作品概要/キャスト
明の最盛期を築いた第3代皇帝・永楽帝の波瀾万丈の生涯を描いだ作品
明朝の太祖・洪武帝の四男・燕王の朱棣は軍略家として成長していたなか、皇帝から寵愛を受ける長男・朱標の息子・朱允炆が皇太孫に指名された。洪武帝が崩御すると朱允炆は第2代皇帝に即位し建文帝となるが、その地位を固めるために皇族たちの王位を次々と廃止していく。これに対し燕王・朱棣は北平にて挙兵し首都・南京を陥落させて第3代皇帝・永楽帝として即位する。5度の漠北への親征、安南奪還、永楽大典などの勅撰書の大編成事業などを手掛けたほか、都を北平に遷都し明を全盛期へと導いていく。
ネタバレ感想/永楽帝
25話・無血の勝利
朱棣は乃児不花の大営を包囲し傅友徳は20年も草原で戦っているので交渉人にはふさわしくないと思い張玉を使者に立てて降伏を勧めます。
朱棣は張玉の配下に扮して共に向かうと張玉は藍玉の手先になりやがってと責められます。張玉は藍玉には生涯屈する事はない、燕王の命で交渉に来たのだと告げます。
これ以上飢えが続けば老人や女子、子供は死んでしまうと訴えると燕王自ら来て一族の前で誓いを立てれば信じてやると言われ朱棣は自分が燕王だと名乗り出ます。
漠北人でも帰順した者は隔てなく任用すると陛下は仰せになったから乃児不花の部下は北平軍に編入するよう計らうし遊牧民も北平付近に牧草地を与え暮らせるようにすると告げます。
朱元璋は朱棣が無血で勝利して投降させたと報告を受け大臣たちからお祝いの言葉を受けます。藍玉が失った金印も息子が取り返し嬉しすぎて感情をうまく出せずにいました。
徐妙雲からもし乃児不花が二心を抱いていたら今頃どうなっていたかと言われます。なんで勝利できたか考えたか、夏原吉はまだ牢にいるんだと言われ忘れていた朱棣は急いで報告に向かい軍糧を渡してくれたおかげだと感謝します。
約束通り朝廷の税収の4分の1を負担している蘇松の課役を一部免じるよう上奏すると告げます。
26話・旧友との決裂
湯和は功臣たちが農民から多くの田畑を購入していることを朱元璋に告げます。
燕王が帰京すると知る李善長たちは錦衣衛復活のためではないかと慌て陛下の意向なのか陛下に謁見した湯和(信国公)の進言によるものなのか困惑します。
湯和に会えなかったので李善長は陛下がいまだに行動を起こさないので我らにまだ情があり口を開くのを待っているのだと思います。
いま退官し帰郷すれば富貴な身分のままでいられると説得したが陛下に謁見すると奴らに田畑や屋敷を与えろと褒美の催促かと言われます。
「朝廷に納める租税は年々増えているが鳳陽府の田畑、人口は減少している。功臣が毎年安値で田畑を買取ったうえ、もとの持主を小作人としていたからだ、辞職しようが帰郷しようが構わぬが強欲な奴らにこれ以上与えるつもりはない」
天子は民と共にあり土大夫と共にあるのではないと言われ暴君の言い放ち出て行きます。
「燕王に早く来いと伝えろ、それから錦衣衛の官吏糾弾の権利を復活させ再び率いさせる」と陛下に言われる太子だが李善長とその家族を収監せよと命じられ衝撃を受けます。
洪武帝は10年前の胡惟庸の事案を根本的に解決すべく再び粛清を実施し8名の開国の功臣を投獄し大勢が巻き添えとなった。
太子は死罪ではなく免職と爵位の剥奪で十分ではと進言し朱棣も「事情が分からぬうえ公侯の罪に関しては口出しできないが臨安公主と汝寧公主に配慮をお願いしたい」と上奏を届けさせます。
27話・獄中の詩
太子から投獄された李善長が詠んだ詩を聞かされた朱棣は「李斯が丞相だった秦のように明も2代で滅びる」と解読し、朱元璋に上奏します。
朱元璋は一族の命と引き換えに朕の悪名を歴史に残す気かと激怒し7人の功臣の一族と共に李善長の処刑を命じます。
朱元璋が藍玉の罪を太子にお願いされ赦免したと知る朱棣は激怒して参内し、敵が自在に動き回る広大な漠北では攻める機会はすぐに消え失せると訴えます。
「藍玉は悠長に構えていたが自分には無理だったから出撃するべきと主張した、陛下の息子であり太子の弟である私が目の前の好機を逃しては面目が立たない」
得たのは朝廷の官吏が私を弾劾する上奏や陛下や太子から言葉もかけてもらえない日々だけと朱元璋に不満をぶつけ都を離れます。
引き止められなかった朱元璋は寂しいと本音を太子に漏らし涙を浮かべます。
太子は挨拶にやってきた藍玉を城外に連れだし亡き太子妃の実の叔父だから赦免を願い出たのだと告げ中軍都督府を任せます。
呂本が亡くなり父から聞かされていた優秀な鉄鉉を含む4人の学生を呂氏は呼び出し息子・朱允炆に挨拶させます。
朱棣は3人の息子の中で何で次男の高煦だけに厳しいのだと徐妙雲に聞くと、あなたは長男・高熾にだけ厳しいでしょうと言われます。
「燕王府の世子が高熾だとご存じなら長幼の序を弁えてください」
朱元璋は13皇子・朱桂を代王に、14皇子・朱英を粛王に、15皇子・朱植を遼王、16皇子・朱栴を慶王に、17皇子・朱権を寧王に任じます。
伯雅倫海別はこんなに分藩すれば燕王と晋王の兵権は大幅に縮小するので慌てているだろうと思います。
28話・祈りの時
太子は12皇子・朱柏(湘王)が戻ってきたので再会を喜び酒を酌み交わします。朱元璋が遷都を考えている事を伝えると父上は二兄上の封士を没収なさる気なのかと言われ責めてはならないと告げます。
朱棣は弟たちの模範として自身の減俸を申し出ると弟たちに戦を教えるよう言われます。すると西案府に向かった太子が危篤だと知らせが届き、太子を避けて都入りしていた朱棣は後悔し急いで馬を走らせます。
太子は涙を流しながら地図上の西安、太原、北平に印を付けるとそのまま息を引き取り、倒れてしまった朱元璋は、秦、晋、燕の3王を屋敷に戻して外に出すなと命じます。
そして信国公に上十二衛と五軍都督府、在京の諸衛を指揮せよと詔を渡します。