作品情報とキャスト
アジアトップ女優アンジェラベイビー主演作の密室ミステリーサスペンス、住人達の食い違う証言から真相を暴き出せ!
タワーマンションで停電があった日にマンション1階でカフェを経営する住民の鍾美宝が遺体となって発見される。
部屋の鍵が壊された形跡はなく密室状態だが頭部には外傷を受けており一酸化炭素中毒死だと分かる。
ベテラン刑事の鍾敬国と新人刑事の楊蕊森はタワーマンションの住民や関係者に事情聴取を行なうが証言には食い違いが。鍾美宝の隠された過去が明らかとなり事件は衝撃の結末を迎える。
ネタバレあらすじ/摩天楼のモンタージュ
7話、ウー・ミンユエ編(上)
タワーマンション(摩天大楼ホライズン・タワー)でC棟2003号室の住人ジョン・メイバオが死体で発見された事件。
被害者メイバオの隣人である小説家・ウー・ミンユエの情報を集めるためにヤン刑事は彼女の小説「祥雲幻影録」を読みます。
架空の6つの世界があり、仙界が封じ込めていた悪魔が再び自由になってしまったファンタジー小説だが完結編はまだ出来ていませんでした。
建築士ダーセンの話ではウーが被害者の合鍵を持っていたそうなのでジョン刑事は事情聴取を取ります。引き籠もりで精神を病んでいることから外部との接触を避けており、被害者とは発作を起こして介抱してもらったのが仲良くなったきっかけでした。
被害者の家族にウーと同じ症状の人がいるらしく、うまく言えないがメイバオとは特別な関係だと言います。
小説家なので何が真実で何が想像かすぐに結論はでません。ヤン刑事は「祥雲幻影録」を読めば何か分かるかも知れないと思い彼とのデート中に抜け出してトイレで読み進めます。
主人公のモデルがメイバオではないかと気付き署に戻りジョン刑事に伝えます。
被害者メイバオは戸籍上に兄弟はいないがダーセンや警備員の話で弟がいる事が分かっています。小説の中にも姉弟が存在し主人公が手当てして助けた鶴や狐のことは分からないが誰かを暗喩したと考えれば親しい人物だと思われます。
ジョン刑事は移住区で1枚だけ書類を発見しており「もしかしたら完結編の一部ではないか」と言います。
かつて好奇心旺盛だったウーは世の中に出て人と触れ合い、引き籠もりの恋人には1年に1回は旅行すると約束させていました。自分が引き籠もりとなったいま、当時の彼がどれだけ勇気を持って外に出てくれたか痛いほど分かります
旅行先で彼がテロに巻き込まれて亡くなってからウーはパニック障害となったのです。
第8話・ウー・ミンユエ編(下)
ヤン刑事はウーの著書2部を読み進めると主人公は成長してから鶴と狐の協力を得て人質に取られていた弟を救い出したのだと分かります。
主人公が弟を人質に取った魔王を愛してしまうという結末が何かしっくりきません。魔王の残忍な行いは愛を得るためであり一途だと多くの読者が支持していました。
ヤン刑事は真意を聞くためウーを訪ねると物語と事件を結びつけないでと怒られます。
自分は主人公がとても好きだから結末を知りたい、愛する人が魔王とは思えないと訴えると精神を保つためにはいろんな形があり加害者を崇拝してしまう事もあるとウーは言います。
そして完結編は世に出さないつもりだったがどうしても知りたいならと送ってくれました。
ジョン刑事はメイバオの戸籍を調べると両親は共に教師だったが50代の時に生まれたと記されていました。警備員シエの証言通りならメイバオは母親が17歳の時の子なので一致しません。
調査を進めると被害者の戸籍は偽物であり母親ジョン・ジエは高校在学中に出産し父親は妻子持ちだったので結婚はしていません。
被害者を子のいない夫婦の戸籍に入れ、弟イエン・ジュンは異父弟ということになります。ジエが死亡したときの夫はイエン・ヨンユエンだったのでシエが証言した継父という事になります。
メイバオは引き籠もりのウーを部屋から出してあげたくて恐怖に包まれる感覚なら分かると告げ語り始めます。
ある母子が支え合い協力して生活していたが母親が悪い人に出会いそれを愛と勘違いするようになりました。その男が継父となると少女には弟ができたがしばらくすると虐待が始まり、母親は継父を愛していたので何も言えませんでした。
少女が反抗すれば父親は母と弟を苦しめるので我慢しているうちに「子は父を愛するものだ」と洗脳されていきました。
ウーは「悪人には必ず天罰が下るから一人で背負わないで」と告げメイバオを抱き締めます。そして「主人公は魔王を始末し闇に消えていった」という完結編を書き上げました。
メイバオは彼のためにも秘密にしてとお願いしピアニストのイエ・シュージュンと一緒に食事を楽しみました。
第9話・イエ・メイリー編(上)
家政婦イエ・メイリーはメイバオの弟イエ・シュージュンを誘拐した罪で刑務所に収監されていたが「姉さん(メイバオ)が亡くなった」と面会に来たシュージュンから聞かされ動揺します。
誘拐した子供が何で面会に来るのかと囚人から聞かれても酷くショックを受けているため耳に届きません。
ジョン刑事とヤン刑事はメイリーへの事情聴取の申請をするが刑務所に収監された受刑者との面会は省をまたぐため手続きが煩雑であり時間が掛かっていました。
ジョン刑事は部下の妻からセクハラを訴えられ上層部に呼び出しを受けます。セクハラを訴えられた夫を救いたい弁護士の妻から「部長の座を狙って女がわざと陥れたんだ」とせがまれたが証拠がないため法廷で証明すればいいと告げました。
すると助けてくれなかった腹いせにいきなり弁護士に抱き付かれ「止めて下さい」と叫ばれたのです。このままだと停職になると言われたが本当の事を説明しているのでどうやって無実を証明すればいいか分かりません。
ヤン刑事は苛立つジョン刑事に「一緒に捜査しましょう」と声をかけ、家政婦としてメイリーを雇っていた家を訪ねます。
メイリーは仕事が完璧なだけでなくとても人柄も良いので皆が誘拐犯とは思えないと驚いていました。
ただ、近所の子供が大怪我をした時に応急処置を行ない救急車で運ばれたあと「現場に救急医療の専門家がいたんですね」と言われた事があったと知り家政婦の前は医者だったのかと思います。
調べると本名はリー・グイランで被害者メイバオが住んでいた町の病院センターで外科主任になっていました。
手続きが完了したので面会に行くと「お待ちしてました」とメイリーに言われます。
第10話・イエ・メイリー編(下)
ジョン刑事とヤン刑事はメイリーが収監されている刑務所へ面会に行きます。
メイバオとの出会いを訪ねるとメイリーは出会ったのは十数年前だと話し始めます。医療センターの外科医をしてた頃にメイバオの母親ジョン・ジエが夫の暴力で外来に来たのが出会いのきっかけでした。
ジョン・ジエは転んだとしか言わなかったが付き添いできていたメイバオが真実を教えてくれたのです。「父親がまた暴力を振るってたら教えて」とお願いしたがメイバオは「父親じゃない」とそっけない態度を取りました。
暴力が増長してしまうケースもあるし余計なお世話でもあるため通報はしなかったが「次は通報しなさい」とメイバオに伝えました。
すると次に暴力を振るわれて病院に来たときは通報を受けた警察もやってきたのでメイリーは日頃から暴力があった事を伝えました。
ジョン・ジエが感謝を口にし涙を流したのでまだ救えると思い家族と関係を持つようになりました。
ジョン・ジエが実家に戻ると言うので一晩メイバオと彼女の弟イエン・ジュンを預かりました。
子供を預けていなくなる親は多いから止めるべきと周囲から反対された通りジョン・ジエと連絡が付かなくなりました。
捜査依頼をすると受け入れられるが民間の養子縁組の件は弟が14歳以下なので民生部が指定する施設に預けられてからではないとダメだと言われます。14歳以上の姉は無理だと言われ姉弟が一緒に暮らす方法は施設しかありませんでした。
しかし施設に電話した後二人を思うと落ち着かなくなりメイバオとジュンと離れたくないのだと気付きました。
幼い頃に両親を失っているメイリーは初めて家庭というものを感じており自分の事を家族だと思って欲しいと伝え3人に絆ができました。
ある日、ジョン・ジエが事故に遭った夫と共に病院にやってきました。実家を売ったジョン・ジエだったがその金を渡すよう監禁されており隙をみてやっと脱出したが追ってきた夫が車に轢かれたのです。
ジョン・ジエはその日から別人のようになり部屋代やジュンのピアノレッスン代など折半して払えるようしっかり働くようになりました。
4人で生活しとても幸せだったが回復した夫が戻ってこいと暴れるようになりジョン・ジエがどんなに仕事を変えても邪魔しにやってきました。
ジョン・ジエが酒に溺れおかしくなりまたも子供をほったらかしていなくなりました。ジュンのピアノコンクールの日に見つけ出したので強引に連れて行くと「今からでも母親になれるかしら」とくちにしました。
メイリーは「見付からない場所で4人でやり直そう」と説得し荷造りをして駅のホームで待っていると「ジョン・ジエが飛び降り自殺した」と連絡が入りました。ジョン・ジエは荷造りをしていたが夫に見付かり突き落とされたのです。
電車に乗るとメイバオはトイレに行くと席を立ったが電車は動き出してしまいます。メイバオは駅のホームから「必ず弟をピアニストにしてね」とメイリーに託しナイフを手に奴に向かっていきました。