中国ドラマ/鏢門
清朝末期から中華民国初期に運送と護衛を行なう「鏢局」の鏢師として生き抜いた劉安順の姿を描いた中国アクション大河ドラマ。
あらすじは?
清代末期、太谷鏢局の創設者・戴海臣の娘・戴戎の許嫁である優秀な鏢師・劉安順は後継者と目されていたが掟を守るがゆえ反感を買ってしまい濡れ衣を着せられ追われる事になってしまいます。
北京に移動し広順鏢局を開業するが余所者扱いされて仲間に入れてもらえないのでルートを開拓するためにやってきた土匪の女・路瑶婷の護衛を引き受ける。
しかし対立していた賈克木に目を付けられ、革命派による暗殺計画に巻き込まれ山猫に路瑶婷が拉致されてしまう。
劉安順は救出するために革命派の要求に応じ様々な苦境に立たされるが義侠心と仲間の支えによって道を切り開いていく。
キャストは?
太谷鏢局の大鏢頭。聡明で武芸に長ける。北京で広順鏢局を開業するが陰謀に巻き込まれる
土匪の首領・路宗山の娘。頭の回転は速いが横暴でわがまま。徐々に劉安順に惹かれ暴走する
劉安順の弟弟子。李安瀾の許嫁・戴戎に恋心を抱いておりやがて野心と嫉妬が爆発する
戴海臣の娘。武芸に長けるお嬢様。劉安順とは想い合っているが嫉妬で判断を誤る時がある
捻軍の元帥と西洋人の間に生まれた非嫡出子。人が嫌がることを実行し猫には9つの命があると信じている
捻軍三傑の1人で太谷鏢局を開業。劉安順に絶大的な信頼を寄せている
捻軍三傑の1人。最大となる土匪の砦・暗がり峠を開き元帥の忘れ形見である山猫を引き取る
清朝王族・荘親王の娘。政治利用される運命だと冷めている
ネタバレあらすじ/鏢門
第1話/辛亥の用心棒
1911年清代末期、山西太谷鏢局の創設者・戴海臣(たい・かいしん)は60歳の誕生日を迎え引退する予定だったが創設以来はじめて土匪に荷を奪われる失態が発生する。
後継者として期待される大鏢頭の李安瀾(りゅう・あんじゅん)はすぐさま奪い返すために馬を走らせ許嫁の戴海臣の娘・戴戎は心配します。
掟通り度胸試しで車ごもり(目隠しをした者が発砲、馬車を先に出た方が負け)の勝負をし見事に勝利した劉安順は荷と鏢師の一隊を奪い返しました。
一隊を率いていた馬親方は恩がある古参鏢師だったが不正商売のために正規の護送路を外れ仲間を危険にさらした事で破門せよと怒ります。
弟弟子である李希平から「せめて自分から辞めた事に」と言われるが劉安順は頑なに掟を重んじているため黙ります。
その時、お前が後継者なら太谷鏢局は安泰だと言い馬親方は銃で自ら命を絶ってしまいました。
暗がり峠からの贈り物を受け取った戴戎は何で知らないところから届いたのか疑問に感じていると戴海臣と暗がり峠の土匪の砦・路宗山は捻軍三傑の1人だと知ります。
その頃、暗がり峠の張端和に育てられた山猫は太谷鏢局に発注する隆泰票号が大金を送る日を狙っていたがそんなのは無理だと言われます。
猫には9つの命があると信じる山猫は道徳心がなく情報を得るために店を出させている女・趙秀を殴っても何も感じないような人物なので張端和は頭を悩ませます。
山猫が去って行くと趙秀は「本当の目的は過親分の地盤、だけどバレているから失敗するだろう」と張端和に告げるが目の前を大金が通っているのに奪わないのは臆病者だからだと予想に反し山猫は返り討ちにして地盤を手に入れていました。
奪還して戻った劉安順は馬親方が自ら命を絶ってしまった事で密売ぐらい誰でもやるだろうと鏢師たちの反感を買ってしまいます。
山猫が放った猫の爪により毒に侵された戴海臣は密かに解毒剤を定期的に届けるよう指示し完治するまで鏢局を劉安順に任せるが掟を重んじる性格が邪魔して鏢局内での評判は下がる一方でした。
第2話/鉄帽子王あらわる
馬親方が自害した事に心を痛める劉安順だが掟をあまりにも重んじるため反感を買い局内で肩身の狭い思いをするようになります。
心配する許嫁の戴戎は独りで何でも背負うなと忠告してくれと李希平にお願いします。
趙秀と張端和がいる店で飲んでいた劉安順は「馬親方の埋葬が終わったら荷があるから支度させろ」と李希平に命じるが鉄帽子王の末裔エルへが腕比べしろと戴海臣に訴えていると知り急いで向かいます。
侮辱は許さないと立ち塞がるとそこに隆泰票号の謝還が現われ「鉄帽子王は永代世襲とはいえ礼親王は嘉慶年間に、睿親王は康熙年間に爵位剥奪され粛親王は順治年間に獄死しています」と伝えるとエルへは動揺します。
皇帝陛下の叔父だと名乗る佟哈は「まぎれもなく大怪力王の子孫であり実はお忍びで視察に来ていて目的は朝廷の密命を受けた軍資金集めだ」と言います。
謝還は国難に乗じて詐欺師が出没し王侯貴族と称して荒稼ぎをしているから調査しろとの要請が商会にもきている事を伝えると動揺する佟哈は「忙しい商会の邪魔はできん」と去って行きます。
佟哈は詐欺師だがエルへは乾隆帝の印がある指輪をはめていたので気になります。
エルへに看板を奪われた劉安順はエルへが本物だろうが偽物だろうが鏢局の面子のために闘うことを決意し護送に影響は出さないと謝還に伝えます。
謝還は調べると乾隆年間に祖先が爵位を奪われその100年後の末裔だと知り平民と同じなので遠慮は要らないなと思うが宗室の一員には違いないため後の世代に爵位が復活する可能性もあります。
翌朝、一騎討ちをする劉安順とエルへ、
李希平は見ていられないと床槍を入れ「お前の負けだ、これ以上やったら命はないぞ」と伝えるが刀を折られた劉安順は「俺の負けだ」と言いました。
第3話/護送隊出立
決闘としては勝ったが腕前では負けたと認める劉安順に鏢師たちの不満は高まるばかりだったが駆け付けた戴戎がエルへを倒したため看板を取り戻し太谷鏢局の面子は保たれました。
隆泰票号の謝還はこれだけ批判されている者を後継ぎとして大丈夫なのかと告げると戴海臣は大手柄がないだけで今度の護送をやり遂げたら問題ないと言います。
隆泰票号から大金を北京へ護送する仕事が入り劉安順は掟により「新規開店、店主が替わった宿、娼館」の宿は避けて「武器を離さず服を脱がず馬車は庭に、三分の笑みで三分譲歩し三分の酒を飲む」ことを心がけます。
朝廷から銃の所持を認められ通行手形も持っていたが巡撫の陸様が族に殺されて手形は失効だと土匪の山猫に襲撃されます。
荷を奪われてしまった劉安順だったがそこに戴海臣と戴戎が現われます。
猫を放たれ体に毒が回っていた戴海臣は必ず何者かに狙われていると察知し石を詰め込んだ荷を運ばせ誘い出していたのです。
戴海臣は山猫を追い詰めて圧倒するが「捻軍の元帥の子息だ」と駆け付けた張端和に言われます。
元帥の子は全員清兵に捕らわれ北京で処刑されたはずだが山猫は西洋人の間に生まれた非嫡出子であり、動揺する戴海臣は「生涯山西には来ないと誓わせろ」と張端和に言い放ち去ります。
命が助かった山猫だったが自分が元帥の子であること、そして張端和に剣術があった事を知らなかったので今まで何故本当のことを言わなかったのかと激怒します。
全38話一覧/鏢門
黒袋の弟子/北京での再出発/八大ひょう局の提灯/客人と警察
師匠の助け船/さらわれた女土匪/反清勢力の暗躍/格格の縁談/
暗がり峠の首領/酢が好きな許嫁/革命派の荷/峠の新入り
濡れ衣と落とし前/途上の戦火/劉安順の帰郷/退位の詔書/
新時代の始まり/略奪の町/火の車/師の白袋
宿題の対決/結婚の申し入れ/新たな大親分/友情の護送
少年たちの弟子入り/アヘン輸送の発覚/一代の終焉/消えた護送隊/
希平の大罪/時代の逆風/炎に消ゆ/対立の泥沼
牢の中の誓い/山猫の覚悟/掟は死なず