PR

「微笑む人」ネタバレあらすじと感想結末/(貫井徳郎)松坂桃李の主演で初映像化/本を置くスペースが欲しくて殺害

 

作品情報

貫井徳郎の同名小説「微笑む人」が松坂桃李の主演でSPドラマ化。

水難事故の報せを受け救急隊員が駆け付けるとエリート銀行員の仁藤俊美が妻子に人工呼吸を行なっていたが爪の間から発見された肉片が仁藤のDNAと一致し逮捕されました。

「妻子がいなくなれば本が置けるようになる」

ぶっとんだ理由に世間はざわついたが小説家の「私」はノンフィクションを書くため関係者への聞き込みを開始する。

 

スポンサーリンク

 

ネタバレあらすじ/微笑む人

本を置くスペースが欲しくて殺したんだ

季節外れの春先、安治川(相模川水系最大の渓流)で水難事故が起こりました。

出動した消防士が現場に到着するとずぶ濡れとなった通報者の仁藤俊実が妻子(妻の翔子・娘の亜美菜)に対して人工呼吸を行なっていました。

1人だけ無事な人は妻子を目の前に気が動転するものだが、おとなしく控えていたので消防士は珍しい人だと感じます。

単なる水難事故だと思われたが目撃者の通報により凶悪な殺人事件へと変わりました。仁藤の尋問が行われると同時に妻子の司法解剖がはじまり爪の間から発見された肉片が仁藤のDNAと一致したのです。

仁藤は妻子を溺死させた事を認めるが動機が不可解でした。

「妻子がいなくなれば本が置けるようになる」

相当な読書家だった仁藤の自宅は確かに 本で溢れ返り床にも積み上げられていたがそんな事で殺人を犯すだろうかと世間はざわつきました。

また大手都市銀行で働く仁藤は背が高くイケメンの部類に入り接した人には好印象を持たれていたので一時は知人達が中心となり二審での無罪勝ち取りを目指す運動が起こったほどでした。

 

他にも議性になった人がいるんじゃないか

宮ヶ瀬湖(ダム湖)で頭蓋骨が発見され警察は死因の特定が出来ず服顔(頭蓋骨を元に故人の生前の顔を復元)を要請します。全国に配ると多くの情報が寄せられたが、その中に2年前に失踪した梶原敬二郎の情報があり記録を見て直感的に確信しました。

それは妻子殺しで異様な動機を語った仁藤と同じ支店で働いており、また現場が宇治川とも近かったからです。

梶原は上に媚びて下に威張るような人物で嫌う者が多いのに対し仁藤の方は人当たりの柔らかい人格者であり客からも信頼を得ていました。

失踪前に梶原と対立する先輩後輩の間に仁藤が立って梶原に頭を下げさせた出来事はあったが殺す理由は見付けられませんでした。

 

仕組まれた罠にはまってしまったのか

白骨死体が発見されてから1ヶ月後、仁藤が大学生の時に同級生・松山彰がダンプカーに巻き込まれ事故死していた事が分かりマスコミは「本の置き場所が欲しかった」と動機を語った妻子殺しの仁藤は過去にも人を殺していたのではと疑惑として報じ始めました。

担当刑事は松山の交流関係を調べていた時に共通の友人が当時手に入らなかったゲーム機を松山が持っていたが事故死した後に仁藤が持っていたと証言があり気になって仁藤と対面していました。

ダンプカーの運転手はカーブをゆっくり曲がっており道を歩いていたら普通は避けるはずだし気付かなかったと答えていました。

道路に2人歩いていた事を運転手から聞いた担当刑事は単なる事故死ではないと思い仁藤に会いに行き自分で買ったと言っていたゲーム機を見せてもらうと製造番号が書いてあるシールが剥がされていました。

仁藤に話があると呼ばれ渋谷センター街に行くが姿を見せなかったので署に戻ると殴られたと被害届が出され自宅謹慎となってしまった。結局仲間にも信用されず民間人に暴力を振るったとされ懲戒免職となり、仁藤は良い人の仮面を被った極悪人だと口にしました。

 

結末/微笑む人

中学生の頃、近所には仁藤だけに吠える犬が飼われていたが飼い主がダンプカーに轢かれ亡くなった後引っ越ししていた事が分かります。 

家は会社の借り上げ社宅であり不動産を介して借りていたわけでもない事をしっていた仁藤は大嫌いな犬には触れず追っ払うために飼い主を事故に見せかけて殺したのではないだろうか。

まだ過去にも何かあるのではないかと調べると小学生の時に同級生の父親(義父)が階段から転落して亡くなっていました。仁藤の妻の名前はショウコであり大学時代に親切にしていた人、そしてこの事故で父親を亡くした女の子の名前もショウコでした。

ショウコがホステスをしていると突き止め会いに行くと真相を話してくれました。

ショウコが小学生の時にホステスだった母親は再婚しました。義父は無職になり仕事にありつけなくなると母親に暴力を振るうようになりショウコには性的虐待が始まりました。

いつも優しくそばにいてくれた仁籐を隠れさせて虐待されているところを見せると彼は予想通り激怒してくれたので計画を手伝って欲しいとお願いしました。

しかし仁籐は怖くなり怖じ気付いて何も出来なくなったのでショウコが突き飛ばして転落死させたのです。それを見ていた仁籐は怖くなってショウコには近付かないようになったのです。

なるほど、

仁籐は目撃した事で「殺人」という解決方法を小学生で身に付けてしまったのだ。

しかし同僚のホステスのカスミから「彼女は虚言癖があるから信用しない方がいい」と言われ今までの話はなんだったのかと思います。

そしてショウコは連絡が取れなくなり、カスミに会いに行くと彼女は店を止めていたが本名がショウコだと知り頭が混乱しました。

 

感想・謎のまま終わった

普通に文字通り読めば小学生の時に「解決方法」を知ってしまったために「本を置くスペースが欲しかったから」妻子を殺したのかも知れない。

現に妻子殺しはDNAが一致しているので動かぬ証拠があるのです。

そして「エリート銀行マン」「人格は優れていた」というのはすべて会社での話。お金を貰う場所ではほとんどの人が素ではないと私は思う。

例えば謝れない性格の人は男性に多いですが会社では謝罪できているはず。そう考えると素が見える過去の人格そのままではないだろうか。

小学生の時はショウコの話が事実だと考え優しい子だったかもしれないが殺人を目撃するなんてゆうのはほとんどの人が経験していない事、ましてや小学生で見てしまったら強烈に残ってしまうものですからね。

にしても理由がぶっとんでいましたね(笑)

 

 

小説/BOOK
スポンサーリンク