作品情報とキャストの紹介
真鍋昌平さんの人気コミックを山田孝之主演で山口雅俊監督が映画化したシリーズ完結編。
ウシジマの元に中学時代の友人・竹本が金を貸してくれと現れます。
友人としては貸せないと言われた竹本は貧困ビジネスに追い込まれていくが首謀者はウシジマに対して過去の恨みを持つ者だった。
ファイナルという事でとても悲しいですがウシジマ君の過去も明らかになり素晴らしく綺麗にまとまっていたと思います。
ネタバレあらすじ/闇金ウシジマくん ザ・ファイナル
貸金業法改正により消費者金融の貸付上限金利が20%になり過払い請求に追われ消費者金融や街金が倒産していきます。
10日5割で貸付けを行う闇金カウカウファイナンスのウシジマ社長のもとに中学の同級生・竹本が金を貸して欲しいと訪ねてきます。
「友人としてなら個人的な金の貸し借りはしない。客としてなら10日5割、高いぞ」
竹本は金を借りずに帰りました。
ウシジマは母親が死んで父親が失踪し、地元に戻ると柄崎率いるヤンキー達から集団暴行を受けます。
ウシジマは”殺られたらやり返す、なめられたら終わりだ”と考え片っ端から復讐していきます。集団暴行に加わらなかった事で柄崎たちに暴力を受けていた竹本は「お終いから始めたら?」と言いました。
小学校の同級生・戌亥は祖父と2人で暮らすウシジマを心配し母親が経営するお好み焼きを食べにおいでよと言います。
既に情報屋として才能を発揮していた戌亥は、柄崎は格闘技やっているから気を付けてと忠告します。
柄崎を呼び出したウシジマは圧倒し容赦なく半殺しにします。後日、柄崎は仲間を連れてやってくるがウシジマは最初に向かってきた奴を殺すと告げると柄崎たちは躊躇し黙ります。
柄崎はいきなり土下座し仲間を助けてくれと言いました。
街で恐れられる鰐戸三兄弟(一、二郎、三蔵)にバックレを理由に監禁され柄崎は10万円要求されていたのです。
「鰐戸の奴隷のままでいいのか?」
柄崎はウシジマに付き合ってもらい鰐戸と喧嘩する決意を固めます。
生きて帰れないと思った柄崎は母親に会いに行きウシジマは母親の形見であるウサギを竹本に預かってもらいました。
襲撃をかけに行ったウシジマは「やる時は徹底的にやれ」と柄崎に語り凶暴な三蔵の頭を金属バットでフルスイングしました。
鑑別所から出てきたウシジマを柄崎は忠誠を誓って出迎え2人して街を出て金融を始めたのです。
暴走族連盟の悶主蛇亞の総長・鮫島に両親に捨てられ天涯孤独だった犀原は育てられていました。
鮫島は傘下に入らなかったウシジマとの抗争により致命傷を受けたあと別の抗争で命を落とします。悶主蛇亞を引き継いだ犀原はその日からウシジマに復讐心を持っていました。
また鰐戸三蔵に言い寄られキスされたため怒った犀原は上唇を噛みちぎり後日家に侵入して催眠ガスを流し下唇も切り落としました。
万里子がイベント会場の箱代にするから300万貸して欲しいとカウカウファイナンスにやってきました。
ウシジマは貸せるのは50万まで!と告げると万里子は「返済出来ない時は風俗でも何でもする」と言いました。
行動で示さないと信用出来ないと言ったウシジマはその時のために風俗用のプロフィール写真を先に取らせました。
イベントは成功したものの10日5割に腹を立てた万里子は過払い請求で金儲けする都陰弁護士を身体を使って味方に付けました。
日雇いの仕事すら失った竹本は野宿していると男に話しかけられ連れて行かれます。
前金で2ヶ月分の家賃5万4千円を前納すれば仕事を貰えるがない場合は月3割の利息で借りることになります。
貧困ビジネスで金を稼ぐのが鰐戸三兄弟でした。
竹本の部屋には、ぼったくりで金を稼ぐ榊原、脱走するのがバレて三蔵に足首を切断された黒田、怠け者の甲本がいました。
朝の朝礼から始まって肉体労働、夜は銅線を盗んだりさせられます。
黒田が足を痛がっているので病院に連れて行きたいと言うと、まずは自分の家賃滞納分を払えと言われます。
鰐戸一はもう一度甲本を連れてカウカウファイナンスから金を借りてこいと命じます。
竹本は同居人の医療費のために5万ずつ貸して欲しいとやってきます。
なんでそんな事するんだ?と柄崎は聞きます。
「損得で物事を決めすぎる。見返りばかり求めてたら自分のためになる事しかしない心の狭い人間になる」
ウシジマは利息は10日で5割だと言い借用書を書かせます。
利息分をぬいて2万5千円ずつ渡すと竹本は10割だと気付き「強欲は罪で下品だよ、人は金の使い方で真価が問われる」と言いました。
「下品な俺から助けられる竹本はどうなんだ?」
こんな奴に金を貸すの止めましょうと柄崎に言われるがウシジマは「金の使い道はどうでもいい、返済すれば問題ない」と言います。
鰐戸三兄弟は12年前(中学生の頃)の恨みをはらすためウシジマから金を奪おうと企てます。
竹本は鰐戸に言われた通り職場の同僚を連れカウカウファイナンスに行き、すべての保証人になるから融資して欲しいと願い出ます。
「砂漠に水をまく事と同じぐらい無意味な親切だ」
人が人を見捨てたら心の貧しさはなくならないと言う竹本に「貸すのはいいが後で地獄みるぞ」とウシジマは言い放ちました。
鰐戸はウシジマを三日間尾行させます。
尾行に参加した甲本は自分達より確実に地道に働いていると気付きます。
返済日になり竹本達の電話がいっさいに鳴ります。鰐戸は甲本他8名に被害の訴えを出させ都陰弁護士に依頼します。
都陰弁護士からの電話に出たウシジマは一回も返済してない者がいるし取り込み詐欺の片棒を担ぐのかと伝えるが違法金融業者に対する返済の義務はないと言われてしまいます。
都陰弁護士は甲本たちや万里子の過払い請求1357万8000円の返還請求を求めました。ウシジマはわざと1375万円?と上乗せして聞き返すと都陰はそうだと言いました。
柄崎や高田は竹本達の会社の寮に行くと偽造だと分かり戌亥に都陰の調査を依頼します。
黒田は普通のサラリーマンだったが売春していた中学生を殺してしまい逃げてきたのです。
事件はもみ消されたが児童売春好きの殺人罪として捕まるぐらいなら死んだ方がマシだからほっといてくれと竹本に言います。
必ず返済すると約束した竹本は携帯を返すよう鰐戸に頼みます。「君らは奪い過ぎた。金銭的な余裕があれば人は少し変われる」だから働いた人の分はしっかり払うよう言います。
竹本はウシジマに電話すると101万2500円持って事務所に来いと言われます。
「強欲は罪だよ。分け合う気はないか…」
「それは貸す側になった事がない奴の言い分だ」
鰐戸はカウカウファイナンスに襲撃をかけパソコンなどを押収します。柄崎と高田は拉致され受付嬢モネは逃げました。
その頃、戌亥は債務者だと偽り都陰弁護士事務所を訪ね会話を録音し事務員が応対している証拠を握ります。
債務整理を得意とするが依頼人への説明は適当であり過払い金の額も適当で勝手に金融会社と和解して儲けていたのです。
戌亥からの報告を受けているウシジマは柄崎からの電話に出るが相手は鰐戸一でした。
「柄崎と高田を返して欲しければ2億用意しろ」
鰐戸一はウシジマを殺して山に埋めようと計画していました。
柄崎や高田と一緒に犀原茜の側近・村井も暴行を受け監禁されていました。
商売が被ってるから手を引けと三蔵に告げに行くと返り討ちに遭い捕まったのです。
話を聞いていた竹本と甲本は誰か1人を逃して警察に連絡して貰おうと思い黒田を村井に仕立て逃しました。
ウシジマは金を持って姿を現すが1億5千万しかありませんでした。ウシジマは母の形見であるウサギが眠るペット霊園に金を隠していたが、それを見付けた竹本に抜き取られていたのです。
柄崎と高田と交換に金を渡すと5千万足りないと指摘されたのでウシジマは偽物の銃を突き付けるが奪われてしまいます。
戌亥が通報した事でパトカーのサイレンが近付いてきます。
「やる時は徹底的にやれ」と言われた鰐戸一だがウシジマに恐怖を感じ金を持って撤退しました。
カウカウファイナンスから押収した客の借用書などを回収するよう都陰弁護士に頼みます。
結末/闇金ウシジマくん ザ・ファイナル
弁護士のフリをしていた事務員は都陰に命令されて取りに行くが途中で戌亥が声をかけ居場所を聞き出しウシジマに伝えました。
三蔵は5千万の在り方を吐かせるため竹本に暴行を加えていたので突入したウシジマはスタンガンで襲いました。
「てめぇウシジマ、どうなっても知らねーぞ」
「自分の心配しろよ、外みてみろ」
鰐戸一は窓を開けると外には犀原率いるモンスターが集結し待ち構えていました。
鰐戸は人質にした村井を見せ付けようとするが黒田だと気付き愕然とします。
鰐戸三兄弟は犀原ひきいるモンスターに徹底的にやられます。ウシジマはその間に金を取り返し逃げた竹本を追います。
竹本はこの5000万で20人に融資して欲しいと願います。
「1人250万ぐらいで何が変わる、簡単に手にした奴は簡単に使う。ダメなやつは簡単には変わらない」
いつか変わるよと竹本は口にすると甲本から電話が掛かってきます。
電話を奪ったウシジマは合法で時給高い仕事を紹介し借金も紹介料でチャラにしてやると言います。
おまえらが見捨てたら全部の負担がかかる竹本を必ず廃人になる時給5万の清掃員に送り込まなければならないと言うと甲本は居場所を告げました。
ウシジマが来ると知った他の者は強くなり全員逃げてしまいました。
竹本はウシジマから携帯を取り5千万を隠しているコインロッカーの場所を伝え「頼んだよ」と言いました。
「5000万作るのに最低5年、下手すれば10年清掃員として働くはめになる。クズを庇って何になる」
「人が見捨てたら何も残らない、さっきも甲本が見捨てずに庇ってくれた。それで充分だよ」
ウシジマに命じられ高田は急ぐが到着するとロッカーの中身はカラでした。金が消えた事ですべての責任を竹本が取る事になります。
しかし金を持って逃げる甲本は犀原に奪われていました。
「ウシジマ…まだ落とし前ついてねぇからな」
都陰弁護士は債務者が無知で馬鹿だからボロ儲けだと笑っていました。
返還請求額が1億超えますとウシジマに連絡するが、ウシジマが柄崎と高田を連れて乗り込んできました。
「テメェなんかに払う金は1円もねぇ」
依頼人と関係を持った写真を見せ職務規定違反だと脅し戌亥が録音したテープを流し事務員が弁護士を名乗る事も違法だと追い詰めます。
都陰弁護士は当然懲戒免職となりました。
戌亥の母親が経営するお好み焼きを食べに行きます。
ウシジマは珍しく元気がありませんでした。
中学生の頃、ただ1人リンチに加わらず母親の形見を預けた竹本を危険な仕事に送りたくはありませんでした。
「僕は行くよ。人間の善意について賭けをして負けたけど僕は死なない。絶対に戻るよ」
竹本の最後の言葉「馨ちゃん、じゃあね」は中学生の頃にウサギを預け鰐戸に喧嘩を売りに行くときに言われた言葉と同じでした。
中学生の頃は人が好きで人を助けるために身体を張って戦っていた事をウシジマは思い出すのです。