作品情報・キャスト
有賀リエの少女漫画を柴山健次監督が実写映画化。単行本の発行数は170万部を突破しており第43回講談社漫画賞少女部門を受賞している。
杉咲花演じるインテリアコーディネーターの川奈つぐみは高校時代に三代目J SOUL BROTHERSのパフォーマーで俳優としても活躍している岩田剛典演じる先輩・鮎川樹に憧れていました。
取引先の飲み会で一級建築士となっていた樹と再会するが彼は脊髄損傷で車椅子に乗っていました。切ない恋の行方は・・・・。
ネタバレあらすじ
インテリアコーディネーターの川奈つぐみはこの時期になると高校時代に憧れていた先輩の鮎川樹を思い出します。
初恋相手に憧れ続けて告白もせずに終わってしまいました。
図書員をしている時に借りれるのは2冊までと決まっているのに4冊強引に鮎川が借りようとしたのが出会いでした。見逃そうとしたが建築の本は貸出禁止だったためその事を伝えると鮎川は図書室で読むようになり少しずつ会話するようになったのです。
鮎川はキュートな笑顔でバスケ部のエース、一級建築士になるのが夢だと語っていました。
美術部の川奈は先輩をイメージするようになりバスケをやっている先輩を思いながら校庭の桜を描きました。
初恋相手と再会するが
同僚が取引相手との飲み会の話をしており雑誌を見ながら「この鮎川樹って人飲み会に来るんだよね、イケメンじゃない」と話していたので川奈は驚きます。
雑誌を覗き込むと一級建築士として取材を受けており人を繋ぐ快適な暮らしの実現を夢見ていました。
飲み会に顔を出すと鮎川は驚き、覚えてくれていた事に川奈は嬉しくなります。
同僚から「フリーなら付き合っちゃえば」と言われ笑いながらトイレから戻ると鮎川は「お先に失礼します」と車椅子に乗り帰って行きました。
驚く川奈は「車椅子の人とは簡単に付き合えないよね」と言われ「そんな事ない」と咄嗟に言えませんでした。
普通に接しようと思った川奈はサンプルを届けに行くと鮎川は市民交流センターのコンペに勝つために模型を設計していました。
もしコンペに通ったら内装は任せると言われ川奈は一緒に仕事できると嬉しくなります。ディナーに誘われ喜んで受け入れると鮎川は大学生の時に事故に遭い脊髄損傷となって歩けなくなったと知らされます。
それでも夢を諦めず建築家となり嫌がる人もいてリスクはあるけど好きだからこの仕事になんとか食らいついていくと目をキラキラさせて語りました。
先輩のために
鮎川の上司である渡辺から「病院に運ばれた」と知らせを受け川奈は駆け付けます。
脊髄を損傷していると感覚が麻痺しているので知らないうちに傷が悪化し高熱を出していたのです。
それでも鮎川は明日のコンペのために病室のベッドで仕事をしていました。看護師に安静にしてと止められるが鮎川の強い想いを知っているので川奈は「自分が付きっきりでいますのでやらせてください」とお願いしました。
「次はないかもしれない」と必死になる鮎川を見て今までどれだけ努力して辛い目に遭ってきたのだろうと川奈は思い最後の着色をやらせてほしいとお願いしました。
当然大事なものであるため断られると思っていたが「高校の時に展覧会に行ったよ。あの桜の絵を描けるんだから台無しにはならない」と筆を渡されました。
「あの絵は先輩を想って・・・」とは言えなかったが告白できなかった想いが今度こそと溢れてきました。
恋愛を諦めている鮎川
高校時代に鮎川は美姫と付き合っていたが事故に遭って別れてから恋愛はしないと決めていました。美姫先輩の事も覚えている川奈は協力して一緒に乗り越えたいと思う人だっているはずですと言いました。
「排泄処理とか大変なんだからわざわざそんな人を選ぶ必要なんてない」
東京合同同窓会に川奈と鮎川は出席すると美姫がいました。何を話しているのか気になった川奈は出て行った二人を捜すと「私結婚するんだ」と声が聞こえてきました。
「俺には関係ない」と鮎川は冷たい態度を取るが自分のために言っているのだと分かる美姫は「樹にだって幸せなる権利はあるんだよ」と涙を流します。
川奈は帰ろうとする美姫を追いかけ話しかけると事故に遭った鮎川が優しさで突き放したのだと分かります。
何か美姫に言いたいことがあったのではないかと思う川奈は「生きたいところに行く」と鮎川を誘い強引に美姫の挙式場に連れて行きます。
「帰る、余計なことするな」と鮎川は車から降りようとはしなかったが川奈は強引に車椅子を出し「お祝いしてあげてください。美姫のためにも、自分のためにも」と言いました。
美姫は笑顔で手を振りながら「おめでとう」と言ってくれた鮎川を見て涙を流します。「幸せになってくれて良かった、連れてきてくれてありがとう」と鮎川に言われた川奈は事故に遭っていなければ相手が鮎川だったかもしれないと思うと返す言葉がありませんでした。
最初のキス
川奈は車椅子バスケの試合を見に行った帰り猫の赤ちゃんの鳴き声を耳にします。
「飼主が来るまでうちに来るか」と鮎川は猫を抱っこしました。
翌日、渡辺から検査入院したと知らせを受けた川奈は駆け付けると「明日退院だから大丈夫だ」と言われほっとします。
カステラを切って病室に戻ると長野県松本から鮎川の母親・文乃がお見舞いに来ており「心配だから地元に戻ってきて」とお願いしていました。
文乃が病室から出て行くと「勘違いかもしれないけど俺に気持ちがあるなら応えられない。美姫と別れた時に一人で生きていくと決めたんだ」と言われてしまいます。
「合併症で命を落とす事があるからリスクはあるけど苦労を掛けても樹には幸せなって欲しい」と文乃は望んでいました。
この先何があるか分からない、今が大事なんだと気付いた川奈は想いを伝えに行くが退院したばっかりなのに雨の中鮎川が猫を捜していました。
鮎川に傘を渡して猫を捜すと「おまえが濡れるだろう、俺はどうなっても構わないから」と言われ「自分といると幸せになれないとか何で勝手に決め付けるんですか、私の気持ちを簡単に扱うのやめてください」と声を荒げます。
「先輩の代わりはいないんです。先輩の身体が心配なんです。先輩のことが好きなんです」
鮎川の家にお邪魔すると猫は毛布の中にいて二人は笑います。
「頼りにならないかもしれないけど何でも言って欲しい、なんでも受け止めます」
二人はキスを交わします。
想いを伝える川奈
交際が始まると川奈は記念だからとネックレスをプレゼントされます。
「彼女にしてくれてありがとう」と川奈は喜びます。
鮎川が実家に行くというので序でに川奈は乗せてもらいます。車の中で猫はヘルパーの長沢葵に預けたと聞かされ「どんな人だろう」と川奈は気にします。
川奈は両親に鮎川と付き合っている事を伝え建築士だと伝えると両親は喜ぶが車椅子に乗っている事を伝えると父親は席を外してしまいます。母親は「あなたの将来が心配なのよ」と言いました。
車から降りずに挨拶したので鮎川は気を悪くしたんじゃないかと心配します。
川奈は自分が親から何か言われたのを鮎川は気付いていて何も聞かずすべて背負ってくれようとしているのだと分かり後ろから抱きしめます。
乗り越えなければならない事が多々あると思うが川奈は先輩とだったら大丈夫だと思います。
結末
鮎川の家まで送っていくとヘルパーの長沢が部屋の掃除をしていました。
洗い物や掃除の仕方、玄関にはいつも濡れたタオルを置いておく事など川奈はいろいろと教わります。
事故に遭ってからずっと世話をしてきた長沢は鮎川の体も心も知っているので「付き合うには覚悟が必要だ」と言われます。
もっと理解しなくちゃと思う川奈は仕事を終わって毎日ご飯を作りに行くが「恋愛ってそんなに頑張るものなのか」と言われたり母親から「鮎川さん事で話し合いたい」とメールが頻繁に来るようになり悩むようになってしまいます。
川奈は駅員を呼びに行こうとすると人とぶつかりフラついて線路に落ちてしまいます。鮎川は大きな声で助けを求め救助されるが病院に運ばれ過労と診断されます。
川奈の両親に責められる鮎川は「一緒にいたのに助けられなかった自分の責任です」と謝罪しました。
「障害者を背負えるほど娘は強くはない、娘と別れて欲しい」と父親に頭を下げられた鮎川は「退院したらどっか行こう」と川奈を元気付けます。
そして遊園地でデートし観覧車に乗ると川奈は幸せそうに手を握るが鮎川は「高校時代に戻りたいな。身体が丈夫なまま再会したかった。今の俺にはしてあげられる事があまりに少なすぎて辛い、だから今日で最後」と涙を流します。
「自分の人生を大切にして欲しい、今までありがとう」
川奈は「嫌だ、別れない」と泣きながら抱きしめます。
先輩と別れ季節が変わっても川奈は忘れられないでいました。
どうやったら痛みを癒やせるのかと考えていたが自分が重荷になっているから無理だと気付きます。
父親が脳梗塞で倒れしばらく実家にいる事になった川奈は「もう一回桜の絵見たかったな」と鮎川が言っていた事を思い出し納戸から取り出します。
そして先輩と出会った高校に足を運びいろいろ思い出していると鮎川が難しい手術に挑むと長沢から知らされます。
川奈は「行かないと後悔する、みんな一人じゃない、辛い時はみんなで乗り越えたらいいんだよ」と両親に訴え東京に向かいます。
病院に駆け付けると鮎川は手術中であり、長沢から鮎川の手紙を渡されます。
鮎川は人と接する時に壁を作っていたが川奈と再会し壁を壊してくれた事に感謝していました。
手術は成功し川奈と鮎川は校庭の桜を一緒に見に行きました。川奈は一緒に旅をした夢を見たことを伝えその姿は車椅子だったと伝えます。
そして今の先輩が好きなんだと想いを伝えると鮎川は「一緒に生きていきたい」と言い、二人はキスを交わしました。
そして二人は約束通り結婚式を挙げました。
感想
障害者との交際がはじまるとその後はありがちな内容だったので回りくどく感じてしまいました。結婚まで行くのは急過ぎます^^;
一人で生きていくと決心した鮎川の心を川奈が変えたところで終われば良かったのに。でもそれじゃ短すぎますね(笑)
確かに大変だし覚悟は必要ですよね。