作品情報キャスト
ウイグル自治区の大草原でロケした群雄割拠する戦国の地「九州」で戦乱の世を治め青年から英雄まで上り詰める中国ファンタジー超大作。
群雄割拠する九州で北陸の草原の真顔部が青陽部によって攻め込まれる。殺された真顔部の首領の息子・阿蘇勒は捕らわれるが連行される途中で自分が本当は青陽部の王子であり災いの星のもとに生まれたため養子に出されていた事実を知る。
青陽大君である実の父の呂嵩から呂帰塵という新たな名を付けられ同盟を固めるため人質として東大陸の下唐国へと送られる。そこで没落貴族の姫氏の庶子として生まれながらも戦士として名を上げようとしていた姫野と寧州の羽族に生まれるが国を滅ぼされ叔母とともに下唐国に身を寄せていた羽然と出会う。次第に固い絆で結ばれる3人だが戦乱の世の過酷な運命が待ち受けていた。
皇族達が治める下唐国、異民族の青陽部、虎視眈々と天下を狙う離国、動乱の世を治め英雄となるのは?!
ネタバレあらすじ/九州縹渺録
第39話・連合軍の思惑
殤陽関は守りやすく攻めにくいが連合軍を掌握しようとする白毅は各国の軍印を預けてくれたら3日以内に軍令を下すと告げます。
従うことに難色を示す各国の将軍だが殤陽関を破る策があるのだと信じる息衍が軍印を渡した事で任せることにしました。また激励に訪れていた百里寧卿も連れてきた騎兵の指揮権を委ねました。
白毅は先帝から賜った御殿月将軍の印と舞陽侯の印を置き、「7万の兵を動かせる事になった楚衛が嬴無翳の首を取るため皆と共に戦う」と告げます。
翼天瞻に連れ去られた羽然は隙を見ては逃げ出すが簡単に捕まってしまいます。
羽然の父親は羽族の各城を束ねる首領であったが15年前の内紛で命を落としました。羽皇の娘は姫武神を受け継いでおり青州の民を救うと伝えられていました。
翼天瞻は羽然の舞を見て公主だと確信したのです。天駆とか羽人とか名乗っているが父親を殺したのは誰かと聞いても教えてくれないので公主だと言われても羽然は信じられません。
すると翼天瞻の背中から大きな黒い翼が現われ「羽人にはそれぞれ双翼があるので必ず持つ事になる。すべては青州に行けば分かる」と言われます。
殤陽関にいる姫野は「あの娘を捜したいなら止めない」と嬴玉から逃げ道を教えられるが捜す当てもないし危険な場所に阿蘇勒と白舟月を置いていけないと断ります。
すると兵士たちが次々と痙攣を起こし調べると数基の井戸から猛毒が見付かりました。
その頃、息衍は「戦が終われば敵となるのは承知しているが協力しなければいけない時に百里寧卿だけはどうも信用できない」と告げるが風向きが変わったのを確認した白毅は軍令を下します。
殤陽関に次々と火玉が投げ込まれると嬴無翳は7万の連合軍と正面から戦うしかありません。
嬴無翳が門を開け一気に雷騎を出動させると姫野は嬴玉を守るため戦いにます。連合軍を蹴散らして突破するがあまりに簡単なので妙だと思っていると白毅の山陣が出現しました。
「正面から戦うから脇から突破しろ、娘を守れ」
姫野は最後まで共に戦うと訴える嬴玉を後ろの乗せて馬を走らせます。
第40話・激戦の痕
連戦連勝だった嬴無翳は今回は離国に戻れる保証はないが付いてこないと士気を高め一列縦隊を組んで突き進みます。
側近を失い胸に矢が突き刺さりながらも嬴無翳は正面に現われた白毅と息衍を抜けて突破に成功します。東大陸を手に入れればすべてが離国となり故郷になるので戦死した者を連れて帰る事はしませんでした。
嬴無翳を見逃した事を白毅に責められる息衍は「辰月の雷碧城が天下を制圧した際に天駆に代わり対抗できるのは嬴無翳だけだからだ」と伝えます。
白毅は各軍を殤陽関に駐留させるが嬴無翳が出陣の際に兵糧庫を空にしていたのでどうしたらいいか考えます。連合軍の兵糧もつき負傷兵の数も多いが諸侯は天子の許しがないと帝都に入れないので助けを求める事も出来ません。
帝都に戻る百里寧卿を呼び止め「3万が亡くなり2万が負傷している。兵糧は空で残りの4万も頼るしかない」と告げると天啓に戻り長公主に復命したら物資を送ると言われます。
白毅は馬車の前に立ち塞がり「長公主殿下には奏状で」と告げ城内に戻させます。
嬴玉を守った姫野は阿蘇勒と白舟月が閉じ込められている地下牢の鍵を受け取り馬を走らせます。
その頃、阿蘇勒たちの前に陳国の将軍が現われます。「精鋭に守らせまずは帝国に送りします」と言われ陳国も長公主の支配下にあるのだと気付き「白舟月の帰る場所は楚衛だ」と阿蘇勒は立ち塞がります。
気付いた息衍が助けに来るが血液を目にした阿蘇勒はまたもや乱心し次々と斬っていきます。息衍に「私だ、思い出せ」と必死に訴えられ共に戦場にいた事を思い出します。
姫野は殤陽関に到着すると嬴玉を守って戦っていたので牢に入れられてしまうが白毅に阿蘇勒たちを守って欲しいと鍵を渡すと無事だから大丈夫だと言われ安堵します。
羽然は翼天瞻が食糧を調達している隙に全財産を渡し文を殤陽関に届けるようお願いしました。
青州に向かっていると刺客が現われ「羽族は逆賊を許さない」と襲いかかるが翼天瞻が返り討ちにしました。
第41話・連合軍の選択
翼天瞻は参内したときに羽然の父・羽皇が絶命しているのを目にしたが自分の矢が突き刺さっていたことで反逆者となってしまいました。
青州を脱出し天駆になったと伝えると証拠はあるのかと羽然に聞かれ「ない」と答えます。証拠はないが南淮や帝都でやったことはすべて天駆を掌握したのち青州に攻め込むためだと事実を伝えます。
「邪魔をするものは大宗主を含め全員始末した、村に行ったのは記憶を取り戻したらすぐに始末するためだ」
老いたことを実感する翼天瞻は故郷にもどる事を決めており「これ以上危険に巻き込みたくない、異郷の地で平凡で穏やかに暮らせるならそれもいい」と羽然に伝えます。
ここで解放するつもりなら最初から羽族の話などするなと言い放ち共に青州に向かうため舟に乗り込みます。
殤陽関に留まる連合軍の傷兵営では傷兵たちが邪悪な毒虫にむしばまれ赤牙と化していました。
邪悪な秘術によって感染している事が分かり白毅は封鎖を命じやむなく傷兵を焼き殺しました。まだ感染していない傷兵もいた事で阿蘇勒や白舟月は心を痛めます。
翌朝、殤陽関は赤牙に包囲されており阿蘇勒はその中に雷碧城がいるのを見て不吉な予感を抱くと「すべてを継承する、辰月を率いて新しい時代の幕を開けるのだ。天下を燃やし尽くせ」といわれた事を思い出します。
阿蘇勒は気を失って倒れてしまいます。
白毅は「変事が起こる事をどうやら知っていたようですね」と帝都に帰ろうとしていた百里寧卿に告げると「こんな未曽有の出来事は予期できません」と言われます。
長公主が百里寧卿を案じて兵糧と薬を送ってくれれば解放すると告げ扉を閉めます。
その頃、赤牙が殤陽関を包囲していると長公主から知らされた宮羽衣(羽然の叔母)は帝都に赤牙が入ることだけは避けねばならないと告げます。
すると百里景洪(下唐国主)が自ら兵を率いて帝都に到着しており謁見を求めてきました。
「辰月の秘術により殤陽関が赤牙に包囲されている状況で白毅が4万の軍勢を率いて天啓に非難してきたらどうしますか?北門だけ手薄にしているのは大乱を起こす気でしょう」
天啓と長公主を救うためにやってきたのだと百里景洪は告げると「殤陽関で白舟月を見たら殺してくれ」と言われます。
第42話・死闘の末に
すべてを思い出す阿蘇勒は幻の世界で「帝都で殺され蘇りそなたの駒になったのか」と雷碧城に訪ねます。
「体内には毒虫が仕込まれており赤牙大軍の陣主でもある。戦場の数万を生かすも殺すも世子の肩にかかっている」
「白毅が出陣を前に話があるようだ」と白月舟を迎えにきた費安を目にし、姫野は「白将軍が貴殿を差し向けるわけない」と止めるが押し入られてしまいます。
白毅に従っていたら全滅してしまうので白舟月を人質にして突破しようとする悪計を思い付いたのです。
目を覚ました阿蘇勒は白舟月に突き出されていた剣を掴むと息衍たちが駆け込んで来て助けられるが感染した費安から毒虫が放たれた事で陣主は阿蘇勒なのだと連合軍に疑われます。
陣主を殺せば赤牙を抑えられるので皆が剣を抜くなか息衍や白舟月、姫野が止めに入ります。
阿蘇勒は自分で決着を付けると告げ赤牙の集団の中に割って入っていきます。
阿蘇勒が一人で雷碧城を殺そうと戦いを挑むのを見て息衍は「大宗主を守れ」と独断で命じると白毅は全軍に続けと命じます。
阿蘇勒が雷碧城に勝利すると赤牙は全員倒れ陣主は阿蘇勒ではなかった事が証明されました。辰月に惑わされて阿蘇勒を殺した者たちは安堵します。
息衍は「あれが天駆の大宗主だ」と白毅に伝えます。
北門に陣取っていた下唐軍を帝都に撤退させた百里景洪(下唐国主)は計画通り天啓城の兵権を手に入れ方伯の称号と太清宮に入れる権利を要求します。
下唐に戻るよう命じられていた息衍は「南淮には戻らず故郷に戻れ」と眠っている阿蘇勒に告げ去って行くと他の国も殤陽関を後にします。
楚衛国の白毅は百里寧卿を解放しようとしたが断られてしまいます。