作品情報・キャスト
ベストセラーになった高杉良の同名小説を原田眞人監督が映画化。
総会屋へ300億の利益供与が発覚し朝日中央銀行に東京地検特捜部の捜査が入ることになった。
経営陣はパニックに陥り政財界の大物でもある佐々木取締相談役の顔色ばかり窺う有様だった。
自己保身に走る上層部の態度に奮起した中堅行員は団結し銀行の悪しき因習を断ち切るべく再建のための戦いを開始する。
ネタバレ あらすじ/金融腐蝕列島 呪縛
バブル景気崩壊後、誰もが歴代の総理大臣と朝日中央銀行(ACB)の歴代の頭取に恐れていました。
総会屋グループ代表小田島が商法違反の容疑で逮捕されました。
丸野証券が小田島に不正に利益供与していたのです。
東京地検特捜部は株売買のための資金は大手都市銀行ACBが不正融資されたものとみて捜査に踏み切りました。
小田島への不正融資300億が持ち上がるが調査委員会でACB上層部が責任逃れする方向で話が進みました。
銀行マンとしてのモラルの問題だと企画本部副部長の北野が立ち上がり不正融資はいけない事だと教えられてきたと訴えます。
デスクに戻ると北野の発言に感動した銀行マンから多数の激励メールが届いていました。
銀行の闇
東京地検特捜部がACB本部へ強制捜査に入ります。
小田島グループと関係を続けていた取締役が辞任しACB相談役の佐々木は次の頭取をどうするか考えていました。
北野は義父とはいえ佐々木相談役が残るのは納得できませんでした。闇社会との繋がりの呪縛を解くどころかふくらませ会長や頭取を変えただけで最高顧問として居座っているからだ。
企画部の北野、MOF担当の片山、広報担当の松原、副部長の石井のミドルと呼ばれる4人はACBの再建へと踏み出すため元取締役会長の久山、中澤専務の理解を得て真相究明委員会を結成しブルームバーグテレビジョンの女性アンカー、和田と協力します。
利益供与事件は大型経済事件へと発展しACBの元総務部長や副頭取が逮捕され役員総辞職が決議されました。
ブルームバーグは新頭取には海外支店での経験が長い中山常務が候補としてあげられると報道しました。
帰国した中山常務をミドル4人は出迎えますが新たに逮捕者が出た事で記者会見はお詫び会見となってしまいます。
北野は中山新頭取の頭取秘書に抜擢され一条弁護士を迎え入れACB相談役の佐々木にヒアリングを行います。
佐々木は小田島との関係はないと言ったが北野は小田島と親密な仲だと聞いた事がありました。
頭取勇退の花道として株主総会を綺麗に仕上げるために密会していた時にワインを飲んでいた事を思い出しワインノートのラベルの裏に日時は記載されていると発言しました。
商法違反で中澤専務と太田元副頭取が逮捕され久山は警視庁に出頭し事情聴取を受けます。
警視庁から戻った久山は真相究明委員会に遺書を残し自殺してしまいます。
久山の葬儀の時間を伝えるため佐々木の屋敷を訪ねた北野は身を引くよう願い出ます。久山が残した遺書には佐々木が今までしてきた行いも書かれていたのです。
結末
総会屋絡みの情報誌の購読は打ち切り融資に対しても全力で回収する事を決めます。
現実には日本のほとんどの銀行は総会屋との関係を遮断する努力もしていない。ACBは銀行としての本来の姿を取り戻すための第一歩を命懸けで踏み出します。
北野の子供の通学路が記載されたFAXが自宅に届きACB本部には銃弾が撃ち込まれミドル4人組の石井が負傷してしまいます。
嫌がらせ、脅迫が始まるが北野は屈する事なく戦います。
ACBの株主総会は荒れに荒れるが中山親頭取を中心に北野やミドル組は呪縛を解くことを確約しなんとか乗り切りました。
片山は大蔵省の接待の責任を取って退社し、北野は久山の遺書をブルームバーグの和田に渡し公表するよう言いました。
検察庁は過剰接待の実態を暴き112名の大蔵省が処分され、逮捕者13名と自殺者1名をだしたACB事件は本にもなりました。
1年後、久山の墓参りをした北野は帰りに小田島に会い「闇は企業を逃さない」と言われます。