作品情報/キャスト
中国では伝説的な人物として知られる鬼谷子を描いた本格歴史大作
魏国の宰相・王錯は奴隷廃止の変法を進めていたが逆恨みする者の悪計により一族が滅ぼされてしまう。生まれたばかりの王錯の息子・王禅は侍女・鍾萍によって助け出され母子として生活していると10年後に王錯の友人・史太皓が現れ故郷である魏の都・大梁へ移り住む。孫子兵法の研究を深めながら成長する王禅は魏王に認められ政策を助言する存在になっていく。周辺国との騙し合いで一触即発の攻防を繰り広げるなか民のため乱世を治めるべく動き出す。
ネタバレあらすじ/鬼谷子
第27話・情けなき罠
太子が自害したと報告を受けた魏王は遺書を読み王禅を呼び付けます。
太子の自害は嘯公(姫元伯の命令)に唆されたことで起きた悲惨だが我が子が命を犠牲にしてまで秩序が乱れると訴えた事で魏王は何の代償なんだと激怒します。
王禅は「魏国と宗室のためです」と答え、変法を成し遂げたら命を差し上げるので太子に捧げてくださいとひれ伏します。
魏王は悲しみをこらえながら「利を共に、共通の利なしに事は謀れぬ、我らが歩のは同じ道、抱くのは同じ信念」と自分に言い聞かせるように吐き出します。
太子が亡くなった事で魏は勢いが鈍っているが楚は短期間で兵力を増強し前進を続けています。
楚の呉起将軍は戦に勝利して覇を唱えるために変法を企てているので野心を押さえ込まなければと王禅は考えます。
しかし呉起が人望を集めていることに納得できない楚の太子一派は権力を奪われると警戒し毒を盛って死の淵に追い込みました。失速を余儀なくされた楚王は激怒し下手人の行方をつかんだら始末しろと命じます。
王禅と魏王を離間させたい嘯公は王禅の友人を始末するべきと考え許弋の店で暴れるよう息子・西和に命じます。
許弋と姮娥だけは狙うなと告げていた姫元伯は嘯公が従わないので逆に西和が命を落とし許弋を牢に入れるよう企てます。許弋が手にしていた剣に西和が足を引っかけられて突っ込むかたちとなってしまい騒ぎの報告を受け駆け付けた王禅は驚きます。
殺人の疑いがある場合は尋問しなければならないので王禅は許弋を牢に入れます。
第28話・最後の大芝居
「法により下手人には厳罰を与えるべき」と嘯公は魏王に訴え、民衆にも知れ渡るように騒ぎを起こします。
王禅は屋敷を囲まれると想定し誰も入れるなと命じると西和の棺だけが置き去りにされました。魏王に呼ばれた王禅は棺を無視して足を運び「事故であるので死罪には値しない」と告げます。
嘯公は変法の最大の抵抗勢力であるため早く手を打つべきと言われるが新法が公正さを欠くものとなってしまいます。
新法を刻んだ石碑が倒されたと報告を受けた王禅は駆け付け「罪なき者は罰せず、法を犯した者は決して見逃さぬ」と告げると民たちから信頼されていたこともありすぐに人望を取り戻します。
そして「新法を推奨する者が法を犯しては本末転倒だ、次は厳罰の処す」と告げ民たちを下がらせると石碑を倒した者(姫元伯の命令)もどさくさに紛れて姿を消します。
王禅は牢にいる許弋にご馳走を運んで食べさせると「妻を娶り平穏に暮らしたいだけだったのに何でこんな目に遭うんだ。黙って見送ってくれ、生涯で一度ぐらいは役に立ってやる」と言われ思わず涙をこぼします。
王禅は首吊りのロープにフックを掛けて命を助け大梁から逃がそうとしていたが許弋の様子がおかしいと気付きます。向かおうとすると魏王に腕を掴まれ「そなたの筋書きは許弋から聞いた、国に報いたい願いを叶えてやろう」と言われます。
許弋の両親は師匠である史太皓のせいで亡くなり、許弋は自分を守をうとして死罪になってしまい姮娥は悲しみに暮れます。
第29話・2つの変法
許弋を助けるつもりが本人が望んで処刑を受け入れてしまい王禅はショックを受けます。
助けると約束していた事で姮娥から「何の罪もないのに」と責められます。黙って埋葬し「命を捨てて新法を守ったお前は敬服すべき男、しかし魏王は会盟の頃の大王ではなく権力を選んだようだ。これから魏のために決断を下す」と心で訴えます。
西和を失い悲しみに暮れる嘯公は姫元伯の謀で息子が命を落としたのだと知り怒りをぶつけるが「息子を殺したのは魏の新法、そして私に強要していい者などいない」と逆に詰め寄られ腰を抜かしてしまいます。
楚王は呉起将軍に毒を盛った侍女を館に呼ぶよう指示した大司寇を呼び首謀者を吐かせようとします。太子が恐れるなか呉起は大司寇の背中を剣で突き刺し「誰の仕業かは重要ではないので追求はしない」と訴えました。
楚王は呉起の気持ちを汲んで変法を進め、庶民や奴隷に富と自由を手に入れる機会を与えます。
それには兵役に加わる事が条件だと知った王禅は田畑で獲れた作物は兵糧として徴収されるので軍隊を強大にするものであり暮らしは厳しいままだと思います。
呉起を排除しなければ太平はないので楚王の暴政に不満を持つ庶民や奴隷達と連携を取るよう孫吉に託します。
そして引き続き周の情報は天子の側近として潜入している田青に任せます。
王禅は「許弋の命で新法は命を繋いだが魏では貴族の妨害で進められない、呉起を始末して楚の変法を阻むしかない、楚に向かうので宰相の職をといてください」と大王に告げます。
第30話・賢夫人
韓の公主・今淑は潜入して魏王に色仕掛けを仕掛けます。今淑が王宮に入ったと報告を受けた王禅は酔ったフリして急いで向かいます。
「韓の兵力で魏を助け楚を滅ぼす策を練るために来た。輿入れを待つ身なので魏王のお目にかなえば幸いです」
王禅は楚の太子と婚約している身で魏王と婚姻を結べば魏への宣戦布告する口実を与えるし、そもそも魏を助ける兵力には数に限りがあると笑います。
「婚姻を結んだら諸国の均衡が崩れ燕や斉も黙ってはいないはず、戦が起こるでしょう。魏は燕と斉にはさまれており韓の敵である趙と秦は楚についてしまう」
今淑の色気にデレデレしていた魏王はかろうじて王禅の訴えで正気に戻りつつあります。王禅は呉起を始末するためのの策を教えても今淑が魏王を狙うので袖を掴み「一緒に楚に来て欲しい、楚王と呉起を離間させろ」と訴えます。
しかし今淑は「この作戦には女が必要、そして呉起を騙すなら魏王との仲間割れだけでは足りないから姮娥が魏王に嫁ぐべき」と言いだしました。
魏王は今淑の提案を受け入れ「君子の礼を守り手を出さない」と約束して姮娥を娶る事を決意します。また姮娥も「王禅が楚から無事に戻るために必要」と今淑に説得されます。
魏王の文を読んだ王禅は急いで戻ると既に婚礼が行なわれていました。楚の使者もいるから演じろと耳元で言われるが愛する姮娥をほっとく事などできません。
しばらく会えなくなるから二人で話がしたいと訴え「楚へは行かず大王も裏切る、手放したくない」と姮娥に訴えるが・・・
第31話・偽りの別離
王禅は愛する姮娥に説得を試みるが彼女は自分の腕を斬り「これで楚に行っても安全」と言います。自害しようとするので王禅は悲しみをこらえ逃げるように去り今淑をひっぱたき共に楚に向かいます。
魏王は状況を見て察知し「王禅を捕らえよ」と叫び反目したことを楚の使者に見せつけます。
道中、今淑が毒蛇に嚙まれてしまった事で王禅は慌てて口で吸い取ると意識朦朧としていた今淑は笑みを浮かべながら気を失います。追っ手がいるので馬車を先に行かせてから今淑を医者のもとに連れていき看病するが意識が戻る彼女は視力を失っていました。
王禅は猛毒を猛毒で消すため一か八かの賭けに出ます。今淑は「目が治れば利用価値があるし亡くなれば望んでいたこと」と言われ悲しみながら飲み干し激痛に耐えます。