作品情報・キャスト
米ソ冷戦時代に米国に亡命したソ連人サーシャは置き去りにせざるを得なかった妻カティヤを心配し続けているが彼女は同僚のミーシャと組み国家機密を流す米国スパイだった。
・・・年老いたサーシャは彼女の運命や秘密を知っていく。
ネタバレあらすじ/レッド・エージェント
米ソ和平使節団の会合でソ連外務省アレクサンドル=サーシャは国務省のヘイブンに声をかけられ「食後に抜け出して厨房へ」と指示されます。
ソ連代表団の者は1人にしてはいけない決まりがあるためサーシャはトイレに行くふりをして一気に駆け出します。
厨房を通って外に飛び出すとヘイブンが車を待機していて乗り込むが妻カティヤとは音信不通だと知らされます。
妻がいないなら残ると訴えるが引き返すことは不可能でありサーシャは妻をソ連に残し亡命することになってしまいました。
アレックスと名前を変え会社を経営している老いたサーシャは今でもカティヤの写真を飾り自分を責めていました。
姪のローレンが展示会への出品を夢見てモスクワに行くと言い出しサーシャは危険な国だから止めるよう説得するが聞いてくれません。
サーシャはカティヤとの思い出を振り返ります。
副外務大臣の上級秘書を務めるサーシャは同僚ミーシャに連れられ飲食パーティーに参加すると学校の管理者をするカティヤと出会います。
政府高官の妻にはふさわしくないと忠告されるがサーシャは一瞬で恋に落ちました。
カティヤの両親は反スターリン主義を掲げ処罰され兄はアメリカに亡命したため11歳から1人になったと言います。
ディミトリ大臣はサーシャと付き合うようになったカティヤを調べており学校で両親を非難していたため道は誤っていないようだと言いました。
サーシャはカティヤと結婚し幸せな日々を送るが情報が漏れ出し問題になっている時に彼女から告白されます。
「両親が処刑されてから体制との闘いを望んでいた。アメリカのために何年も働いてきたスパイよ」
スパイだから結婚したのかと怒るサーシャにカティヤは本気で愛していたから結婚し真実を話したのだと言います。
「米ソ和平使節団の会合の時がチャンスよ。私もサーシャが持つ情報を渡して国を出る」
このままだと2人とも処刑されると思ったサーシャは2人で亡命する事を誓ったのです。
展示会の準備をしていたローレンは反汚職派のマリナ政治記者からインタビューの依頼が入ります。
カティヤの肖像画を出品したローレンはスパイだった彼女を調べたくてモスクワに来た事を告げるとマリナは手伝うと言ってくれます。
資料を調べるとサーシャの親友でありカティヤの上司でもあるミーシャがモスクワで存命だと分かります。
その頃、サーシャの元にFAXが届きます。
「姪を送り込むのではなく過去と向き合って マリナ」
ローレンはマリナと一緒に住所を調べミーシャを訪ねます。
「カティヤをスパイにしたのはあなた?」
酒に溺れ落ちこぼれていたミーシャは覚えてないと突っぱねていたがローレンが姪だと知ると「サーシャは妻を置き去りにした奴だ」と言いました。
ローレンは「サーシャは命を懸けて愛した者を置き去りにし死なせたのは自分だと毎日責めている」と伝え真実を教えてほしいと連絡先を置いて去りました。
結末
サーシャがモスクワまでやってきます。
ローレンはマリナを紹介するとFAXを送ってきた奴だと分かりサーシャは「姪に近付くな」と怒ります。
するとマリナは「お久しぶりです叔父さん。私はディミトリ大臣の娘です」と言いました。
ディミトリはサーシャの亡命後に処刑されておりマリナはサーシャを調べるためにローレンに近付いてきたのです。
カティヤを救うことしか頭になく残された者がどうなるか考えていなかった事をサーシャは謝罪するとマリナは「その言葉を待っていた」と受け入れてくれました。
しかし自分の事が好きで協力してくれていると思っていたローレンは出て行けと言い放ちました。
サーシャとローレンは展示会に行くとカティヤの肖像画の前にミーシャがいました。
サーシャは再会を喜ぶがミーシャは「自分は先が短い。最後の務めを果たす」とバッグを差し出し去ろうとします。
「良心に立ち返って」とカティヤにそっくりなローレンに言われミーシャは真実を語り出します。
カティヤをスパイに引き込んだミーシャはカティヤから亡命する際の協力を頼まれた時に拷問を受けKGBに寝返っていたのです。
カティヤを救う方法は自分と一緒に来るしかないと訴えるがカティヤは自分が捕まればサーシャは戻ってしまうと思い逃走したのです。
ミーシャにはカティヤを愛する気持ちもあり行かせたくない思いから背後から撃ち殺してしまったのです。
話を聞いたサーシャはミーシャに摑みかかるがローレンに止められその場を去ります。
ミーシャから渡されたバッグの中には1枚の封筒が入っていました。カティヤは再会出来なかった場合にサーシャへの手紙をミーシャに託していたのです。
何が何でも愛するサーシャと共に生きたいカティヤの想いが綴られていました。
「もし再会できなくても2人生きるはずだった人生を生きてほしい。私は永遠にあなたのもの」