作品情報とキャスト
ヴィスコンティ警視は高校生になる息子がドラッグに関与しているのではないかと心配しつつ少年失踪事件の捜査に全力を注いでいました。
少年が暮らすマンションの上の階に住む家庭教師だったベレールを疑うが調べ続けうちに意外な方向へ・・・・
ネタバレあらすじ/警視ヴィスコンティ 黒の失踪
16歳の息子ダニーと連絡が取れないと母親ソランジェから相談されたヴィスコンティ警視は息子ドニが麻薬売買の交渉の場にいて捕まったと報告を受けていたので「思春期ならよくある事だから一晩待って様子見てほしい」とお願いしました。
確認すると確かに交渉の場にドニがしっかり映っており所持品からもヤクが出てきました。
「法律上成人と見なされて刑務所行きで裁判を受ける。仲間の名前を吐けば助かる」
何も知らないと言い張るので大規模な密売組織に深入りしているんだと怒鳴ります。
娼婦と一夜を共にしたヴィスコンティは出勤するとダニーが通う高校から2人がジハード目的でシリアへ渡った事を知り捜査を開始します。
高校で聞き込みをしても情報は得られず家宅捜索をしても過激思想の兆候や武器などはありませんでした。
勧誘者がいたはずだと連絡していると上の階に住むダニーの家庭教師だったベレールが「彼の内面はよく知っている」と話しかけてきます。
捜査に興味があるだけだろうと思い何か情報を得たら署に連絡してくれと伝えました。
ヴィスコンティは息子のSNSをチェックすると売人の中でセネガル人の仕事を請け負ってる男が写真に映っていました。
「週末過ごしただけで関係はない」
一緒に写真に写っていて関係ないは許されないと頭を引っ叩き、運良く釈放となった息子を元妻の家に送り届けるがドニは仲間が集まる方へ走って行きました。
刑事の聞き込みでベレールは「失踪は自分の人生から逃れるための行為だ。ダニーは暗い影を内に秘めた謎の多い少年だったから家出だろう」と発言しました。
ヴィスコンティはソランジェの家にベレールが訪れたと報告を受け何の話をしたか聞きに行きます。
「家出は彼なりの怒りや犯行だ。何かに行き詰まっていたと言われたがそうは見えなかった」
匿名で「森に遺体があるから捜してみろ」と電話があり大規模な捜索が始まるとそこへベレールがやってきました。
「父親が仕事で常に不在、ダニーの妹は知的障害者で母親は世話で手一杯、ダニーは背負うのが重過ぎた。家庭の問題で家族は彼の事を分かってない」
だったら彼はどんな人間なんだとヴィスコンティが訪ねると「言葉のイメージを創り出す能力に長け想像力のある人間だ。僕と似ている」と言いました。
森林から遺体は発見されず撤収となるがヴィスコンティはやたら捜査に首を突っ込んでくるベレールが匿名の電話をしたのではないかと疑います。
署に呼び出し「映像は残っている。意味もなく呼び出したとでも?」とカマをかけるが「拘留の手続きが必要なはずだ」とベレールは言い帰ってしまいます。
同僚マルクから捜査方法が間違ってると責められイライラするヴィスコンティは元妻から「大金と名前が書かれたリストを見つけたら息子が怒って暴力を振るってきた」と電話があります。
いつものBARで飲もうとしていたヴィスコンティは息子と一緒に映っていた男を発見し「路上で仲間と売買するな」と摑みかかるが逃げられてしまいます。
しかし男は売上金を落としていきました。ヴィスコンティは「仲間が金を落としたぞ」とドニの留守電にいれます。
ベレールが地下室を書斎にしている事を夫人から知らされヴィスコンティは中を見せて欲しいと頼むが鍵がないし勝手に入れないからと断られます。
ベレールが帰宅するまで時間潰しにソランジェを訪ねると「息子なら必ず連絡ぐらいはするはずだから家出じゃない気がする」と憔悴しきっていました。
ベレールが帰宅したので書斎を見せてもらうが特に犯人に結びつくものはありません。ヴィスコンティは「あんたにはアリバイはないし、ダニーが失踪しても全く動じてない」と伝えると「彼はずっと前から家出する計画を立てていた」と言い張ります。
ヴィスコンティは帰宅すると家が荒らされており息子の仕業だと気付き「麻薬捜査班にタレこんでやる」と留守電にいれます。
署に行くと貨物船で整備士をするソランジェの夫アルノーが訪ねてきました。
息子は海軍士官学校を志望してたが母親が反対し不満そうだった事しか家出する理由は思い付かないと言いました。
ベレールは地下の書斎に行って「僕は姿を消したけど前から消えていたともう分かるでしょう。お父さんとお母さんに僕の違いは分かるまい。自分の惨めな欠点に近づくようにと2人は僕の人生が失敗するよう願っていた。これ以上2人と暮らすことは想像できない。ダニーより」と書きポストに入れます。
ヴィスコンティは書斎から出てくるベレールを目撃していたがダニーの鞄が森林で発見されたと報告を受けます。
署に急いで戻るが血液も違法な物質も未検出で捜査に使える指紋がなかった事で新たな手がかりとはなりませんでした。
鞄が出てきたのは父親が帰宅してからであり、失踪した日は母親の話では父親が仕事に出たあと。失踪した日の朝ダニーを見たのは母親だけであり通学中の姿は誰にも目撃されていない。
その事から母親の供述を信用しすぎていないかとマルクに言われるが恋心が芽生えていたヴィスコンティは「最初から怯えていたし彼女は嘘をついていない」と返しました。
ヴィスコンティのベレール捜査には何の進展もなくソランジェは無実だとゆう証拠もないのに断言している事から上司はマルクを捜査担当に指名しました。
ヴィスコンティは息子を発見し引張叩きます。
ドニはヤクで稼いだ金で仲間と使用していると白状しました。
金は麻薬捜査班に渡したから自分で話せと伝えると「金は諦めろと仲間に言えと?」とドニは怒り出します。
「最初から父親なんて思ってない」と言われたヴィスコンティは「自分で解決しろ」と言い放ちその場を去ります。
ダニーの部屋にあったベレールからの贈り物である小説(カフカの城)には「親愛なる友よ〜…」とメッセージが書かれていました。
生徒に対する呼び方ではないと気付いたヴィスコンティはダニーとベレールはゲイではないかと疑います。
母親が家庭教師を辞めさせたのはゲイであると疑える場面を目撃したからではたいだろうか。
ヴィスコンティは24時間徹底して監視しているとベレールが夜中に出掛け森林に入っていき男と会っていました。
ベレールが帰宅すると夫人が勝手に日記を読んでいました。
「ダニーがどう死ぬのか書かれているけど…」
「ダニーと彼の両親を小説の材料に使ったんだ」
ベレールはゲイであるダニーが森林で男たちと会っている情報を仕入れ彼と殺人犯の視点から物語を書いていました。
また実際に警察がどうやって捜索するのか見たくて匿名の電話をかけていました。
彼が両親に書きそうなことを想像して書き、手紙を読んだ父親の顔から血の気が引くのを見て自分は間違いなく小説を書く才能があると喜びます。
嬉しそうに語り始めたベレールを見て夫人は「あなたがした事は残酷で卑劣だ」と涙を流します。
結末
妻に責められ出頭したベレールは「匿名の電話と手紙を書いて送っていたのは自分です」と白状します。
手紙の事を始めて聞いたヴィスコンティは彼が書いた小説を読みマルクに報告してソランジェの家を訪ねます。
「ダニーからの手紙なのになぜ警察に言わなかったのか?ダニーが書いたのなら生きている事になるが何故隠すのか?」
ダニーは知的障害者である妹に性虐待をしており父親は取り押さえようとしたが息子は正気じゃなく殴ってきました。
父親が押しのけるとダニーは後ろに倒れ、頭を床に打ち付けて死んでしまったので仕事に行く途中で森林に埋めたのです。
〜
ヴィスコンティはソランジェの面会に行くがベレールとばったり会います。
ベレールは手紙を書いた事を謝罪しに来たが「家族とやり直す約束を破ってでもこれからも小説を書く。書く事に囚われている」と言いました。
「あんたの治療は本当に終わったのか?」と聞くと「僕の手紙があったから警察は事件を解決できたんだ」と勝ち誇って言いました。
ヴィスコンティはタバコを消してその場を去ります。
娘を助けるためにした事で過失致死罪が適用されるから減刑にはなるが出所したら厳しい現実が待っている。
ヴィスコンティは「あなたと娘さんが生活できるように自分で良ければ協力する」と伝えるとソランジェは「娘に手を出したのは夫なの……でも娘は喜んで望んでいた」と真実を明かしました。
「共謀した罪に問われたら娘に会えなくなるがいいのか?」
「あなたは私の苦しみにつけ込んだ。娘は見たまま話すだろう。夫を私にも娘にも近づかせないようにして」
感想
なんかいちいち回りくどいし意味不明な行動も多い。無駄に長い感じ。
ヴィスコンティは離婚して寂しさからアル中にでもなったのだろうが警視の立場でありながら見た目が汚らしいし職場でも普通に酒を飲むのはありえない。聞き込み先でも酒を催促するし元妻の写真は舐めるしソランジェを口説いてお願いして身体を重ねるし正直見るだけでも不愉快にさせる。
それに自分の息子との関係も中途半端でなんにも解決していないし何処かで繋がりもしない。
ベレールの人格を見てるだけでも不愉快なのに余計な話がちょこちょこ入るし本当に早く終わってくれと思いながら見てた。
せめて息子ドニかアル中を抜きにしてダニーの失踪、怪しいベレール、この捜査だけなら話は面白かったかもしれない。