作品情報キャストの紹介
人気高級レストランが舞台。
知事選に出馬中の大物政治家スタンと妻ケイト、かつて公立高校の歴史教師だったスタンの弟ポールと妻クレア。
2組の夫婦は互いに気が進まないのを隠し人気高級店で食事をすることになるが会話が進むにつれ深刻な問題が浮き彫りとなっていく・・・
40カ国以上で翻訳されて国際的ベストセラーになったオランダの作家ヘルマン・コッホ原作をオーレン・ムーヴァーマンが映画化。
◆スタン・ローマン(リチャード・ギア)上院議員
◆ケイトリン(レベッカ・ホール)スタンの妻
◆ポール(スティーヴ・クーガン)元歴史教師、スタンの弟
◆クレア(ローラ・リニー)ポールの妻
ネタバレあらすじ/冷たい晩餐
うつ病で休職中の元歴史教師ポールは「行きたくない」と思いながらも妻クレアの説得もあり高級レストランに向かいます。
ポールの兄である上院議員スタンが三ヶ月前から予約した席であり彼もまた知事選で出馬中だったため気が進まないながらも妻ケイトリンと共に向かっていました。
スタンだけが両親から可愛がられていると思い育ってきたポールは人がカチンとくるような発言をサラっと口にし被害妄想が激しく差別的な発言をしたりします。
後からやってきたスタンは有名議員という事もありレストラン支配人からの挨拶や客とのコミュニケーションに時間を掛け席に着くのにも時間がかかります。
「気まずい沈黙を楽しんでいたところだ」
トゲのある発言をするポールに大事な法案の審議中で多忙であるスタンは会話を聞かれるのを嫌がり支配人を呼んで席を移動させます。
気を取り直しスタンは「美しい妻たちに・健康に」と乾杯するがポールだけは「ディナーが終わることに」と口にしました。
前菜
ポールの言葉のせいで楽しい雰囲気も台無し、せっかくの高級料理も楽しくもありません。またスタンは大事な法案の審議中であり外で待っている秘書から度々お呼びがかかり席を離れます。
秘書は知事選で今のところ票が負けている事を伝え法案の危機な時になんでプライベートの席に着いているのだと聞きます。
スタンとケイトリンには一人息子リックとボーがいます。ボーはスタンと前妻バーバラの子だが養子で血縁関係は無く黒人です。ボーがリックとマイケル(ポールとクレアの息子)に虐められたとき、クレアはしっかり謝るように言ったがポールは「肌の色を利用しているだけだ。肌の色のせいでアフリカが嫌いなら差別だが俺はあの子が嫌いなだけだ」と言いました。
クレアが「ボーは元気?」と聞いたため子供の話を聞きたくないポールは席を外します。
ポールが席に着くと話をそらしたいケイトリンは席を外し彼女をクレアが追います。
スタンは「リック、マイケル、ボーがあの日、パーティーに行ったのを知っているか。妻は全部知っている」と聞くとポールは「妻の病気以来つらい事は話題にしないからクレアは何も知らない」とポールは言いました。
メインコース
スタンと二人でご飯食べるのが苦痛になったポールは席を外すと携帯が鳴りました。息子マイケルのスマホを持ってきてしまったポールは「あと1時間で帰るから」と謝りました。
ケイトリンとクレアが二人で話し合っているのを目にしたポールは「スタンが一人で寂しがっているから戻ろう」と伝えます。
ふとマイケルのスマホが気になり調べると「今夜決行でいいぞ、さっさと済ませようぜ弱虫」とボーからの留守電がありました。また「パパと食事に行って時間を稼ぐ、パパには秘密の方がいい。自転車を使えばうまくいく」とクレアの留守電も残っていました。
マイケルがスマホを取りに来たのでポールは返すが動画をチェックしていました。
~あの日、パーティーに参加したリック、マイケル、ボーの3人は金がなく帰れなくなってしまいました。
ATMを破壊して奪おうと思ったが中にはホームレスが寝ていました。ボーが怖くなってその場からいなくなりマイケルは「弱虫」と罵ります。
マイケルは「どけよおっさん」と突っつくと反抗されたので遊び半分でマッチをこすって投げつけるとさすがにリックはまずいと思い外に連れ出しました。それでもマイケルは窓越しに罵りながら眺めていると火は強まりホームレスは焼死してしまいました。
すべて知っていたクレアが姿を現しマイケルを帰らせたあと「リックのパソコンに動画が納められており、マイケルに馬鹿にされた腹いせにボーがネットに動画を流したの。これからマイケルはボーに口止め料を払いに行く」と言いました。
「俺は邪魔者扱いか、なんで俺だけ知らないんだ」とポールは怒りがこみ上げます。
デザート・話し合い
「もう誰も席を立つな」とスタンは言います。
ネット上に動画が流れ、まだ子供たちの犯罪だとは警察にバレていないがどうしようかと話し合おうとするがポールは「兄貴の小さな頭で考えているパリティ法案って何だ?」とまったく関係ない話をしてきます。
一向に話しが進まないのでスタンは仕方なく「医療費負担適正化法の穴を埋めようとするもので、心の病を対象とした保険を扱う医療保険会社に対し身体の疾患と同等の保険を適応しようとするものだ」と説明するが「俺を潰せ法案か」とポールは喧嘩腰に言います。
ポールがごちゃごちゃ言うので話し合いにもならず頭にきたケイトリン「あんたはおとなしく黙ってなさい」と言い放ちます。
スタンは選挙が終わり次第、息子の罪を認めて公表すると言いました。
クレアは将来ある息子は守るべきだと考え「あれは事故でホームレスが邪魔なだけだっただけ、私たちが子供を守らなくちゃ」と訴えるが当然そんな意見がスタンに通じるわけありません。しかしケイトリンもクレアの意見に乗っかりました。
子供に罪を償わせるのが親の役目だと思うスタンは「立候補を辞退する。法案の可決が決まる明日津煮を償わせる」と言いました。
ケイトリンは「せっかく今まで頑張ってきたのに政治生命を捨てるの?」と驚きクレアは「独断は許さない」と言いました。
結末と感想
クレアはマイケルに電話をするとボーから「金は要らない、罪を償うべきだ」と言われた事を知ります。
ボーが通報しようとしているのを聞かされたクレアは何も話さないポールに「ボーが金を受け取らず通報しようとしている」と伝えました。
その頃、ケイトリンは今まで散々尽くしてきて支えてきたのに政治生命を捨てるのかと怒ります。
「あなたは父親より州知事になった方が貢献できる。そして私なしでもダメな人間になる」
子供たちを必死に育ててきた私への借りはないのかと言われたスタンは「3日だけ時間をやる」と言いました。
スタンとケイトリンは席に戻り「とりあえず今は公にするのを止めた」とクレアに伝えるがポールはスタンの家に押しかけ逃げるボーを追いかけます。
「家族は身内を守るためなら何でもする。傷付けたくないが選択の余地はない」とポールは石を掴んで振り上げるがスタン達が乗る車のライトで躊躇します。
スタンはポールを殴って蹴飛ばしボーを探すが「票が集まり法案通過」と報告を受け喜びます。ケイトリンはボーに電話を掛け、クレアはマイケルに電話し「パパが解決してくれた」と言います。
立ち上がったポールは「サルどもが星の下に集い電話している」と笑って物語は終えます。
感想
はっきり言ってものすごいイライラする。最後まで見た自分を褒めてあげたいぐらい。
ポールは人の話を聞かないし関係ない文句を横やりで入れてくるので見てる側が鬱状態になりそうでした。
根本的にホームレスを焼死させて尚且つ笑って見てるような子供に罪を償わせようとする気持ちすらないのがおかしな話。家で説教すらしていないし。
一番自分の保身を考えそうなスタンだけが一番まともだったと思う。
クレアやケイトリンの訴えは子供にも通用しないと思うほど筋が通らないし見てる側をイラつかせる表情で言い続ける。なんで呑気にディナーを楽しんでいたのだろうか。本当に世界中でベストセラーになったのだろうか。私には文句しか出てこないような映画で出会いたくない作品でした。