作品情報・キャスト
石塚真一の漫画 「岳 みんなの山」 を片山修が実写映画化。
世界中の山を渡り歩いてきた誰よりも山を愛する三歩は山岳救助隊員のボランティアとして命を守っています。
ある日、警察署山岳救助隊に配属された久美は遭難者を救助できず自信を失うが三歩との出会いで成長していく。
ネタバレあらすじ/岳‐ガク‐
救助ボランティア団体の遭対協(山岳遭難防止対策協会)に参加している島崎三歩は長野県山岳遭難救助隊員として活動しています。
「よく頑張りましたね。生きていて感動しました。また来てくださいね」
三歩は遭難して助けた人に笑顔で言います。
長野県警察地域課所属の警察官・椎名久美が新米隊員としてやってきました。
初日にいきなり遭難者がいて慌ただしくヘリコプターで向かうがすでに三歩が救助していました。
チーフの野田から、三歩はただのボランティアだが若くして世界名峰を登頂し技術・知識とも豊富であると聞かされ「山のプロ」だと知ります。
久美は雪山が初めてであり好きではありませんでした。
三歩はまずは好きになって貰うため、わざと突き飛ばし滑り落ちた時の止まり方を教えました。
ある日、子供が父親と逸れたとやってきました。
久美は小屋で子供の面倒を見て元気付けるが救助に向かった三歩が発見し戻ってくると父親は亡くなっていました。
三歩は子供が気になり通う小学校に行きます。
崖を落ちて亡くなったが、何回も必死で帰ろうとした痕跡があり、あれだけ頑張った父親の子だから頑張れると励まします。
いつか山の頂上で父親と一緒に食べる予定であったオニギリを食べようと約束しました。
救助隊に必要なもの
子供が悲しむ姿を見た久美は真剣に訓練に励み成長していくが転落した人を救助し背負って上がろうとするが途中で亡くなってしまいました。
ヘリコプターパイロットの牧英紀からその場所からはヘリのピックアップは無理なため死体を投げ落とせと言われます。
怪我人と遺体を一緒にするなと言われるが久美には出来ませんでした。
やってきた三歩は家族の元に帰ろうと言い久美の代わりに遺体を投げ落としました。
三歩はどんな事があっても元気で帰るが初救助で救うことが出来なかった久美は落ち込み食事が喉を通りません。
久美は人の死にみんな慣れ過ぎじゃないかと込み上げる怒りをぶつけました。
諦めない命
久美は1人で訓練している時に転落してしまいます。
気付くと夜になっていて雨が降っていました。
1人で救助を求めるのがどれだけ怖い事なのか身を持って知った久美は三歩に教わった通りにヘッドライトを10秒ごとに1回点灯させました。
救助された久美は、遭難者がやたら呑気に話すのが理解できました。怖かったからです。
助けてくれた人は死体を投げ落とせと言った牧であり過去に遭難した後輩が1年後にやっと見付かった経験がある事を知ります。
また三歩が初めて救助に掛かって亡くした人は親友であり、腕が切断された親友を背負って頂上まで二日間かけて登った事をチーフから知らされます。
以前、三歩はお腹いっぱいナポリタンを食べていたから遭難者を背負って歩けたと楽しく話していた事を久美は思い出します。
結末
久美は北アルプス山中でテントで暮らしている三歩の元へ行きます。山岳救助隊員だった久美の父親はボイスレコーダーで山の記録をしていました。
最後の記録は自分が吹雪で遭難者となり帰れない事が納められていました。
ある日、父親が助けた遭難者からお礼の手紙が届き、それを読んで山岳救助隊員になる事を決めたのです。
ボイスレコーダーを聞いた三歩は強い父親だが命を諦めた事は間違いだと言いました。
遭難した時に分かりやすいからと赤いマフラーを三歩はあげました。
急な悪天候で12名の遭難者がでてしまいます。
救助隊員が次々と遭難者を発見し救助します。
久美はもうすぐ結婚する娘・陽子と連れてきた父親・一郎をヘリコプターで救助しようとするがピックアップが不可能だと分かります。
久美は降ろして貰った場所から親子のところまで行きヘリコプターがホバリング出来る頂上まで猛吹雪の中誘導します。
しかし爆弾低気圧で雪崩の危険がありチーフが決めたタイムリミットが近付いてきてしまいます。
娘を先にヘリコプターに乗せたが時間が来てしまい久美は父親と残る事を決意し命綱を切りました。
三歩は久美と梶一郎を助けるため向かうが雪崩に巻き込まれます。
久美はクレパスに落ちてしまい梶一郎を見付けます。
子供に悲しい想いをさせたくない久美はバージンロードは片足無くても歩けますと強く訴え切断しました。
雪崩に巻き込まれるがなんとか抜け出した三歩は気力を振り絞り探すと久美が身に付けていた赤いマフラーを見付けます。
クレパスに落ちてしまった三歩は一郎を背負った状態で心肺停止している久美を見付けます。
三歩は必死に心臓マッサージをすると久美は息を吹き返しました。
三歩は救助隊員、遭難者、共に生きていると連絡しました。
天気が好天し救助隊員は三歩の元へ向かいました。
三歩はいつものように久美に言いました。
「よく頑張った」
「父親を助けてくれてありがとう」陽子が訪ねてきました。
助けたのは山のプロフェッショナルの椎名久美だと三歩は告げ、雪が溶けたらまた山に来てくださいと元気に言いました。
三歩と久美は山岳救助隊員として活動を開始しました。