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薬丸岳原作「死命」読了・ネタバレあらすじと結末/ 余命宣告された刑事と快楽殺人犯

 

作品情報/死命(薬丸岳)

死を宣告された刑事と犯人!!

余命を宣告されても最後まで刑事でいたいと事件を追い続ける者が、

余命を宣告された事で快楽殺人への欲求に目覚めてしまった犯人に罪を償わせる事が出来るのか?

殺人衝動に悩みながら人生を歩んできたものが余命を宣告してくれた医者に感謝し動き出してしまう。

ちょっとおぞましい話ですが、

犯人は何故、快楽殺人に目覚めてしまったのであろうか?

途中で休憩を許さない、一気に読ませてくれる薬丸岳さんらしい一冊です。

皆様は余命を宣告されたらどうなるでしょうか?

隠れていた欲求が動き出す・・・なんて事はだめですよ。

 

ネタバレあらすじ/死命

大学時代のサークルメンバーと久しぶりに集まり、そこで真一は大学時代お付き合いをしていた澄乃と8年ぶりに再会します。

真一は澄乃が忘れられず独身だったが澄乃は圭介と結婚しその後離婚していました。

大学時代、愛し合っている途中で何故か真一は無意識に澄乃の首を閉めてしまい、驚いた澄乃は咄嗟に近くにあった物で殴り家を飛び出しました。

それから会ってはいなかったがどうやら澄乃はあまり気にしていないらしく真一はほっとします。

 

真一は末期の胃癌だと告知されてしまうがその事がきっかけで昔から抱いていた願望(性行為の時に女性の首を絞めて殺してしまいたい)が動き出してしまいます。

連続殺人事件の始まりである。

一方、警察のアオイ凌も末期の胃癌と宣告されていました。

30年間仕事一筋だった凌はすでに亡くなっている妻のためにも最後まで刑事でいたいと仕事に力を入れます。

捜査を続ける中で目撃情報から犯人は耳があまり聞こえないのでは?と刑事の勘が働きます。

そう、真一は補聴器を付け口の動きを読んで会話をしているのです。

 

真一が末期のガンだと知りそばにいる決意をする澄乃だが、

真一の謎の行動と大学時代に首を絞められた事は何か関係あるのではないかと思うようになります。

また胃癌を宣告されてから3億円の豪邸を真一が購入した事を知り、

今現在高級マンションに住む真一が何故・・・行ってみようか・・・考えていると小学生の頃の嫌な記憶が蘇ります。

真一と澄乃は一時ではあるが小学生の頃同じ町に住んでいました。

仲良かった真一と澄乃はいつものように廃小屋で話していると外から声が聞こえてきました。

そこで見たものは真一の父親と澄乃の姉の性行為である。

お互い見なかった事にしようと約束したが澄乃は真一の母親だけに話してしまいました。

それから真一の様子がおかしくなり心配で真一の家に行った澄乃はとんでもない事を目撃し後悔します。

そんな事を思い出しながら豪邸を見に行った澄乃は犯人が真一だと気付くのであったが警察に連絡をしている最中に車にひかれ命を落とす事になる。。。お腹の中には赤ちゃんがいました。

 

結末/死命

一方次々と連続快楽殺人をする中で小学生時代の記憶を少しずつ真一も思い出します。

後手に手錠をはめられ母親から性的虐待を受けていた真一は窓から覗く澄乃と目が合ったのです。

さらに父親からは暴力による虐待をうけていました。

真一は澄乃から謝罪され、その時に「次なんかされたらこれで・・・」とナイフをわたされていました。

 

すべて思い出した真一、

自分が何故快楽殺人に目覚めたのか?何故耳が悪いのか?・・・・

もう自分の命が長くない事を知る真一は最後に母親を殺しに行くのであったが自分と同じように「先がない」事まで調べあげ行方を追っていた凌に捕まってしまいます。

最後は母親を殺しに行くと「刑事の勘」が働いたのである。

 

死ぬのが怖くない真一にたいしてどうやったら罪を償わせる事が出来るのか。

最後に凌はベッドにいる真一に澄乃の最後の伝言を伝えました。

「あなたの事を待っている、子供と一緒に待っている、」

本当は、
「あなたと出会わなければ良かった、そうしたら愛する事もなかったのに・・・」なのに。

 

小説/BOOK
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