作品情報/ゲームの名は誘拐
東野圭吾によるノンストップミステリー
敏腕広告プランナーの佐久間はクライアントの葛城にプロジェクトを潰されます。
葛城邸に出向いた彼は塀を乗り越え家出してきた葛城の娘と出会い、ゲームの達人を自称する葛城のプライドをズタズタにするため娘を人質にした狂言誘拐を企て3億を奪う事に成功する。
しかし、ニュースで行方不明だとされる娘の顔が別人だった・・・。
ネタバレあらすじ/ゲームの名は誘拐
広告プランナーの佐久間駿介は新車のキャンペーンのプランを組み立てたが新しく副社長に就任した会長の息子・葛城勝俊に「先が見える人と話したい」とプロジェクトをつぶされます。
今まで自分が組み立てたプロジェクトで売れなかったことはないのでプライドを傷つけられた佐久間は飲みに行きます。そして葛城会長の屋敷を見て見たいと思いタクシーで向かうといきなり塀を乗り越えて飛び出してきた女性がいました。
女性を尾行すると何やらホテルに泊りたがっていると分かり声を掛けると「名前は樹理」と言いました。
愛人の子である樹理は母親や異母兄弟から嫌われ、妹の千春と喧嘩して居心地が悪く家を飛び出したが金を持っていませんでした。
佐久間はホテル何日か分の宿泊料を払ってあげます。
葛城勝俊は遅刻して出勤します。
”今回の計画中止で迷惑をかけている事は承知しているがギャンブルをするつもりはない、商売のゲームであり絶対に勝たなければいけない”
自分が必死に組み立てたプロジェクトをギャンブルだと??
樹理は相続は貰うが家には戻りたくないと言っていたので佐久間は誘拐ゲームをしてやろうじゃないかと思います。
佐久間はFAXで脅迫状を送ります。
「葛城樹理を預かった。返して欲しければ3億円を用意しろ」
自動車のマニアが使用するHPの掲示板で互いにしか分からない隠語を使いやりとりをして見事に佐久間と樹理は3億円を手に入れます。
しかし・・・
樹理を返しても「私の愛車はどうなっているのか?お金を払ったのに何の連絡もないのはどうなっているのか?」と隠語でまだ続いていました。
とりあえず樹理を探さなければと思った佐久間は横須賀に行った時にアメリカに行っている友達の家があると言って寄った事があったので向かうがそこは女性専用マンションではありませんでした。
そのように言われたから入らないで待っていたわけだがポストに男の名前があったので嘘だったのだと気付きます。
葛城勝俊の長女、樹理が行方不明!!
ニュースを見て驚く佐久間、それはテレビに映る女性は知っている樹理の顔ではなかったからです。
次女の千春が通う高校に行くと樹理が行方不明の時から病欠で休んでいる事が分かるが千春の写真を見せて貰うとそれは今まで自分と会っていた樹理でした。
結末
横須賀で本物の樹理の死体が発見されます。
佐久間は掲示板に「内容はご存じだと思うので連絡をくれ」と書きこむと部屋のスペアキーを盗んだ樹理、いや千春がやってきます。
千春は樹理を殺してしまい死体を見た両親がなんとかしてくれると思い家を飛び出しました。
佐久間から誘拐ゲームの話があり千春は勝俊と相談してそれを利用したのです。
横須賀へ佐久間を行かせたのも樹理の死体を埋めるためであり佐久間がその場にいた痕跡を残させるため。
ファミレスにいた時に車を悪戯したのは千春の母親であり、横須賀の丘で千春に誘惑されたのは精液や毛髪を手に入れるためだったのかと分かります
睡眠薬入りワインを飲まされた佐久間は眠ってしまいます。
しかし・・・
樹理殺しの罪を着せられ殺されると思っていた佐久間はそれをよんでいました。
目を覚ました時には目の前に葛城勝俊がいて最後のカードを見たかったと言われます。
佐久間の最後のカードは樹理と名乗っていた頃の千春が、佐久間のために作った料理をトレイに載せて運んでいる写真でした。
感想
東野圭吾さんにしては珍しくストレートな話で捻りがないミステリーでしたね。
最初から「愛人の子で部外者」と説明され「本人なのか?」と思ってしまったし(^^ゞ
・・・にしても最後のカードの意味が分からないのですが。