作品情報・キャスト
「ほらふきヤーコプ」の原作をロビン・ウィリアムズ主演で映画化。
ナチスに制圧されゲットーに押し込められたユダヤ人のジェイコブは司令部でソ連軍が侵攻していると耳にして伝えると絶望的だったユダヤ人が生きる気力を取り戻したことで嘘のニュースを広めるが・・・
ネタバレあらすじ/聖なる嘘つき、その名はジェイコブ
ナチスの占領下にあったポーランド。
高い塀に囲まれたゲットー(ユダヤ人地区)で隔離されている元パン職人のジェイコブは情報が入ってこないため風で飛ばされて来た新聞を追いかけます。
しかし、へばりついた新聞を手に取ろうとしたとき監視兵から「外出禁止時間に外に出てる者は銃殺だ」と止められます。
まだ外出禁止時間になってはいないがドイツ司令本部に出頭しろと言われます。ジェイコブは偶然にも当直士官の部屋のラジオでソ連軍がゲットーから40キロ離れるベザニカまで侵攻している事を知ります。
外出禁止時間まで後3分ある事が分かりジェイコブは帰るよう言われるが出入り口は閉まっていてゲットーに戻れなくなってしまいます。
監視の目を盗みゲットーに戻ろうすると少女リーナに声を掛けられ一緒に行きたいと言われます。
リーナは家族と一緒に強制的に列車に乗せられたが両親に途中で逃がされていたのです。
ゲットーに戻ったジェイコブは身寄りのないリーナを屋根裏で匿うが配給券は1つしかないため自分の少ない食事を分け与えます。
「ドイツ兵に見つかったら殺されるな」と射殺され命を落とした妻ハンナの写真に語りかけます。
ある日、親友の理髪師コワルスキーが首を吊ろうとしていたので「しばらくの辛抱だ。ソ連軍が向かっている」と教えます。
しかしドイツ司令本部で聞いたと話すと「生きて戻った者はいない。タレコミか?」と言われてしまいます。
また強制労働の場ではミーシャが「いつか列車に乗せられる」と警戒し監視の目を盗んで脱出経路を作ろうとしていました。
見つかったら始末されると心配したジェイコブはミーシャにも情報を伝えるが「絶対に誰にも言うな。広まったら俺はあの世行きだ」と忠告します。
ジェイコブはラジオを隠し持っていると勘違いしたミーシャは恋人ローザの両親に情報を伝え彼女と結婚したいとお願いします。
ローザの父フランクフルターが信用しなかったのでミーシャは「ジェイコブはラジオを持っているんです。彼に危険が及ぶので秘密にしてください」と言います。
ゲシュタポがラジオの事を知ったらゲットー中が家宅捜査されてしまうと気付くフランクフルターはプラグのないラジオを破壊しました。
ジェイコブはやたら皆んなが接してくるのを不思議に思いながら髭を剃りに行くとミーシャが広めている事をコワルスキーから聞かされます。
ラジオを隠し持っていると勘違いされたジェイコブは質問責めとなります。
サイレンが聞こえソ連機がきたと喜ぶがどう見てもドイツ機でした。「ソ連に追われて退却したんだろ」と聞かれたジェイコブは思わず「そうだ」と口にしてしまいます。
しかし、ユダヤ人を乗せた汽車がやってくると情報を教えて安心させようとしたハーシェルが射殺されてしまいました。
「おまえが戦争終わるなんて言いふらすからだ」とハーシェルの兄弟ローマンに責められジェイコブは落ち込みます。
真実を話していたサミュエルが自ら命を断ち、存在しないラジオを信じてハーシェルが死んでしまいました。
何度もラジオは持っていないと言い張っていたジェイコブだが「希望がないのは飢えより辛い」と気付き「嘘つき」になると決心します。
ジェイコブはユダヤ人が希望を持てるように解放の日は近いと作り話でみんなを元気付けます。
ジェイコブはリーナが体調を崩したため夜中に医者を尋ねるが何か戦線の情報を掴んだのだと勘違いしたミーシャが尾行していました。
医者から「こんな時に貴重な薬となるのは君の情報だ」と言われたジェイコブは嘘の情報と引き換えに診察に来てもらいます。
ある日の夜中、コワルスキーの理髪店に「暴動を企ててるからジェイコブのラジオを破壊しよう」とフランクフルター達がやってきます。
フランクフルターはジェイコブとミーシャが夜中に出て行くのを目撃し勘違いしたのです。
ジェイコブは医者を連れて戻るが家にはラジオを破壊しようとフランクフルター達が侵入していました。
屋根裏から見ていたリーナは泥棒がいると教えるがジェイコブは熱のせいだと思い流します。
診察した結果あまりよくないと分かるが薬も何もないため「白湯と君の貴重な情報にかけよう」と言われます。
ジェイコブはフランクフルター達を発見し何してるのか問うと「芋数個のために密告する奴が大勢いるからラジオを始末してくれ」と言われます。
ジェイコブは「分かった」と承諾するが医者から「君の情報のおかげでゲットーから自殺者がいなくなった」と知らされラジオを置いておこうと言いました。
ある日、強制労働の場に”皆殺し屋”と呼ばれるハートロフがやってきました。
荷物をまとめる日が近いのではと疑うユダヤ人達はソ連軍に救われる前に自分たちが先に死んでしまうと警戒します。
しばらく停電だったためジェイコブはラジオが聞けないと誤魔化すことができていたがドイツ軍がラジオのために配電線を直しました。
ミーシャが「ラジオを聞きたい」と強引に訪ねてくるがお皿が二つあるのに気付き誰かを匿っているのだと思い気を遣って帰っていきました。
翌日、ミーシャが「英国の落下傘兵を匿っている、すごいぞ」と話しておりジェイコブは「単独ストでもやるのか」と質問責めされます。
結末
ハートロフがやってきた事で抵抗組織が作られジェイコブは投票によりリーダーになってしまいます。
ミーシャが義父から銃を託され持っていたのでジェイコブは規律が大事だと没収します。
ゲシュタポに連れて行かれた医者は病気のハートロフから「明日はゲットーが空っぽになる日だが君は汽車には乗らなくて済むように手配する」と言われます。
「あなたを治療して救うと皆が殺される」
ラジオに耳を傾けると消されてしまい「そちらにも情報源があるだろう。密告者がいるんだ。ラジオを持ってる奴の名を言え」と迫られます。
仲間を裏切ることはしたくない医者はその場で毒薬を飲みました。
「ラジオを隠し持ってる者は午前0時までにドイツ司令本部に出頭せよ。出頭せねば人質10名を処刑する」
ジェイコブはすべて嘘だと訪ねてきたフランクフルターに伝えると「ドイツは存在しないラジオを探してるのか」と絶望を通り越し笑ってしまいます。
「亡くなった妻は君のような女の子を欲しがってた」とリーナに言い残し「もし明日俺が仕事にこなかったら屋根裏の宝物を預かってほしい」とミーシャに託しました。
人質の一人となっていたコワルスキーは「ジェイコブの嘘のおかげで数日楽しく生きる事ができた」と言葉を残しクビを吊ります。
またゲットーではユダヤ人が収容所送りとなり全員集められ貨物列車まで整列して歩かされます。ミーシャと恋人はジェイコブの家まで逃げリーナを発見するが追い詰められ捕まってしまいます。
ジェイコブは出頭しゲシュタポに正直にすべて話すが「ラジオはどこにある?」と拷問を受けます。
部屋にあったラジオを指差し「ユダヤ人にラジオを聞かせるのは重罪ですよ」と訴えると「みんなの前でラジオも抵抗運動もすべて嘘だと証言しろ」と要求されます。
収容所送りの貨物列車に乗せられるのだから何の得もない取引だと言い放つと集められたユダヤ人の前で銃殺されました。
ユダヤ人は貨物列車に押し込められるが50キロほど走らせたところでベザニカとプライを解放したソ連軍に止められました。