作品情報とキャスト
第二次世界大戦中、ナチスドイツの占領下にあるポーランドにソ連軍が侵攻しようとしていた。
ロンドンを拠点としていたポーランド亡命政府首相ミコワイチクは祖国が蜂起の準備に入り英国からの指示を待っていたので英国チャーチル首相に会いに行くがソ連から指示がなければ支援は出来ないと言われてしまいます。
首相から「独断で戦うよう伝えろ」と命じられた密使ヤン・ノヴァクだったが最高司令官から「ワルシャワに行って首相の暴走から国内軍を守れ」と命じられ祖国に命懸けで向かう。
ネタバレあらすじ
バトル・オブ・ワルシャワ 名もなき英雄
ネタバレ・あらすじ
第二次世界大戦5年目の1944年、無敵のナチス・ドイツが失速しつつありました。
ソ連の侵略が迫っておりナチスの支配下にあったポーランドは蜂起を計画し英国からの合図を待っていました。
ロンドンを拠点としていたポーランド亡命政府ミコワイチク首相から国内軍に指示を送るため密使になるよう命じられたヤン・ノヴァクだったがワルシャワから戻ると英国チャーチルから蜂起の事は忘れろと言われます。
ワルシャワでドイツと戦うしかないと首相に言われたノヴァクは英国の支援がなければ無理だと伝えるが決定権はありませんでした。
その頃、ゲシュタポ(ドイツ秘密警察)ではクワトコフスキ中尉(ノヴァク)が組織から手引きを受けて英国でチャーチルと会っていたと諜報員から知らせを受けていました。密使だと予想されワルシャワにいる国内軍トップのブル将軍を捜し出すべきだと議題に上がっていました。
また密使を捕まえれば巻き返すチャンスだと睨みノヴァクの似顔絵が配られました。
ノヴァクは首相の命令を軍最高司令官に伝えると「独自の蜂起はありえない。空路で帰国し首相の暴走からブル将軍を守れ」と言われ従うわけだが・・・
感想/考察
(結末の前に感想を書かせていただく)
ノヴァクが目を付けられたのは好意を持った女性ドリスがゲシュタポだったからです。
ロンドンで偶然に再会するのはいいがワルシャワでも偶然を装って会うのは無理がありすぎる。さすがの女ったらしの男だったとしてもスパイだと気付くでしょう。
国内軍とは40万以上の構成員を有する抵抗組織で大戦中世界で2番目に大きなレジスタンス組織だが規模の大きさがまったくうかがえなかった。また国内軍を指揮するポーランド亡命政府はソ連が支援するポーランド国民解放委員会と対立していたためソ連から敵視されていたのも描かれていない。
(この事があったからワルシャワ蜂起の時に赤軍は侵攻してこなかったのかもしれない)
物語の大部分は命懸けでワルシャワに向かう場面だがルートがよく分からなかった。密使として2回行き来したときは組織の支援を受けスウェーデンのストックホルム経由だったがゲシュタポによりルートは潰されていました。
最高司令官が用事があり途中まで同行していたのでストックホルムとは真逆でイタリアの方からぐるっと回って向かった事はなんとなく分かるが、それにしてもかなりの距離です。
途中、用意されたのが自転車であり乗れないからと練習する場面を描くくらいならもう少し時代背景を描いて欲しかった。
そしてやっとワルシャワに到着したと思ったら連絡係が聞いてないどころか名前も伝わっていないのでスパイだと疑われブル将軍に会えません。落下傘の練習をしているときに着地に失敗して腕を骨折し「ギブスを装着している密使が機密情報をもってくる」としか伝わってなかったのです。
ギブスをしていればよかったがワルシャワに到着したときには治っていたのです。
ブル将軍はスパイだから始末しろと命じていたが、
「最高司令官が祖国を捨てて逃げた」という張り紙に激怒しているポーランド人に「ゲシュタポの罠だ」と説得していたことでノヴァクの背後にいたブルの部下はギリギリのところで信用し会えることになったのです。
こうしてワルシャワ蜂起が開始されたわけだが物語は開始して終わります。
ポーランド解放に向けて命を掛けて開始したがソ連の赤軍が侵攻してこなかった理由など最後にテロップでいいから説明して欲しかったな。
映画の内容だけで判断するなら、このままではナチスドイツの支配下のままだが赤軍に捕まっても命はないだろうと判断しています。だから諦めるぐらいならと戦ったわけだが実際にはソ連から蜂起しろと呼びかけられて打ち合わせしていたはずです。
結局、失速しつつあったナチスだが猛反撃に出て蜂起を鎮圧するどころかヒトラーに命じられワルシャワの市街地をほぼ崩壊させています。
結末
ブル将軍と対面したノヴァクはモスクワとテヘランの会議で前線と無関係に占領区域が決まりポーランドはナチスドイツに続きソ連に占領されると伝えます。
連合国は出る幕もなくポーランドを助けるフリをしてソ連に売ったようなものなのです。
軍事的支援は期待できずワルシャワ蜂起をしても小さな騒ぎと思われるだけだが諦めれば国の精神が破壊されてしまうのでノヴァクは未来の世代のためにも戦うべきだと訴えました。
ナチスの手入れが入り一同は隠れるが、これは尾行していたドリスがわざと偶然を装って接触する目的もあったのです。ノヴァクは匿ってあげるが外出禁止時間まで残り5分しかないのにやたら帰ろうとするし、そもそも偶然すぎるためスパイだと見抜きました。
ゲシュタポはノヴァクを捕まえるためドリスからの情報を頼りに向かうが、その日は1944年8月1日でありポーランド解放に人生を懸けたワルシャワの密使・国内軍により攻撃を受けました。