韓国映画「死体が消えた夜」作品情報
イ・チャンヒ監督がスペイン映画「ロスト・ボディ」をリメイク、監督にとってこれがデビュー作品となる。
若き大学教授は財閥の娘と結婚したが偉そうな態度に嫌気がさし教え子と不倫関係にありました。
完全犯罪を思い付き計画通り妻を亡き者にしたが安置所から死体が消え、更に不可解な出来事が続き追い詰められていく。
実力派キャストが集結した二転三転するスリラー。
ネタバレあらすじ/死体が消えた夜
遺体が消えた?
遺体安置所の警備員は夜中物音に気付き見回りに行くと引き出しが開いている事に気付きます。
遺体が消えるわけないので最初から空だと思うが白いドレスを着た女性が座っているのを一瞬目にしてしまいます。あわてて通報しようとするが手が震えていたのでスマホを落とし鍵がかかっているドアの隙間に入ってしまいます。
その時、後ろから・・・。
署長に指名された広域捜査官ジュンシクは現場に向かうと警備員が鈍器のような物で殴られたと知るが「幽霊を見た」と口にしているので過剰捜査と言われても困るから帰らせろと部下に命じました。
しかし、直前に停電が起こっていたため防犯カメラは動いておらず開いている空の引き出しをチェックするとイルシン財閥二世のバロン製薬会長ユン・ソリの名が記録にありました。
夫は若き大学教授ジンハンで系列会社の代表も兼任しており結婚当時は身分違いだと騒がれていた事を想い出します。
動揺/完全犯罪
ジンハン教授は不倫相手である教え子ヘジンの家にいると「遺体が消えた」と連絡があります。
大雨のなか車を走らせるが駐車違反の紙が貼られている事に気付き爪で綺麗に剥がし取ってから再びハンドルを握るが不安が押し寄せ手が震えます。
安置所に到着すると遺体を盗まれたと知り、更にヘジンから「知らない番号からずっと電話がかかってくる」とメールがあります。動揺してタバコを咥えるがジュンシクに目をやると腕組んで寝ていたので「生きているわけない」と落ち着きを取り戻し国家機関が盗難に遭うなんてどうかしていると責めます。(警察に責任ないでしょ)
しかし、博士がやってきて「除外したい理論だが、体の硬直状態を死亡だと誤認した例があり生きているかも」と口にしました。
ジュンシクは99%心筋梗塞だが残り1%で殺人だと暴かれないために盗んだ可能性を捨てません。逆玉で結婚したジンハン教授が怪しいと思うが彼は自分から検視を依頼していました。
連絡した時、ジンハンは胃が痛いので薬局にいたと言いました。薬を見せて貰うが中身だけであり車を確認するとワイパーに駐車違反の紙切れがはさまっていたので別の場所にいたのだと気付きます。
逆玉に乗ったジンハンだったが年上の妻になんでも決められすべての行動を伝えなければならずちょっと動揺すると可愛いと見下される事にストレスが溜まっていました。
財閥二世という事で口答えできず教え子のヘジンと不倫関係にありました。子供が出来たヘジンが車に轢かれそうになって転倒したと知り急いで駆け付けるが掠り傷だったので安心し抱き締めます。
帰宅すると「新薬開発を中止しなさい」と命じられ今までの研究や職員はどうするのかと言い放つが「今の地位は誰のおかげなの」と言われ謝ります。
「1年渡米しましょう」と言われ返事するもののヘジンと早く一緒になりたいと思い、麻酔薬として開発され世に出ることはなかった即効性があり無臭の新薬を使って妻の殺害を決意しました。
投与8時間後に体が麻痺して徐々に意識をなくし命を落とす事になるが形跡が残らないため完全犯罪に使えると思ったのです。
赤ワインに混ぜて飲まし成功したはずなのに・・・。
不可解な出来事/証拠
停電となり物音がする方へジンハンは行くと妻の遺品が入った箱を見付けます。
何気なく開けて見ると世に出ていない新薬があったので慌ててポケットにしまいます。それを見逃さなかったジュンシクはポケットの中身を出させ博士に渡すが「見たことがない」と言います。
ジンハンは「後は弁護士と話して」と言い出て行こうとします。ジュンシクは調査結果が出るまで待てと言い放つが財閥という事で地検から圧力がかかり「早く帰らせろ」と署長から電話があります。
それでもジュンシクは署長の命令を無視し留まらせます。
ジンハンはトイレに行くと窓越しに妻から誘われていた招待状が置いてありました。ヘジンが掠り傷を追って駆け付けた日であり関係性を誰かに知られていたのかと不安になります。
被害者の妹を訪ねた捜査官から連絡があり「彼女に被害者からオフィスで待ってるとメールが入ったのでイタズラだと思うが同行します」と知らせが入ります。また山道を調べていた捜査官から女性の足跡を発見したと連絡があります。
ジュンシクは「本当に生きているのか・・・」と口にすると精神的に追い込まれていたジンハンはヘジンに電話を掛け着信があった番号を教えてくれと頼むと妻の番号でした。
戸締まりをしっかりしてチャイムが鳴っても出るなと伝えるがドアの向こうに妻の影を見て激しく動揺し「薬物を打っていたら中枢神経まで届かないから生きてるかも」と伝えるがバッテリー切れで電話は切れてしまいます。
ジュンシクは婚約者を交通事故で亡くした過去がありました。自分と待ち合わせしていたのに仕事で行かれなくなり山道を歩いて街に出ようとして車に轢かれてしまったのです。
家族を失う辛さが痛いほど分かるのでジンハンの様子を見て最初から怪しいと実は思っていました。
ジュンシクが命令に従わないので怒った署長がやってくるが、ちょうどその時、オフィスに行って戻ってきた捜査官が資料を手にしていました。
オフィスには誰もいなかったがソリ宛の封筒が届いていたのです。
ジンハンは署長を目にし釈放されると思い安心するが「状況がおもわしくなくて」と言われます。
取り調べを署長に命じられたジュンシクは結婚契約書を机の上に出し「乙が甲以外の異性と関係を持てばすべての権利を失う」と読み上げます。
ソリは探偵を雇っており資料にはジンハンの行動が細かく記載されており当然ヘシンとの関係も知っていたことになります。しかも盗聴器が仕掛けられておりジュンシクが再生ボタンを押すと「妻が戻ったら実行する、飛行機恐怖症だから説明が付く」とジンハンの声が流れます。
動かぬ証拠があり動機がはっきりしてしまったジンハンは気分が悪くなりトイレに行って吐きます。バッテリーが切れていたので先ほど見付けた妻の携帯を取り出すと不倫現場の写真が大量に入っていました。
心配になってヘジンに電話すると「あの女が・・・」と言って電話が切れてしまい、駆け付けようとするがジュンシクに一本背負いされ取り押さえられてしまいます。
結末/死体が消えた夜
ジュンシクはヘジンのマンションに人を行かせるからすべて話すよう言います。
観念したジンハンは妻にとって自分は所有物の1つで気持ちには無関心であり笑うことも本音で話す事も出来なかったと言います。
自尊心を失いかけたがヘジンのおかげて自分を取り戻すことができたのです。そしてヘジンが妊娠したのを知り、とことん追い詰める性格の妻が自分の計画に見せかけたんだと言いました。
「お前が毒薬で始末し遺体を盗んだんだろ」
ジュンシクは否定し「開発したときの変種があり肺機能を低下させて偽装したんだ。死亡を確認したのも彼女の主治医だった」と訴えました。
目を覚ますには薬を打ってもらう必要があるので侵入の痕跡があるのは人を雇ったためだと説明します。
ジュンシクは部下から電話があり「ジンハン名義の家は空き家で誰も住んでいないしヘジンなんて学生は存在しない」と連絡が入ります。
くだらない話に付き合ってられないと思うジュンシクは何処に隠したんだと言い放つが地検から圧力があり不法盗聴は無効だから釈放しろと署長に命じられてしまいます。
釈放されたジンハンは車を走らせ、こっそりGPSを仕掛けていたジュンシクは後を追います。
ジンハンが人里離れた山の中に入っていったのでジュンシクは「ここに埋めたのか」と殴り付けます。
そして婚約者が事故死した時に幼い妹ファヨンも事故に巻き込まれたんだと話し始めます。
事故当時何も覚えていなかったファヨンは大学に通うようになり本の広告にあったバロン製薬のロゴを見て車に貼られていた事を想い出したのです。
ジュンシクはロゴが貼られている黒のリンカーンを調査し修理に出した物がジンハンだと突き止めたのです。
「遺体を何処へやったんだ」と怒るがそれは婚約者の事でした。
あの日、ジンハンとソリは車で走行中に轢いてしまい路上で倒れていた女性を埋めて隠したが転落した妹のことは気付かなかったのです。
ソリの遺体を隠したのはジュンシクであり、ジンハンが愛したヘジンは探るために近付いたファヨンだったのです。
ファヨンは新薬を飲ませていたのでジンハンは徐々に体が麻痺します。しかしこのまま命を落としても楽になるだけだと気付いたジュンシクは助けてやりました。
ジュンシクは婚約者を掘り起こしソリを埋めたのでジンハンは殺人と死体遺棄で逮捕されました。
感想/死体が消えた夜
最初は拘束された容疑者がこんなに施設の中ウロウロ出来ないだろうと思っていたが不安にさせるために敢えて自由にさせていたのだと分かりスッキリ。
婚約者の遺体が発見されていない事を知ったのが結末だったので先が読めるわけがないですが騙されましたよ。
本当にソリは生きているのではないかと思ったほどです。