韓国ドラマ「太宗イ・バンウォン」
主演チュ・サンウクが2022KBS演技大賞を受賞しパク・ジニが最優秀女優賞を受賞した第3代王・太宗となるイ・バンウォンの生涯を描いた本格時代劇
あらすじ
遼東征伐に向かった高麗のイ・ソンゲ将軍は勝手に開京に引き返すと高麗王は逆賊として一族を捕らえるよう命じる。
五男バンウォンは家族を連れて逃げ迅速に高麗朝廷の手の内から逃げたおかげで家門は生き残ったがソンゲが開京を陥落させ戻ると戦に連れて行くつもりはないと突き放される。
高麗末期から朝鮮建国と激動の時代に尽力し朝鮮王朝の基礎を築いたバンウォンは家族を思い葛藤しながらも朝鮮を開国した初代王・父との対立や兄弟の殺害など冷酷な顔を持ち信念を貫く
ネタバレ感想/太宗イ・バンウォン龍の国
29話・世子の資質
バンウォンは世子があまりにも出来損ないであるために世継ぎ候補はお前だけではないと言い放ちます。
チュンニョン大君に恨みを持つものの世子は慌てて勉学に励むようになります。妻(後のソホン王后)から政治に関わるのは世子の役目だと進言されるチュンニョン大君だが国が乱れぬのを黙って見てられないと思うようになり王座を意識するようになります。
ヒョスン宮主は威信が保てないので住まいに内官と宮女を増やしてほしいとお願いするが王妃に厳しく叱責されます。
腹いせにミン氏は出産のときに自分と息子(キョンニョン君)を殺そうとしたと告げ口します。なんで黙っていたんだと激怒するバンウォンはミン氏の残った弟二人を尋問させます。
拷問を受けていると報告を受けた王妃は現場に押し掛けて拷問を止めると負傷する弟を見て涙します。そして嫉妬心でしたことだから自分を廃して殺せばいいとバンウォンに訴えます。
「ともに成し遂げたものは享受すべき、ただ私が目指す国は家門を超える国家、絶対的な君主だ。尋問している罪人は王妃の弟ではないから下がれ」
チュンニョン大君はバンウォンのもとに押し掛け、
「手段と方法を問わず目的だけ重視するのは正道ではない、せめて証拠から見つけるべきだ。拷問に耐えられるものなどいない」と進言します。
世子が無実の叔父を殺したと陰口を言っていたと告げ口したために王妃の弟二人は流刑にされ自決させられます。
30話・チュンニョン大君の決意
バンウォンは世子が女と酒に溺れていたことを知り、激怒して世子を宮殿から追い出すよう命じます。
そしてチュンニョン大君を呼びつけ、王になる意志があるなら朝廷を混乱させず血を見ることなく自力で世子の座を手に入れろと告げます。
名分を作って宮殿に戻る世子は重臣たちがやってきたので、勝ち誇った表情で出迎えご苦労と告げるがチュンニョン大君に酒宴に招かれたと知り動揺します。
チュンニョンは王座に就くことを決意すると、危険が及ぶのではと心配する妻は王妃に相談します。
驚く王妃は世子を変えるつもりなのか、兄弟同士で争い血を見ることになるとバンウォンに頼みに行くが世子には十分機会を与えたと言われます。
チュンニョン大君の池に押し掛け、家にある書物をすべて募集しろと命じます。死ぬまで戦わせるのが王座の争い、生きるためにここで手を引いてとお願いします。
弟たちを失い、息子まで失いたくないと涙ながらに願います。
王座に就いたら命はないと世子に言われたチュンニョン大君は王妃に謁見し、兄弟の悲劇を案じるのはよくわかったが王妃様の心配をなくすためにも君王の座に就くと告げます。
自分が王位に就かないと兄弟全員を守れないと説得します。
31話・王位の継承
世子の過ちを何度も許してきてバンウォンは、さすがに国を任せられないと思い廃位して見直すべきだと思うと重臣たちに告げます。
嫡長子の原則を守ることが国の基盤を強固するという意見もあったがバンウォンは世子を擁護した罪で島流しになるぞと告げると、臣下たちは満場一致でチュンニョン大君を推薦する結果となります。
バンウォンは世子を廃位してチュンニョン大君を新しい王世子とします。世子も自ら退くと言ったから本人の意志ゆえに奪われたわけじゃない、妄言を吐く者はすぐに首を斬ると忠告します。
しかし、小さな不注意を口実に世子を変えるべきと主張する奸臣たちと、彼らに振り回される王様の姿を残念に思うと手紙を記していた事で、これは王様と大臣たちへの冒涜だから極刑にすべきだと意見が出てきます。
流配にするべきという意見が最も多くあったがバンウォンは最後まで世子をかばい近くで住めるようにします。
ヤンニョン大君(廃世子)は王妃に涙ながらに挨拶を済まし宮殿を去ると、世子となったチュンニョンは王妃に挨拶に向かいます。
王妃はお目にかかるたびにこれまでのことを思い出すから、もう呼びつけないでくださいとバンウォンに願います。
「1人で国王に君臨することを望んだのだから1人におなりください」と告げると、18年間虎に乗ってきたがもう降りる頃合いだからすぐに譲位すると言われます。
しかし、バンウォンの性格からして権力を捨てられるわけないと思い、宮殿を去りただの女人になると告げます。そして譲位しても必要な権力は手離さず家門に狙いを定めてくるはずだから注意するよう世子嬪に告げます。
チュンニョンは譲位されて即位するが兵権だけは上王として退いたバンウォンが握っていました。バンウォンが義父を領議政にさせようとしているので本人は権力に興味がないので他の人がふさわしいと告げるが教旨を下し青梅に従わろと命じられます。
32話/最終話・上王の役目
「必要とあらば悪行もするのが君主、一人の外戚を殺して民が楽になるならそうせねばならない」
上王バンウォンに言われた国王は、「それは君王の資格がないのです、たった一人の無念の死もなく民を救えるのが真の君王だ」と言い放ちます。
領議政となった義父が濡れ衣を着せられて黙っていられない国王は、罪なき臣下を殺すことは絶対にさせないと告げると、妨害するなら復位するしかないなと言われます。
国王は領議政として明に向かった王妃の父シム氏に、しばらく明で過ごし朝鮮に帰らないでほしいと伝言を送ります。シムは王妃様を逃げた罪人の娘にはできないので都城に行き潔白を証明しようとするが上王の命令で義禁府に押送されます。
王宮を訪ねるミン氏は、今度は王妃の家門を潰すのか、朝鮮の王妃は親も兄弟もいてはならないのかと非難します。
拷問を受けるシム氏は潔白だと最後まで訴え耐えていたが、国王は証明する術がなく涙を流しながら苦しみから解放するよう伝えさせます。
シム氏は上王が兵権を持つことを気に入らず、兵曹参判を唆し上王に状啓を上げさせぬ大逆罪を犯した罪で自決を命じられます。
シム氏が死罪になっただけでなく王妃の家族が全員流配に処されたために、「すべては王のため、すべての悪行は自分が背負っていく」と言う上王に、国王は罪なき民の死体を積んだ土台の上で聖君になれとでも言うのかと言い放ちます。
国王は上王の間違いを証明するために聖君になり太平の御代にすると訴えます。
王妃を廃するべきと重臣たちから訴えられた国王は、真相を分かっているくせに義を捨て、思慮分別を捨て廃位と処刑しか口に出来ないのかと叱咤します。
大妃を迎えに行ったチョン尚宮から実家にいないと報告を受けた上王は捜索を命じます。国王から夫婦なのに思い当たる場所もないのか訴えられ直に捜しに行きます。
寺を探し回りミン氏を発見すると、「生きていると分かっただけでよかったでしょう、お帰りください」と言われます。
謝罪して許してくれと訴え、夫人を心から愛していると手を握るが「かつては愛していたが旦那様を許さぬことが私にできる唯一のこと、手を放してください」と言われます。
上王は帰ろうとするがミン氏が病に起こされていると知り、急いで引き返し担いで王宮に連れて帰ります。
上王は薬を手に急いで向かうがウォンギョン王后ミン氏は国王たちに看取られ崩御しており膝から崩れ落ちます。
いつまでも国王が泣いているために、責務を果たせと叱責すると「弔う事まで止めるのか、生前も散々苦しめて崩御後も冷徹にあしらうのか」と訴えられます。自分は長くないからそれまでに伝えたいことがあるんだと告げます。
「王座に捕らわれている。このままでは一生宮殿を離れられず亡霊となってしまう。国王は私ですから王座から下りてください」
世宗4年、バンウォン崩御、悲劇的な人生を送ったが民には平安な時代をもたらし国と民のために身を捧げました。