽羅はいつまでも態度を改めず犯行ばかりする麗華に「闡の母親・朱皇后を殺したのに息子に何て説明するんだ」と言い放ち闡を阿史那頌に預けます。
そんな中、楊瓚が「家が持つ権力により受難が絶えず闘争に巻き込まれたくないので平民に戻りたい」と訴えがあります。妻の于文珠は公主として育ち王妃になったのに平民として生きてはいけないと嘆くが「普通の夫婦になるだけだし何があってもそばにいる」と楊瓚に言われ受け入れます。
楊堅は即位後に税を減免し農地拡充のため荒れ地を開墾します。新たな国の誕生を天下に知らしめるため太子・勇を巡行させようとすると楊爽も同行したいと願い出たため許可します。
叔父と甥の関係で仲が良いので皇室では珍しい光景だと楊堅と伽羅は笑みを見せるが嫉妬する楊広の姿がありました。
そんな中、前朝廷の残党が各地で騒ぎを起こしたので阿史那頌と闡は自決させるべきだと臣下から進言があり困惑します。