作品情報・キャスト
北海道制作のドキュメンタリー「記憶障害の花嫁ー最期のほほえみ」をベースに塩田昭彦監督が映画化。
左半身の記憶能力に障害がありながらも前向きに生きる車椅子の女性と彼女を愛したタクシー運転手との恋物語。
ネタバレあらすじ
抱きしめたい-真実の物語
北海道網走。タクシードライバーの小柳雅己は、いつものように仕事を終えバスケットボールの練習のため市民体育館に向かうとダブルブッキングでボッチャの練習をする人と仲間が言い争いとなっていました。
車椅子に乗る山本つかさは事前に確認までしたのだからうちらがコートを使うと強めに食って掛かってきた。
コートを半分ずつ使うことで落ち着いたが帰りにタクシー待ちをしていたので雅己は送って行こうかと声をかけると「ぼったくる気でしょ!」と疑われる。
お金はいらないと告げると買物があるからスーパーに寄って欲しいと頼まれ車を走らせるが記憶障害のつかさは下着売場の前で何を買うのか忘れてしまう。
翌日、児童養護施設「ひまわりの里」でボランティアをするつかさはボッチャのユニホームを買う事を思い出しタクシーを呼ぶ。
無線で連絡を受けた雅己は車イスと聞いてつかさだと分かり自分が向かいますと告げ駆けつけます。
一緒に食事をした雅己は、つかさが高校生の時に信号無視の車に衝突された事故で左半身麻痺と記憶障害の後遺症を持ち車イス生活になった事を知ります。
交際
雅己は急速に惹かれていき恋人に別れを告げつかさとデートをするようになっていく。
児童養護施設で働くつかさの友人、夏海は雅己の高校の同級生であり不器用過ぎる雅己を心配します。
つかさは告白された事を覚えていなかったが付き合っていると聞いて喜び雅己に連れられ遊園地に行きます。
つかさは元彼と以前に来たことを思い出し楽しそうに話すが事故にあった後別れたと聞いて雅己はなんて言ったらいいか分からず気まずい雰囲気になるが、毎回会うと話しかけてくる男が現れ雅己は誰なのか聞くとつかさは思い出せないと言い2人は笑います。
つかさの友人が遊園地で働いているため夜中にクビを覚悟で開けてもらいメリーゴーランドで初めてのキスを交わします。
結婚
雅己は結婚する決意をして両親につかさを紹介すると父親は孫の顔も見れないのかと言い出て行ってしまいます。
またつかさの母親からは事故にあってからの壮絶なリハビリの様子の映像を見せられます。
いつも強気で元気で前向きなつかさだが、
意識が戻らないかもと宣告されてから母親の努力と励ましにより必死にリハビリをしてここまで来たのだと知ります。
つかさが妊娠する。
互いの親は障害者である事や必死で育ててきた子が結婚する前に妊娠したことなど反対したい気持ちでいっぱいだが認めざるを得えない立場になってしまう。
2人の本気の想いを互いの親に認めてもらい生まれてくる子は和実(なごみ)と名付けることに決めた。
つかさは雅己が綺麗な女性と喫茶店にいるのを目撃して浮気していると思い「1人で育てます」と怒りをぶつけるが雅己はバリアフリー用の物件を探すため不動産で働く元カノと会っていただけでした。
結末
挙式を終え出産の日、病院には互いの親や友人、養護施設にいる子供達が駆けつけます。
出産に立ち会った雅己は感動し涙を流しながら無事に生まれた事を報告しみんなと抱き合います。
みんなに祝福され幸福感に満たされる2人だったが、
つかさの容態が急変し十日後、急性妊娠脂肪肝(障害の有無とは関係なく妊娠の1万人に1人が発症するというまれな病気)により静かに眠るように天国へ旅立ってしまいます。
〜5年後〜
「和実は強いけど優しい、誰とでも仲良くなれる子に育つよ」
つかさの最後の言葉を受け止めしっかり教育する雅己だが、
自分と出会わなければつかさはまだ生きていたかも知れないと思い詰めてしまう日々を送っていました。
つかさが側にいてくれているような気がする。
でも、思い詰めても最後には
この先何があろうと、つかさを愛していると誓い和実とちゃんと生きようと思うのです。