作品情報とキャスト
海底鉱物資源開発の説明会にアドバイザーとして呼ばれた物理学者の湯川学!!
玻璃ヶ浦の海を守る環境活動家・川畑成美の両親が経営する旅館に泊まるが、そこの宿泊客で元刑事の塚原正次が堤防から落ちて死体で発見されました。
事故ではなく殺人だとすぐに気付いた湯川は接しているうちにこの家族の全員が何か秘密を抱えていると分かります。
秘密とは何か?そして玻璃ヶ浦の海を守り続ける意味は?
原作・東野圭吾 ガリレオシリーズ映画2作目
監督・西谷弘 脚本・福田靖
重要人物・キャスト
●湯川学 (福山雅治)
天才物理学者。帝都大学教授。海底鉱物資源開発の説明会に出席するため玻璃ヶ浦で行く
●川畑成美 (杏)
環境活動家。10年前に移り住んだ玻璃ヶ浦の海を必死に守る。秘密を抱える
●川畑重治 (前田吟)
旅館「縁岩壮」経営者。ある事実について知らないふりをしている
●川畑節子 (風吹ジュン)
重治の妻。成美と同じ秘密を抱える
●岸谷美砂 (吉高由里子)
警視庁捜査一課刑事。草薙から玻璃ヶ浦に行けと命じられる
●草薙俊平 (北村一輝)
警視庁捜査一課・警部補。湯川とは大学の同期
●柄崎恭平 (山崎光)
夏休みに伯父夫婦が経営する旅館に遊びに来た小学生。湯川に宿題を手伝ってもらう
●仙波英俊 (白竜)
16年前のホステス殺しの容疑者
●塚原正次 (塩見三省)
元警視庁捜査一課刑事で仙波を捜していた宿泊客。死体で発見される
ネタバレあらすじ/真夏の方程式
海底鉱物資源開発の説明会にアドバイザーとして呼ばれた物理学者の湯川学は玻璃ヶ浦へ向かう電車に乗ります。
携帯のマナーが悪いと注意を受けていた小学生の柄崎恭平に対し湯川はおにぎりを包んでいた銀紙に携帯を入れ「これで電源を入れていても鳴らないから」と言いました。
説明会に遅れて出席した湯川は環境活動家である川畑成実が必死に玻璃ヶ浦の海を壊す事は反対だと訴えるのを目にします。
湯川は旅館「緑岩荘」に宿泊するとそこは成実の父・重治が経営する旅館でした。
またそこには電車で会った恭平もいました。恭平は夏休みを利用し親戚が経営する旅館で1週間過ごすため1人で遊びに来ていたのです。
美味しい夜ご飯を食べたあと湯川は地酒が飲める店に案内してほしいと成実の母親・節子にお願いしました。
節子はもう1人の客で海底鉱山資源開発の説明会に参加していた塚原正次とコミュニケーションを取ります。
塚原から「私は元刑事で16年前のホステス殺しの犯人・仙波英俊を捕まえたのは私です。ご存知ですよね?」と言われ、節子は「そんな人は知りません」と逃げるようにその場を後にします。
事件発生
湯川はお店に案内されると成実含めた資源開発反対派の人間がいました。真理を追求するのが目的であって誰の味方でもないと伝えます。
重治と花火をして楽しんだ恭平は翌朝目を覚ますとパトカーが数台いるのに気付きます。
宿泊客の塚原正次が堤防から落ちて死体として発見されたのです。
先輩である塚原の死を不審に思った管理官から玻璃ヶ浦に行ってくれと頼まれた草薙刑事は宿泊名簿で湯川の名前を見付け後輩の岸谷美砂に行って来いと命じました。
玻璃は「水晶」の事で、夏に太陽が真上に登ると海の底が照らされキラキラ光る水晶に見えるから「玻璃ヶ浦」と付いたと恭平から聞きます。
泳げないし船に酔う恭平が海の中が見たい言うので湯川は実験材料を買いに行きます。
ペットボトルで作ったロケットを作っていると捜査協力で出会った岸谷刑事が訪ねて来ました。
地元警察は堤防から落ち脳挫傷が死因だと判断したが警視庁が調べた結果、一酸化中毒だと分かり塚原は亡くなったあとに堤防から落ちた事になります。
また塚原が玻璃ヶ浦にやってきたのは出所して行方が分からない仙波が玻璃ヶ浦出身だからではないかと推測しました。
湯川は今は忙しいと岸谷刑事をつきはなし、何回かテストを行ったあとペットボトルに携帯を入れ200メートル先まで飛ばします。恭平は鳴っていた携帯をとると画面には海の中の映像が流れすごいと喜びます。
天才物理学者
湯川は緑岩荘に戻ると鑑識が煙突を調べていました。緑岩荘の避難経路図を見ていた湯川は壁沿いに窓がある「海原の間」に行き重治と花火をしていた時に窓は閉まっていたか聞くと恭平は「ロケット花火が入ったら危ないから全部確認した」と言いました。
重治が旅館を経営するまえエンジン開発の仕事をしていたと聞きます。湯川は重治から言われて恭平が濡れた段ボールで煙突を塞いだと聞き塚原を殺したのは重治だと気付きます。
仙波が殺人事件を起こした時に川畑家が東京から玻璃ヶ浦にやってきたと分かり家族を調べるよう岸谷刑事に言いました。
岸谷が調べると仙波が事件を起こした年は重治は名古屋へ単身赴任中で成実が私立中学に合格していました。
10年前から成実は玻璃ヶ浦のブログを書いていました。
「海は玻璃ヶ浦の宝、私は宝の番人です」
玻璃ヶ浦の出身でもないのにどうしてそこまで思い入れる事ができるのか?まるで誰かを待っているようだと湯川は思います。
それぞれの秘密
湯川に気付かれたと察知した重治は自首し、寝付けないと言われて塚原に酒と一緒に睡眠薬を渡したと言いました。
恭平と花火をしたあと塚原が宿泊していた「虹の間」を訪ねるといなかったため「海原の間」を見に行くと一酸化中毒で倒れているのを発見しました。
ボイラー室から出る煙が壁から漏れるため「海原の間」は使わないようにしていたのだが塚原は庭を見ようとしたのかもしれないと説明しました。
その後、旅館の評判を気にして節子と一緒に運び突き落としたのです。
草薙刑事から電話を受けた湯川は重治の単独犯であり節子は何か隠していると言いました。
「あの家族は全員秘密を抱えているようだ」
湯川は今は誰も住んでいない仙波の家を訪れるとそこから見える景色が成実のブログのトップ画面と同じだと気付きます。
岸谷刑事は家族を調べると節子は仙波への思いを断ち切り重治と結婚した事を知ります。
ホステス殺しは仙波ではないと気付いた塚原は悔いが残り彼を探していた事を知ります。最初は真犯人は節子だと思ったが事件が起きた時には別々の人生を歩み10年経っていた事で真犯人は成実であり仙波は父親だと気付きます。
当時中学生だった成実は留守番をしている時に父親は仙波だと知ったホステスが「仙波に通帳用意しとけと伝えて」と家族写真を持って出て行きました。
家庭が崩壊してしまうと察した成実は咄嗟に包丁を掴んで追い掛けホステスを刺して写真を取り返したのです。
ニュースを見た仙波は節子に電話をかけ伝えると節子は成実の部屋で血痕が付着した包丁を見付けたのです。
仙波は罪を被り、節子はこれは一生の秘密だと成実に伝えました。
病気で余命短い仙波の居場所を突き止め湯川と岸谷刑事は会いに行きます。
湯川は成実のブログを見せ彼女が玻璃ヶ浦の海を守っているのは使命だと思っているからだと説明します。
そして冤罪だった仙波を探して塚原も玻璃ヶ浦にいた事を伝えるが仙波は「私は何も知りません」と言いました。
湯川は成実の写真を置いて帰ると仙波は「ありがとうって伝えてください」と言いました。
結末/真夏の方程式
湯川は重治と面会し「一酸化中毒になったのは事故ではなく殺人ですよね」と言います。
重治は塚原を「海原の間」に移動させ酒に睡眠薬を混入しました。そして花火が入り込んだら危ないからと濡れた段ボールで屋根を塞ぐよう恭平にお願いしたのです。
行き場を失った排煙は逆流し不完全燃焼を起こしたボイラーから一酸化炭素が発生し壁の亀裂から「海原の間」へ流れて行ったのです。
塚原を殺害する理由はただ一つ。節子と成実の秘密を重治は知っており暴かれるのを恐れ家族を守るため殺したのです。
成実が玻璃ヶ浦の海を必死に守る理由は自分の身代わりになってくれた本当の父親への想いからであると知っていた重治は黙って見守っていたのです。
ミラー越しに話を聞いていた成実は驚き涙を流します。
しかし涙を浮かべ重治は仮説は間違っていますと言いました。湯川は最後に恭平に伝えたい事があるかと訪ねると重治は「ごめんな」と言いました。
成実は母親の面会に行き「お父さんは全て知っていた」と伝えると節子はやっぱりそうだったのかと思います。
湯川は成実と一緒に玻璃ヶ浦の海を潜ります。
水面に上がった成実は泣き叫びます。湯川は「玻璃ヶ浦の海を守ってくれてありがとう」と仙波の伝言を伝え恭平が真実を知った時に守る使命があなたにはあると伝えます。
しかし恭平はすでに自分がした事が事件に何か関係しているんではないかと不安を抱えていました。
湯川は恭平を見送りに行き「問題には必ず答えがあるがすぐに導き出せるとは限らない。成長していけば答えは見つかるが焦る必要ない。その答えを見つけるまで僕も一緒に考える。君は一人じゃない」と伝えました。